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要支援2と要介護1の違いは?認定基準や受けられるサービスを解説

「最近、親の動作がゆっくりになってきたような…もしかして介護が必要になる日も近いかも」そう感じながらも「まだ大丈夫だろう」と先延ばしにしていませんか?

とくに「要支援2」と「要介護1」は要介護認定等基準時間が同じ範囲にあるため、具体的にどんな状態なのか、どんなサービスを受けられるのか、違いがわかりづらいという声も多く聞かれます。

そこで本記事では、「要支援2」と「要介護1」の認定基準をわかりやすく解説し、日常生活でどのようなサポートが必要になるのかを具体的にイメージできるようお伝えします。

この記事を読めば「要支援2」と「要介護1」の状態に応じた最適な介護サービスを理解し、親の生活を支えるための具体的な知識を得られるでしょう。

要支援2と要介護1との違い|認定基準による割り振り方

区分のための判定基準の1つは、要介護認定等基準時間です。

要介護認定等基準時間とは「どれくらい介護時間が必要か」をコンピューターで算出したものです。

以下は、区分ごとの要介護認定等基準時間をまとめた表です。ご覧のとおり、要支援2と要介護1の要介護認定等基準時間は同じ範囲となるため、両者の違いに悩む方も少なくありません。

区分 必要な介護時間
要支援1 25分以上32分未満
要支援2
要介護1
32分以上50分未満
要介護2 50分以上70分未満
要介護3 70分以上90分未満
要介護4 90分以上110分未満
要介護5 110分以上

よって、要支援2と要介護1は、担当医や認定調査員による心身の状況に関する調査に基づき、心身や認知機能の状態を総合的に判定します。

【要支援2】

基本的な日常生活動作(食事、着替え、移動など)はほぼ自立して行えるが、歩行の補助や見守りなど適切なサポートがあれば要介護状態を予防できる状態。

統計によると、要支援2の方の約7.7%%が「認知症高齢者の日常生活自立度II以上」とされています。要介護1になると割合が約67.7%と大きく上昇する点から、認知機能においては比較的軽度な状態といえます。

 

【要介護1】

基本的な日常生活動作(食事、着替え、移動など)はほぼ自立して行えるが、より複雑な動作や判断を要する場面では支援が必要な状態。

統計によると、要介護1の方の約67.7%が「認知症高齢者の日常生活自立度II以上」とされています。具体的な症状としては、道に迷いやすくなる、金銭管理にミスが増える、約束を忘れるなどが挙げられます。

このように、要支援2と要介護1の介護時間は同じ範囲ですが、支援の必要度や認知機能の低下度合いに違いがあるのがわかります。

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要支援2と要介護1で利用できるサービス

ここからは、要支援2と要介護1で利用できるサービスを紹介します。要支援2と要介護1では利用できる給付が異なります。

要支援2の場合は「予防給付」、要介護1の場合は「介護給付」です。この給付の違いによって、利用できるサービスの内容や範囲が変わってきます。

この記事は「コンテンツポリシー」に沿って執筆しています。
目次

要支援2の場合

以下は、要支援2の方が利用できるサービスです。

サービス分類 利用できるサービス
居宅サービス ・介護予防訪問介護(ホームヘルプサービス)
・介護予防訪問看護
・介護予防通所介護(デイサービス)
・介護予防通所リハビリテーション(デイケア)
・介護予防短期入所生活介護(ショートステイ)
地域密着型サービス ・介護予防認知症対応型通所介護
・介護予防小規模多機能型居宅介護
・介護予防認知症対応型共同生活介護(グループホーム)

参考:厚生労働省|介護保険制度の概要『介護サービスの種類

要支援2で利用できるサービスは大きく分けて、自宅で生活しながら受けられる「居宅サービス」と、市町村が指定・監督を行う「地域密着型サービス」があります。地域密着型サービスは、介護や支援を必要とする方が、住み慣れた地域で生活を継続できることを目的としています。

要支援の方が利用できるサービスは、対象者が要介護状態にならないための予防的な支援や機能訓練が中心です。

関連記事:要支援2で受けられるサービスは?|認定基準から施設入居のメリットまで解説

要介護1の場合

以下は、要介護1の方が利用できるサービスです。※サービス名をクリックすると、詳細記事をチェックできます(一部のみ対象)

