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要支援2で受けられるサービスは?|認定基準から施設入居のメリットまで解説

要支援2で受けられるサービスは?|認定基準から施設入居のメリットまで解説

親が要支援2の状態になった時、どのようなサービスが利用できるのか悩んでいませんか?要支援2の状態では、受けられるサービスが多岐にわたります。しかし、どのサービスが最適なのかを理解するのは簡単ではないでしょう。

この記事では、要支援2の基本的な認定基準から、利用可能なサービスの種類、さらには施設入居のメリット・デメリットまでを幅広く解説しています。

要支援2について理解を深めることで、本人や家族に最適な支援方法を見つける一助となるでしょう。

目次

要支援2とは?その概要と基本情報

要支援2とは、介護保険において比較的軽度の支援が必要な状態を指します。基本的には、日常生活に多少の支援が必要ですが、まだ自立した生活が可能な方が該当します。次の3点に注目していきましょう。

  • 要支援2の認定基準とは?
  • 要支援1と要支援2の違い
  • 要支援2に認定されるまでの流れ

それぞれ解説します。

要支援2の認定基準とは?

要介護度を判定するためには「要介護認定等基準時間」という基準があります。これは、介護に必要な時間を基準にして、要介護度を決定するものです。

具体的には、以下の介護時間が求められます。

  • 要支援1:25分以上32分未満
  • 要支援2:32分以上50分未満

なお、要介護1は要支援2と同じ時間が設定されています。しかし、認知機能の状態や状態の安定性が考慮されるため、同じ時間でも異なる認定がされることがあります。例えば、認知症の症状がある場合や心筋梗塞や脳梗塞などで病状が不安定な場合は、要介護1と判定される可能性が高くなります。

ただし、実際の介護時間を正確に測定するのは難しいため「一次判定」が行われます。一次判定では、市区町村の認定調査員が行う認定調査と主治医の意見書に基づいてコンピューターで判定が行われます。

参考:厚生労働省『要介護認定に係る法令

要支援1と要支援2の違い

要支援2と要介護1の違いを理解するためのポイントは、前述した「認知機能の状態」と「状態の安定性」の2つの観点です。

要支援2では認知機能の低下が見られず、適切なサポートを受けることで要介護状態への進行を防げるとされています。一方、軽度の認知機能低下があり、要支援状態への回復が困難だと判断されれば、要介護1に認定される可能性が高まります。

また、6ヶ月の認定有効期間内に介護の必要量が変化するかどうかも基準になります。例えば、「今後、介護がより必要になる」と予測される場合、認知機能の低下がみられなくても介護度が引き上げられることがあります。

関連記事:要支援1で受けられるサービスは?要支援1に適した介護施設も解説

要支援2に認定されるまでの流れ

要支援2に認定されるまでの流れは、主に次の4つのステップに分けられます。

  • 要介護認定の申請を行う
  • 市区町村の認定調査員による認定調査を受ける
  • 調査結果を基に審査判定が行われる
  • 認定結果が通知される

介護予防サービスを利用するためには、認定結果の通知後、地域包括支援センターへ連絡しケアプランを作成してもらいましょう。

なお、要介護認定には有効期限があります。新規や変更申請の場合、原則として6ヶ月(状態に応じて3~12ヶ月)有効であり、更新申請の場合は12ヶ月(状態に応じて3~24ヶ月)有効です。

関連記事:介護保険申請のタイミングはいつ?失敗しないための手続きガイド

要支援2で利用できる主なサービス

要支援2で利用できる主なサービスは多岐にわたります。

  • 自宅で受けられるサービス
  • 地域で受けられるサービス
  • 施設へ通うサービス
  • 施設で短期宿泊するサービス
  • 施設に入居するサービス
  • 福祉用具のレンタル・購入サービス

