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地域密着型サービス9種類一覧|利用条件・サービス内容を解説

地域密着型サービス9種類一覧|利用条件・サービス内容を解説

地域密着型サービスは、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けるための重要な介護サービスです。介護が必要になった時、どのようなサービスを利用できるのか知っておくことは、将来の備えとして大切です。

この記事では、地域密着型サービスの基本から、9種類の具体的なサービス内容までを詳しく解説します。訪問サービスや通所サービス、施設サービス、複合型サービスの利用条件や特徴を知ることで、介護の選択肢を広げられます。

この記事を読むことで、地域密着型サービスの全体像を把握し、家族の介護に役立つ知識を得られるでしょう。

目次

地域密着型サービスとは?

地域密着型サービスは、高齢者が住み慣れた地域で生活を続けられるように支援するためのサービスです。市町村が指定した事業者が提供し、地域の特性に合わせたきめ細やかなサービスを実現します。ここでは、地域密着型サービスの基本と利用条件について解説します。

  • 地域密着型サービスの基本
  • 地域密着型サービスの利用条件

それぞれ解説します。

地域密着型サービスとは

地域密着型サービスは、高齢者が住み慣れた地域で安心して生活を続けられるように支援するサービスです。これは、2006年に介護保険制度の改正により導入されました。

市町村が事業者を指定し、地域の特性に応じたサービスを提供します。例えば、小規模な施設での介護や、地域の特性を生かした活動などが行われます。これにより、利用者一人ひとりのニーズに応じた柔軟な対応が可能です。

具体的なサービス内容は市町村によって異なりますので、お住まいの地域の地域包括支援センターに相談してみましょう。

参考:公益財団法長寿科学振興財団『地域密着型サービスとは』

地域密着型サービスの利用条件

このサービスを利用するためには、3つの条件を満たす必要があります。まず、サービスを提供する事業所がある市区町村に住民票があることが基本条件です。

次に、65歳以上の方、もしくは40~64歳で特定の病気により介護が必要になった方であることが求められます。

最後に、要介護認定を受けていることが条件です。要支援の方は、通常の地域密着型サービスは利用できませんが、介護予防を目的としたサービスを利用できます。

これらの条件を満たすことで、地域に密着したサービスを受けられます。必要な条件を確認し、適切なサービスを利用しましょう。

 

地域密着型サービス9種類の内容

地域密着型サービスは、住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるように設計された9種類のサービスです。訪問、通所、施設、複合型の4つの形態に分かれており、それぞれの特徴を以下で詳しく解説します。

訪問サービス

訪問サービスは、自宅での生活を支援するために提供されるサービスです。夜間対応型訪問介護と定期巡回・随時対応型訪問介護看護の2種類があります。

夜間対応型訪問介護

夜間の不安を解消し、安心して在宅生活を送れるようにするサービスです。夜間帯(午後10時から翌朝6時)を中心に、定期的な巡回訪問と緊急時の随時対応を組み合わせて提供します。

定期巡回では、排せつの介助や体位変換、就寝時の見守りなどを行います。また、利用者には緊急通報用の端末が渡され、体調不良時やトイレで困ったときなど、必要に応じて随時訪問を受けられます。

たとえば、夜中にベッドから転落して起き上がれなくなった場合でも、すぐに介護スタッフが駆けつけて対応してくれるため、一人暮らしの高齢者も安心して生活を送れます。サービスの選択時には、ご自身の生活リズムに合わせて、巡回の時間帯や頻度を相談しましょう。

関連記事:高齢者一人暮らしの限界と対策|自治体の支援や施設入居を活用しよう

定期巡回・随時対応型訪問介護看護

24時間365日、介護と看護の両方のサービスを必要なタイミングで受けられる在宅介護の形です。介護職員による定期的な訪問と、緊急時の随時対応に加えて、看護師による医療的なケアも一体的に提供されます。

