在宅介護の準備をしていて「介護ベッドを置きたいけれど部屋が狭い」「置けなかったらどうしよう?」と悩んでいませんか。
とくに初めて介護をする場合、介護ベッドの選び方や部屋のレイアウトがわからない方も多いかもしれません。
狭い部屋に介護ベッドを置く場合は、安全性を重視しつつ、コンパクトな折りたたみ式や昇降式ベッドを選ぶことをおすすめします。また、動線が良くベッドの両側にスペースを作れる配置にするのもポイントです。
本記事では、狭い部屋での介護ベッドの選び方や効果的なレイアウトについて詳しく解説します。
記事を読めば、限られたスペースでも効率的で快適な環境を整え、大切な家族により良い介護を提供するための知識を得られるでしょう。
部屋が狭くても置ける介護ベッドの選び方3選
狭い部屋に置く介護ベッドは、以下のような特徴のものがおすすめです。
- コンパクトかつ安全
- 折りたたみ式
- 部屋が狭くても乗り降りしやすい
本章を参考に、在宅介護をする家の広さ・間取りに合った介護ベッドを選びましょう。
コンパクトかつ安全な介護ベッドを選ぶ
狭い部屋でも使える介護ベッドを選ぶ際、コンパクトで安全性の高いものを選びましょう。
通常のシングルベッドの幅は100cmほどであるのに対し、介護ベッドの大きさは83cm・91cm・100cmの3サイズが一般的です。
狭すぎると寝返りがうちにくくなったり、介護者の作業スペースが確保できなくなったりする可能性があります。高齢者の体格や介護の必要度に合ったサイズがおすすめです。
また、ベッドの柵の高さや強度、マットレスの滑り止め機能など、安全性の高さも確認することが大切です。
介護ベッドは、睡眠や休息だけでなく、生活の場としての機能も重視する必要があります。狭い部屋に置く場合はコンパクトさと安全性の両方を兼ねているものを選びましょう。
狭い部屋に適した折りたたみ式介護ベッドを選ぶ
折りたたみ式の介護ベッドは、狭い部屋でとくに重宝します。使わないときは折りたたんで収納できるため、限られたスペースを有効活用できるのが大きな魅力です。
一般的な折りたたみ式介護ベッドは、折りたたむと厚さが約30〜40cmになります。これにより、日中は部屋を広く使え、夜間のみベッドとして利用できます。
また、掃除や模様替えの際にも便利です。
ただし、折りたたみ式ベッドは通常のベッドに比べて安定性が劣る場合があります。購入前に実際に触れて、安定性や使いやすさを確認すると良いでしょう。
部屋が狭くても乗り降りしやすい介護ベッドを選ぶ
狭い部屋でも、高齢者が安全に乗り降りできるベッドを選ぶことが重要です。
モーター付きのタイプであれば、利用者の身長や状態に合わせて最適な高さに設定できます。また、高齢者が乗り降りする際ベッドの端に腰かけやすいよう、マットレスは縁が硬めのものがおすすめです。
安全性の観点から、転倒防止やベッド乗り降り時の支えとなるサイドレール・手すりがあるタイプを選びましょう。
介護ベッドの選び方や購入時の補助金、介護保険を利用したレンタルについては以下の記事で紹介しています。これから介護ベッドを購入・レンタルする方は参考にしてください。
関連記事:
介護ベッドの購入・レンタル|補助金はもらえる?費用負担の少ない導入方法を解説
狭い部屋に介護ベッドを置くときのポイント
狭い部屋での介護は、介護ベッドの選び方だけでなくレイアウトを工夫することも大切です。介護ベッドを設置するときのポイントは以下の2点です。
- 介護がしやすく安全性の高い部屋に置く
- ベッドの両側にスペースを確保できるレイアウトにする
本章を参考に、限られたスペースを最大限に活用し、介護する側もされる側も快適に過ごせる環境を作りましょう。
介護がしやすく安全性の高い部屋に置く
介護ベッドを置く部屋は、介護のしやすさ・安全性の高さを優先して選択しましょう。
トイレに近く、換気がしやすく、できれば1階にある部屋が介護に向いているといえます。
条件をすべて満たせなくても、介護の度合いに応じて優先順位をつけて選ぶことが大切です。
部屋を選ぶ際は、これらの条件を可能な限り満たす場所を探しましょう。
ベッドの両側にスペースを確保できるレイアウトにする
狭い部屋に介護ベッドを置く場合であっても、べッドの両側には一定のスペースを確保できるレイアウトにしましょう。