それぞれ解説します。

自宅で受けられるサービス

要支援2で利用できる訪問型サービスについて説明します。

要支援2の方が自宅で受けられる訪問型サービスには以下のものがあります。

  • 介護予防訪問介護:ホームヘルパーが自宅を訪問し、食事や排泄、入浴などの身体介護や、掃除・洗濯などの生活援助を行います。
  • 介護予防訪問看護:医師の指示のもと、看護師や保健師が自宅を訪問し、療養上の世話や診療の補助を提供します。
  • 介護予防訪問入浴:浴槽を積んだ入浴車が自宅を訪問し、入浴をサポートします。
  • 介護予防訪問リハビリテーション:医師の指示のもと、理学療法士などが訪問し、機能回復のためのリハビリ訓練を行います。
  • 介護予防居宅療養管理指導:医師、歯科医師、薬剤師などが自宅を訪問し、療養上の管理・指導を行います。

このように要支援2の方が利用できる訪問型サービスとして、多岐にわたる支援が提供されています。これらにより、利用者はより安心して自宅での生活を続けることができるでしょう。

地域で受けられるサービス

地域で受けられるサービス(地域密着型サービス)とは、住み慣れた地域で自分らしい生活を続けられるように、包括的なケアを提供するサービスのことです。市町村が指定した事業者がこれらのサービスを提供します。

要支援2の方が利用できる地域密着型サービスは次のとおりです。

  • (グループホーム):認知症の利用者を対象とし、専門的なケアを提供します。日常生活の支援や機能訓練を受けられる環境が整っています。
  • 介護予防小規模多機能型居宅介護:通いを中心として、訪問型サービスや短期間の宿泊サービスを組み合わせて提供します。利用者は自宅での生活を維持しながら、必要な支援を受けられます。
  • 介護予防認知症対応型通所介護:デイサービスやグループホームに通って、日常生活の支援を受けます。認知症の進行を予防し、生活の質を維持できます。

地域密着型サービスは、小規模な運営により、スタッフや利用者との交流がしやすく、利用者一人ひとりにきめ細かいケアを提供できるのが特徴です。

関連記事:グループホームとは?入居条件や特徴を簡単に解説

関連記事:小規模多機能型居宅介護でずっと泊まりは可能?30日ルールやメリット・デメリットもわかりやすく解説!

施設へ通うサービス

通所型サービスは、他者との交流、心身機能の維持、家族の介護負担の軽減を目的として提供されています。

通所型サービスの具体的な種類として、以下のものがあります。

  • 介護予防通所介護(デイサービス):利用者がデイサービスセンターなどに日帰りで通い、入浴や食事の提供、機能訓練などを受けます。これにより、利用者は心身の機能を維持しながら、他の利用者との交流も図れます。
  • 介護予防通所リハビリテーション(デイケア):医療機関や介護老人保健施設に通い、機能回復訓練を受けます。主にリハビリテーションを目的としており、利用者の身体機能の回復や維持を支援します。

通所型サービスの費用は市町村によって異なるため、各自治体で詳細を確認することが重要です。

施設で短期宿泊するサービス

短期入所型サービスは、利用者の孤立感を解消し、心身機能の維持や回復を図ることを目的としています。また、家族の介護負担を軽減し、介護者が不在時の安全確保のためにも利用されます。

具体的な短期入所型サービスには以下のものがあります。

  • 介護予防短期入所生活介護(ショートステイ):自宅での介護が一時的に難しい場合に、短期間施設に入所して介護予防のためのケアを受けます。このサービスでは、入浴、排泄、食事などの日常生活の支援や機能訓練が提供されます。
  • 介護予防短期入所療養介護(医療型ショートステイ):自宅での介護が一時的に困難な場合に、介護老人保健施設などに短期間入所し、医療的なケアとリハビリテーションを受けます。看護や機能訓練が中心のサービスです。

なお、どちらのサービスも連続して利用できる日数は最長で30日までです。

施設に入居するサービス

施設に入所して利用できるサービスのポイントは、介護予防を目的として、入居者が食事や入浴などの日常生活の介護や機能訓練を受けられることです。

具体的なサービスとして、介護予防特定施設入居者生活介護があります。このサービスは、以下の施設に入居している方が対象です。

  • 介護付有料老人ホーム
  • 住宅型有料老人ホーム
  • グループホーム
  • サービス付き高齢者向け住宅
  • 軽費老人ホーム(ケアハウス)
  • 養護老人ホーム

