「住宅型有料老人ホームって何?」「老人ホームって種類が色々あってわかりづらい」とお悩みの方が多いようです。
結論から言うと、住宅型有料老人ホームは自立〜軽度の要介護に対応した施設です。
基本的には食事の用意や掃除といった生活支援を主に提供しますが、外部サービスを組み合わせれば介護が必要なケースにも対応できます。
今回は「住宅型有料老人ホームとは何か?」「サービス内容やほかの施設との違い」について解説していきます。
住宅型有料老人ホームとは何か?
住宅型有料老人ホームとは、老人福祉法第29条第1項で定められている『生活支援を中心に提供する有料老人ホーム』を指します。
生活支援とは主に『安否確認・食事の用意・掃除・見守り』を指し、介護保険適用外になります。
またバリアフリーで高齢者が生活しやすい環境に整備されていることも特徴のひとつです。
(参考:厚生労働省「介護を受けながら暮らす高齢者向け住まいについて」)
基本的には自立度の高い方向け
基本的に住宅型有料老人ホームは、自立〜軽度の要介護度を対象にした施設という位置づけになります。
自立度の高い高齢者を対象にしているため、イベントやレクリエーションに力を入れている施設が多いのも特徴のひとつです。
毎日の楽しみがないと廃用症候群のリスクが高まり、徐々に活気もなくなってしまいます。
いつまでも元気でいてもらうためにも、自立しているうちから小さなことで構いませんので『生きがい』を見つけてもらいましょう。
必要な介護サービスを自由に選べる
住宅型有料老人ホームでは、介護が必要なケースでは外部サービスを別途契約する形になります。
必要なサービスだけを組み合わせることで費用が節約できたり、今まで利用していた介護サービスを継続利用できたりといったメリットがあります。
また介護保険が適用される福祉用具のレンタルもできるので、買い取りの負担が減らせるのもメリットのひとつです。
介護サービスの選び方がわからなくても、ケアマネジャーがサポートしてくれるので安心してください。
施設のバリエーションが豊富
住宅型有料老人ホームは、馴染みやすい一般的な施設からホテルのような高級志向の施設まで、バリエーションが豊富なのも特徴です。
施設独自の特色も様々で、カラオケや囲碁・将棋などの娯楽に力を入れている施設もあります。
本人に何か趣味があるのなら、趣味を楽しめる施設選びも良いでしょう。
また最近では、看護師を配置し医療に特化した住宅型有料老人ホーム(ナーシングホーム)も増えてきています。
医療体制が整っている環境を希望するなら、ナーシングホームへの入居を検討してみましょう。
住宅型有料老人ホームのサービス内容
住宅型有料老人ホームのサービス内容は次の3つです。
- 掃除や洗濯などの家事援助
- 入居者の状態に応じた食事の用意
- 外部と連携した介護・医療
掃除や洗濯などの家事援助
住宅型有料老人ホームでは、主に掃除や洗濯といった生活支援が提供されます。
生活支援には安否の確認や生活相談はもちろん、緊急時の対応も含まれているので、親を一人で生活させるのが不安な家族からしてみれば心強いですね。
いくら自立しているといっても、高齢になってくると健康面で様々なリスクが発生してきます。
同居していなかったり、仕事していたり、家族が24時間様子を見られないことも多いでしょう。
常に誰かに見守られているのは安心感が違います。
入居者の状態に応じた食事の用意
住宅型有料老人ホームでは、1日3食の食事とおやつが提供されるので栄養面でも安心です。
また、入居者の状態に応じた介護食も提供されます。
高齢になると飲み込みが悪くなることがあり、無理をして通常の食事を摂っていると誤嚥性肺炎のリスクも高まります。
本人の健康のためにも、食事は重視しましょう。
外部と連携した介護・医療
住宅型有料老人ホームには看護師を配置する義務がないため、看護師が常駐していない施設もあります。
しかし、看護師が常駐していなくても医療機関と連携している施設が多いので、安心して生活できます。
また必要に応じて訪問介護や訪問看護も利用可能です。
高齢者は体も弱ってきますので、いつでも適切な医療を受けられることは非常に重要です。
住宅型有料老人ホームはほかの施設と何が違う?
老人ホームと名がつく施設は色々あるので、何が違うのかわかりづらいですよね?
ここでは次に挙げる3つの老人ホームとの違いについて解説していきます。
- 介護付き有料老人ホーム
- 特別養護老人ホーム
- サービス付き高齢者向け住宅
介護付き有料老人ホームとの違い
介護付き有料老人ホームは「特定施設入居者生活介護」に指定されており、介護職が常駐している点が住宅型有料老人ホームとの大きな違いです。
掃除や洗濯といった身の回りの世話だけでなく、食事介助・排せつ介助・入浴介助といった介護職による24時間体制の介護も提供されます。
特別養護老人ホームとの違い
特別養護老人ホーム(特養)は原則として要介護3以上が入居対象となっており、常に介護を必要とされる方が入居するための施設で、身体的な介護がメインになります。
また社会福祉法人や自治体などが運営する公的施設という点も大きな違いです。
『終の棲家』とも呼ばれており、終身利用が可能です。
一時的ではない介護が必要なら特養への入居も検討しましょう。
サービス付き高齢者向け住宅との違い
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は住宅型有料老人ホームとよく似た性質をもつ施設ですが、主な違いは契約方法にあります。
サービス付き高齢者向け住宅は賃貸借契約、住宅型有料老人ホームは利用権契約となり、より一般的な住居としてのニュアンスが強くなります。
基本的には完全に自立された高齢者が対象ですが、最近では要介護の高齢者でも入居可能なサ高住も増え、有料老人ホームと大きな違いがなくなってきました。
まとめ
住宅型有料老人ホームとは自立〜軽度の要介護の方を対象に、食事の用意や掃除といった生活支援を提供する施設です。
軽度の要介護で介護を必要とする場合でも、外部サービスを組み合わせて必要な介護を受けられます。
しかし、老人ホームと名のつく施設は色々あるので、どの施設が一番適しているのか一般の人が判断するのはなかなか難しいはずです。
そんなときはケアマネジャーに相談すれば、本人の状態も踏まえた最適な方法を提案してもらえますよ。
施設を探す際には、最適な施設探しのサポートをしてくれる老人ホームの紹介会社を利用してみましょう。
この記事の監修者
いいケアネット事務局
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