ベッドの両側にスペースがあると、介護者が両側から介助できるため、ケアがしやすくなります。
たとえば、体位変換や着替えの際に、介護者が動きやすく、負担を軽減できるでしょう。
また、ベッドの両側のスペースを活用して、ポータブルトイレをベッドのすぐ横に設置できるのもメリットです。
夜間にトイレに行く際、すぐに座れる位置にあることで、転倒のリスクを減らせます。
限られた広さであっても、最低限ベッドの両側にスペースを確保できるレイアウトで介護ベッドを設置しましょう。
関連記事:ポータブルトイレについて|種類・選ぶポイント・使い方
部屋が狭くて介護ベッドを置けないときの対処法
ベッドの種類やレイアウトを工夫しても部屋に介護ベッドを置けない場合、以下2つの対処法があります。
- 介護リフォームを検討する
- 施設への入居も視野に入れる
介護ベッドを設置できないときの最終手段として、本章の内容も頭に入れておきましょう。
介護リフォームを検討する
介護がしやすい環境を整えるために、介護リフォームを検討するのも一つの選択肢です。
介護リフォームでは、手すりの設置や段差の解消、滑り止め床材の使用など、安全性と利便性を高める工事が可能です。
たとえば、トイレまでの動線上の壁に沿って手すりを設置することで、自立歩行をサポートし、転倒リスクを減らせます。また、部屋とトイレの間の段差をなくすことで、転倒を防ぎます。
介護リフォームは費用がかかると思われがちですが、実は介護保険による住宅改修制度を利用できます。最大20万円まで補助が出る可能性があるので、経済的な負担を軽減できるでしょう。
介護リフォームを検討する際は、ケアマネージャーや地域包括支援センターに相談し、補助金の条件や申請方法などについて詳しい情報を得ることをおすすめします。
状況に応じて必要な改修を行い、より安全で快適な介護環境を整えましょう。
また、介護保険が適用できるリフォームの種類や条件は以下の記事でも解説しています。介護リフォームを検討している方は参考にしてください。
関連記事:「手すり」が介護保険適用?保険の概要や支給条件について
施設への入居も視野に入れる
部屋が狭くて介護ベッドを置くスペースが確保できないときは、自宅介護から施設介護に切り替える選択肢も検討しましょう。
介護施設は自宅介護よりもコストがかかるものの、介護者の負担を軽減できるだけでなく、入居者一人ひとりに適した介護ケアを受けられるのがメリットです。
高齢者の介護度合いに応じて利用できる施設は異なるため、予算や受けたいケアの内容に合わせて希望に合った施設を選ぶことが大切です。
自宅介護だけでなく施設介護も検討したい場合は、地域包括支援センターやケアマネジャーへ相談してみましょう。
また、「いいケアネット」では大阪を中心とした高齢者向けの介護施設の情報を掲載しています。
全国の介護施設も簡単に検索できて、空室確認や見学予約も可能です。電話による無料相談も行っているため、初めての介護で不安な方はぜひ一度お問い合わせください。
【まとめ】部屋が狭くても工夫次第で介護ベッドは使える
部屋が狭くても、ベッドの選び方やレイアウトの工夫次第で介護ベッドを置ける場合があります。
介護ベッドを選ぶときは、コンパクトなベッドやや折りたたみ式のベッドがおすすめです。
ただし、介護ベッドは高齢者の生活の場でもあるため、サイズだけでなく機能性や安全性も重視しましょう。ベッドからの乗り降りのしやすさや手すり・サイドレールの有無も確認することが大切です。
また、介護者がストレスなく動けるようなレイアウトや部屋選びも大切です。
どうしても部屋が狭くて介護ベッドを置けない場合は、施設への入居を検討する選択肢もあります。
ケアマネージャーや地域包括支援センターに相談するなど、安心して介護ができる環境を整えるためにも、できることから始めていきましょう。
大阪を中心に、多数の高齢者向けの介護施設の情報を掲載する「いいケアネット」では、老人ホームに関する疑問やそれにまつわる情報を「いいケアジャーナル」で随時更新中!

この記事の監修者
いいケアネット事務局
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