1回の訪問は10~20分程度で、食事、排せつ、服薬確認などの短時間の身体介護を中心に行います。看護師との連携により、体調管理や医療処置も可能なため、医療ニーズの高い方でも在宅生活を継続できます。

例えば、糖尿病の方の場合、介護職員が食事介助や服薬確認を行い、看護師が血糖値の測定や投薬管理を担当するといった、きめ細かなケアを受けられます。在宅での介護に不安がある場合は、このサービスの利用を検討しましょう。

通所サービス

通所サービスは、施設に通って日帰りで介護を受けるサービスです。地域密着型通所介護と認知症対応型通所介護の2種類があります。

地域密着型通所介護

19名未満の少人数制で運営される小規模なデイサービスです。家庭的な雰囲気の中で、食事、入浴などの日常生活の支援や、体操、リハビリなどの機能訓練を受けられます。

利用者一人ひとりに合わせたきめ細かなケアが特徴で、スタッフとの密な関係づくりが可能です。自宅から施設までの送迎サービスも提供されるため、移動の心配もありません。

要介護1から5の方が対象となりますので、ご自身の状態に合わせたサービス内容を相談しましょう。

関連記事:デイサービスは送迎OK!費用や利用条件など気になるポイントを解説

関連記事:デイサービスは健康な人も利用可能?費用やデイケアの違いも解説

認知症対応型通所介護

認知症の方に特化した12名以下の小規模デイサービスです。要支援・要介護どちらでも利用できます。認知症の症状や状態に応じた専門的なケアと、その方の得意なことを活かしたプログラムを提供します。

家庭的な環境で、少人数ならではの手厚い支援を受けられます。日常生活動作の維持・改善を目指した活動や、脳の活性化を促すレクリエーションなど、認知症状の進行を緩やかにする取り組みを行います。

たとえば、料理が得意な方には調理の準備を手伝っていただいたり、園芸が好きな方には植物の世話をしていただいたりと、その方の特性を生かした活動を取り入れています。認知症の方でも安心して過ごせる環境を整えましょう。

施設サービス

施設サービスは、入居して生活支援を受けるサービスです。地域密着型特定施設入居者生活介護、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護、認知症対応型共同生活介護の3種類があります。

地域密着型特定施設入居者生活介護

30名未満の小規模な有料老人ホームや軽費老人ホームで提供される介護サービスです。住み慣れた地域での生活を継続しながら、必要な介護サービスを受けられます。

常駐の介護スタッフによる24時間の見守りがあり、食事、入浴、排せつなどの日常生活の支援から、機能訓練まで幅広いサービスを提供します。多くの施設では看護師も配置されているため、健康管理も充実しています。

例えば、自室での生活を基本としながら、施設内でのレクリエーションや地域との交流活動にも参加できます。要介護1から5の方が対象となりますので、施設の特徴や料金体系をよく確認して選びましょう。

地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護

定員29名以下の小規模な特別養護老人ホームです。常に介護が必要な方に対して、地域や家族とのつながりを大切にしながら、きめ細かな介護サービスを提供します。

原則として要介護3以上の方が対象ですが、特別な事情がある場合は要介護1・2の方も入所できます。食事、入浴、排せつなどの日常生活の支援に加え、機能訓練や療養上の世話も行います。

たとえば、地域の行事に参加したり、ボランティアとの交流を持ったりすることで、入所者の生活に潤いを持たせています。地域との関係を保ちながら生活したい方は、このサービスの利用を検討しましょう。

認知症対応型共同生活介護

認知症の方が5~9名の小規模な単位で共同生活を送る、いわゆるグループホームです。家庭的な環境の中で、できる限り自立した生活を送れるよう支援します。

入居者は介護スタッフと一緒に、調理や掃除などの日常生活動作を行いながら、残存能力の維持・向上を図ります。共同生活を通じて、他の入居者との交流も自然に生まれます。

例えば、野菜の下ごしらえや洗濯物たたみなど、それぞれができることを担当することで、生活への意欲を保つことができます。要支援2または要介護1から5で認知症と診断された方が対象となります。