具体的な入居条件や費用については、各施設の詳細を確認することをお勧めします。

関連記事:住宅型有料老人ホームとは?サービス内容やほかの施設との違いも解説

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福祉用具のレンタル・購入サービス

生活環境を整えるためのポイントは、利用者が自立した日常生活を送ることを支援することです。これには、福祉用具の貸与や購入、住宅改修が含まれます。

具体的なサービスとして、以下のものがあります。

  • 介護予防福祉用具の貸与費の支給:福祉用具を借りる費用が支給されます。ただし、車椅子、特殊寝台、床ずれ防止用具、認知症老人徘徊感知器、移動用リフトなどは原則として保険給付の対象外です。
  • 介護予防福祉用具の購入費の支給:レンタルできない福祉用具を購入する費用が支給されます。購入は指定事業所で行う必要があります。
  • 介護予防住宅改修費の支給:自宅の手すり設置や段差解消などの住宅改修を行う費用が支給されます。支給額の限度は20万円で、原則として1回限りです。住宅改修を行う前に、市町村への事前申請が必要です。

これらの福祉用具の貸与や購入費用の支給は、年間10万円までとなっています。また、利用限度額を超える費用は自己負担となるため、注意が必要です。

要介護2での施設入居|メリット・デメリット

要介護2での施設入居|メリット・デメリット

要支援2で施設に入居する場合、そのメリットとデメリットを押さえておきましょう。

  • 要支援2で施設へ入居するメリットとデメリット
  • 施設選びのポイント

それぞれ解説します。

要支援2で施設へ入居するメリットとデメリット

要支援2で施設へ入居することは安心と支援の質が向上する一方で、独自の生活スタイルを維持するのが難しくなる場合があります。

施設入居のメリットはいくつかあります。専門的なケアが受けられる点がその一つです。施設には資格を持ったケアスタッフや医療従事者が常駐しており、必要に応じて迅速な対応が可能です。また、食事や生活サポートが提供されるため、日常生活における負担が軽減されます。さらに、他の入居者との交流も促進され、社会的な孤立感も軽減できるでしょう。

一方で、デメリットもあります。まず、施設のルールやスケジュールに合わせる必要があり、自宅のような自由な生活を維持することが難しくなる点です。また、入居費用が高額になる可能性があることもデメリットの一つです。

要支援2で施設へ入居するメリットとデメリットを総合的に考慮して、自分や家族のライフスタイルに最適な選択をすることが大切です。どちらを優先するかによって、最適な選択肢は変わるでしょう。

施設選びのポイント

施設選びのポイントについて、一番重要なのは利用者のニーズに合った施設を選ぶことです。

なぜなら、施設選びが適切でないと、利用者がストレスを抱えてしまったり、必要なケアが十分に受けられなかったりするからです。

例えば、認知症のケアが必要な場合、専門的な対応ができる施設を選ぶことが大切です。他にも、設備や医療スタッフの充実度、食事のメニュー、そしてレクリエーションの内容などもチェックポイントとなります。さらに、施設の場所が自宅から通いやすいかどうかも重要です。

必要なケアが提供される施設を選ぶことで、利用者の生活の質が向上し、その安心感も得られます。施設選びの際には、十分な情報収集と施設見学をしましょう。

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要支援2で受けられるサービス【まとめ】

要支援2の認定を受けると、自宅での訪問介護や訪問看護、地域密着型サービス、デイサービスやデイケア、短期入所、施設入居、福祉用具のレンタルや購入など、多様なサービスを利用できます。

これらのサービスは、日常生活の質を向上させるための多様な選択肢を提供し、利用者の自立をサポートします。特に、施設入居により専門的なケアが受けられることは、大きなメリットです。

介護サービスを利用したいと思ったら、まずはお近くの地域包括支援センターに問い合わせましょう。介護保険の申請や、サービスの利用などの相談ができます。管轄の地域包括支援センターがどこか分からない場合は役所に確認をしましょう。

本人や家族の状況に合わせた最適なサービスを選び、より安心で充実した生活を送りましょう。

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この記事の監修者

いいケアネット事務局

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