サービス分類 利用できるサービス
居宅サービス 訪問介護(ホームヘルプサービス)
訪問看護
通所介護(デイサービス)
・通所リハビリテーション(デイケア)
・短期入所生活介護(ショートステイ)
地域密着型サービス ・定期巡回/随時対応型訪問介護看護
・夜間対応型訪問介護
・認知症対応型通所介護
・小規模多機能型居宅介護
・認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
施設サービス ・特別養護老人ホーム
・介護老人保健施設
・介護療養型医療施設

参考:厚生労働省|介護保険制度の概要『介護サービスの種類

要介護1の場合は「居宅サービス」「地域密着型サービス」に加えて「施設サービス」が利用可能となります。必要な介護提供により、対象者の生活の質や自立度の維持・向上を目指します。

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要支援2と要介護1でもらえるお金「区分支給限度額」はいくら?

区分支給限度基準額とは、介護保険制度が定める介護サービスの月々の利用上限額を示すものです。

介護が必要な方の状態(要支援・要介護)に応じて7段階に分かれており、各区分で利用できる金額が異なります。

以下は区分支給限度基準額の一覧です。

区分 介護サービス利用の上限額(月額)
要支援1 5万320円
要支援2 10万5,310円
要介護1 16万7,650円
要介護2 19万7,050円
要介護3 27万480円
要介護4 30万9,380円
要介護5 36万2,170円

参考:厚生労働省『サービス利用者の費用負担等
※1単位当たり10円として計算した場合
※自己負担1割の場合

上限額の範囲内であれば、個々の状況や必要性に応じてサービスの組み合わせが可能です。

つまり要支援2の方は上限額10万5,310円、要介護1の方は上限額16万7,650円の範囲内でサービスを利用できます。

実際の支払額は利用者の所得に応じて異なります。一般的な所得の方は1割負担となり、たとえば要支援2の方が月額上限までサービスを利用した場合の自己負担額は1万531円、要介護1の方は1万6,765円です。

所得が高い場合は2割(年金収入280万円以上340万円未満)または3割(年金収入340万円以上)となります。

要支援2と要介護1のケアプラン例

先ほど解説した区分支給限度基準額をもとに、要支援2と要介護1における具体的なケアプラン例と料金の目安を見ていきましょう。

以下2パターンのケースを紹介します。

  • 自宅に住む場合
  • 施設入所の場合

なお、ケアプランはケアマネジャーと相談しながら作成するのが一般的です。利用者や家族の要望を踏まえて作成されるため、事前に希望するサービス内容について考えておくと良いでしょう。

自宅に住む場合

以下は、要支援2の上限額10万5,310円の範囲内で利用可能なケアプラン例です。

利用するサービス 利用回数 料金/回
介護予防訪問看護 月4回 4,500円
介護予防訪問リハビリテーション 月4回 3,200円
介護予防通所リハビリテーション 4万6,610円(定額)
介護予防短期入所生活介護 2日間 7,320円
介護予防福祉用具貸与 7,260円(定額)
合計の料金 92,050円
自己負担額(1割負担の場合) 9,205円

※参考:厚生労働省『介護サービス概算料金の試算

以下は、要介護1の上限額16万7,650円の範囲内で利用可能なケアプラン例です。

利用するサービス 利用回数 料金/回・日
訪問介護 月3回 3,420円
訪問入浴介護 月3回 14,220円
訪問看護 月3回 5,210円
訪問リハビリテーション 月4回 3,340円
短期入所生活介護 2日間 7,950円
通所リハビリテーション 61,180円(月額)
福祉用具貸与 8,060円(月額)
合計の料金 167,050円
自己負担額(1割負担の場合) 16,705円

※参考:厚生労働省『介護サービス概算料金の試算

サービスの具体的な利用内容や回数は、ケアマネジャーと相談しながら、ご本人の状態や生活スタイルに合わせて調整していきます。

施設入所の場合

要支援2・要介護1ともに、要件を満たせば施設入所が可能ですが、区分支給限度基準額には入所費用は含まれません。そのため、施設の入所費用は別の介護保険を適切に組み合わせる必要があります。

ただし、施設入所しながら区分支給限度基準額の対象となるサービスの利用は可能です。以下は、要支援2の方が施設入所を想定したケアプラン例です。

利用するサービス 利用回数 料金/回
介護予防訪問看護 月4回 4,500円
介護予防福祉用具貸与 7,260円(定額)
合計の料金 2万5,260円
自己負担額(1割負担の場合) 2,526円