関連記事:グループホームとは?入居条件や特徴を簡単に解説

複合型サービス

複合型サービスは、複数のサービスを組み合わせて提供するものです。小規模多機能型居宅介護と看護小規模多機能型居宅介護の2種類があります。

小規模多機能型居宅介護

「通い」を中心に、「泊まり」と「訪問」を組み合わせた柔軟なサービスです。登録定員は29名以下で、顔なじみの職員による一貫したケアを受けられます。

利用者の状態や希望に応じて、デイサービス的な通いを基本としながら、必要に応じて自宅への訪問介護や施設での宿泊を組み合わせることができます。馴染みの関係の中でサービスを受けられるため、環境の変化に敏感な方にも適しています。

たとえば、普段は日中に通所して過ごし、家族の用事がある時は宿泊を利用するなど、柔軟な対応が可能です。要支援・要介護の方で、さまざまなサービスを組み合わせて利用したい場合は、このサービスの利用を検討しましょう。

関連記事:小規模多機能型居宅介護でずっと泊まりは可能?30日ルールやメリット・デメリットもわかりやすく解説!

看護小規模多機能型居宅介護

小規模多機能型居宅介護のサービスに、看護師による訪問看護を加えた総合的なサービスです。医療ニーズの高い要介護者でも、住み慣れた地域での生活を続けられます。

「通い」「泊まり」「訪問」のサービスに加えて、看護師による医療的ケアを提供します。介護と看護が一体となったサービスにより、医療処置が必要な方でも安心して在宅生活を送ることができるでしょう。

例えば、点滴や喀痰吸引が必要な方でも、看護師による医療的ケアと介護スタッフによる生活支援を組み合わせて受けられます。医療的ケアが必要な要介護者の方は、このサービスが適しているでしょう。

よくある質問と回答

地域密着型サービスについて、よくある質問とその回答

地域密着型サービスについて、よくある質問とその回答をまとめました。ここでは以下の質問について詳しく解説します。

  • 地域密着型サービスと居宅サービスの違い
  • デイサービスと地域密着型デイサービスの違い

それぞれ見ていきましょう。

地域密着型サービスと居宅サービスの違いは?

地域密着型サービスは、住み慣れた地域でより細やかな介護サービスを受けられる制度です。

最大の違いは、サービスを利用できる範囲と規模にあります。居宅サービスは都道府県が指定する事業者が提供し、どの地域に住んでいても利用可能です。一方、地域密着型サービスは市町村が指定する事業者が提供し、その市町村に住んでいる方のみが利用できます。

お住まいの地域で利用できるサービスを確認し、ご家族の状況に合ったものを選びましょう。

デイサービスと地域密着型デイサービスの違いは?

定員数と利用できる地域が大きく異なるのが、この二つのデイサービスの特徴です。

通常のデイサービスは定員が19名以上で、お住まいの地域に関係なく利用できます。それに対し、地域密着型デイサービスは定員18名以下の小規模な施設で、その地域に住む方のみが利用できます。

例えば、通常のデイサービスなら、隣の市町村の施設でも利用できますが、地域密着型は原則として市町村をまたいでの利用はできません。また、料金面では地域密着型のほうが若干高めに設定されていることが多いのも特徴です。

少人数でアットホームな雰囲気を好む方は地域密着型を検討しましょう。

【まとめ】地域密着型サービス9種類

地域密着型サービスは、高齢者が住み慣れた地域で安心して生活を続けられるよう、様々なサービスを提供しています。市町村が指定する事業者が提供し、地域の特性に応じたきめ細やかなサービスを受けられます。

訪問、通所、施設、複合型の4つの形態に分かれた9種類のサービスがあり、それぞれの特徴を理解することで、介護の選択肢を広げることができます。

介護が必要になった時のために、お住まいの地域でどのような地域密着型サービスが利用できるのか、地域包括支援センターに相談して確認しておきましょう。

 

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この記事の監修者

いいケアネット事務局

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