※参考:厚生労働省『介護サービス概算料金の試算

以下は、要介護1の方が施設入所を想定したケアプラン例です。

利用するサービス 利用回数 料金/回
訪問看護 月4回 5,210円
通所リハビリテーション 61,180円(月額)
福祉用具貸与 8,060円円(定額)
合計の料金 90,080円
自己負担額(1割負担の場合) 9,008円

※参考:厚生労働省『介護サービス概算料金の試算

施設では24時間体制で専門のスタッフが常駐していますが、必要に応じて訪問看護の利用や福祉用具の活用も可能です。これにより、入居者一人ひとりの状態に合わせた柔軟なサポート体制を構築できます。

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要支援2と要介護1の違いを知って今後の介護に役立てよう【まとめ】

「要支援2」と「要介護1」とでは、支援の必要度や認知機能の低下度合いに違いがあります。この区分の違いによって、受けられるサービスや給付金の額が異なるため、基礎知識をしっかりと把握しておきましょう。

どちらの区分でも、適切なケアを始めれば、生活の質を維持し、重度化を予防できます。家族や専門家と相談しながら、積極的に介護サービスを利用していきましょう。

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要支援2と要介護1の違いに関するよくある質問

ここでは、よくある質問について以下の4つのポイントを解説します。

  • 要介護1でもらえるお金はある?
  • 要介護1に認定されるには?
  • 要介護1で利用できるデイサービスの回数は?
  • 要介護1と要介護2の違いを知りたい

それぞれの質問について詳しく見ていきましょう。

要介護1でもらえるお金はある?

要介護1の方が直接お金をもらえることはありませんが、介護サービスを低負担で利用できます。

介護保険制度では、要介護1の方は167,650円までのサービスを1〜3割の自己負担で利用可能です。

たとえば、自己負担が1割の場合、16,765円を超えるサービス利用分は全額自己負担となります。

これにより、経済的な負担を軽減しながら必要な介護を受けられます。制度を理解し、賢く活用しましょう。

要介護1に認定されるには?

要介護1の認定を受けるには、訪問調査と主治医意見書が必要です。認知症の症状が「IIa」以上であることが条件の一つとなっています。

訪問調査の際には、普段の状態を正確に伝えましょう。たとえば「道に迷うことが多くなった」「同じものを何度も買ってしまう」などの具体的な症状をメモにまとめ、調査員に詳しく説明します。

次に、主治医意見書は信頼できる医師に書いてもらいます。。普段の症状を医師にも詳しく伝え、適切な評価を受けられるようにしてください。

ただし、調査時に本人が頑張りすぎて、実際の状態よりも軽く判断されてしまうこともあります。日ごろの様子を家族がしっかりと観察し、正確に伝えましょう。

要介護1の認定は、適切な介護サービスを受けるための重要なステップです。認定調査に向けて、家族で協力して準備をする姿勢が大切です。

関連記事:介護認定を正しく判定してもらうコツってないの?

要介護1で利用できるデイサービスの回数は?

要介護1の方がデイサービスを利用する場合、一般的には週に2〜3回程度が多いですが、実際の利用回数に制限はありません。ただし、介護保険の支給限度額内で利用する必要があります。

要介護1の方の支給限度基準額は月額167,650円(16,765単位)です。デイサービスの基本単位は、5〜7時間未満の利用で572単位、7〜9時間未満で656単位となっています。これに加えて、入浴介助や送迎などの加算があります。

たとえば、7時間以上9時間未満のデイサービスを週3回利用すると、約8,000単位程度です。これは支給限度額の半分程度ですので、他の訪問介護サービスなども組み合わせて利用できます。

デイサービス以外のサービスをほとんど利用しない場合は、週5回程度の利用も可能です。個々の状況や必要性に応じて、ケアマネジャーと相談しながら最適な利用計画を立てていく視点が大切です。

デイサービスは、日中の活動や交流の機会を提供し、介護者の負担軽減にもつながります。自分や家族の生活リズムに合わせて、適切な利用回数を決めていきましょう。

関連記事:デイサービスは健康な人も利用可能?費用やデイケアの違いも解説

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要介護1と要介護2の違いを知りたい

要介護1と要介護2の違いは、日常生活での介助の必要度にあります。要介護1では、基本的に自分で生活できますが、排泄や入浴時に一部手助けが必要です。

一方、要介護2では、食事や排泄、入浴など多くの場面で介助が必要となり、立ち上がりや歩行も困難です。また、要介護2では認知症の初期症状が見られる場合もあります。たとえば、薬の飲み忘れや食事をしたことを忘れるといった症状があります。

この記事の監修者

いいケアネット事務局

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