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「手すり」が介護保険適用?保険の概要や支給条件について

「高齢の家族のために家に手すりを設けてあげたい」といった希望を抱えている方はいらっしゃいませんか?
転倒リスクを回避したり、普段の生活をスムーズに過ごせるようにするためにも、高齢者のために手すりを設けるケースは多いです。
ここで知っておきたいのが「介護保険」の存在です。一定の条件を満たせば、高齢者のための手すり工事が介護保険でカバーすることができます。
今回は、介護保険の概要や、保険料の支給条件などについてご紹介します。

目次

介護保険の概要

介護保険とは、40歳以上の方が加入できる保険のことで、社会全体で介護サービスを支える仕組みです。
2000年に施行された保険であり、介護保険の運営は徴収した保険料と国や自治体などの公費で負担します。
介護保険は、主に「介護を必要とする高齢者」に向けた保険であり、超高齢社会である日本において重要な保険です。
なお、「介護が必要」と判断されるのは、寝たきりや認知症などの「第1号被保険者」と、廊下が原因の病気を患った場合の「第2号被保険者」の2つです。

介護保険の認定について

介護保険の認定を受けるためには、まず自治体の窓口で相談する必要があります。市町村担当課、もしくは地域包括支援センターに相談してください。
後日、担当者が訪問調査に来て、日常生活などをチェックしていきます。その後、介護認定審査会を経て「要支援」「要介護」が認定となるのです。
なお、要支援1と2については「予防給付」、要介護1~5については、「介護給付」が支給されます。

介護保険で「住宅改修」するには?

介護保険では、住宅改修のためのお金として支援を受けることができます。ただし、住宅改修にかかった費用を全て、介護保険で賄えるわけではありません。
手すりを設けるなど、小規模の住宅改修であれば、改修にかかった費用の8~9割が介護保険でカバーできます。
とはいえ、支給金額には限度があるため注意してください。介護保険として支給される金額は20万円が上限です。つまり、住宅改修が20万円程度であれば自己負担額は2万円です。(介護保険で9割負担してもらえる場合)
万が一、住宅改修に25万円かかってしまったら、上記の2万円に加え超過分の5万円も支払わなければならず、合計して7万円の出費となってしまいます。
なるべく自己負担額を減らしたいと考えているのであれば、介護保険の支給上限額以下の改修を計画しましょう。

介護保険で「手すり」を設置する際の注意点

介護保険で「手すり」を設けるなど、住宅を回収するにあたり、あらかじめ知っておくべき注意点があります。
思わぬトラブルに悩まされないためにも、住宅を回収する前にチェックしておきましょう。

介護保険を利用する前に工事するのはNG

手すりの工事だけであれば、比較的安価であるため介護保険を利用しないまま工事を始めるケースがあります。しかし、後から介護保険を利用しても、すでに改修が済んでしまっていると、支給を受けられないことがほとんどです。
そのため、あらかじめ介護保険を利用することを検討しているのであれば、改修前に申請して支給が確定するのを待たなければなりません。

支給の対象とならない「手すり」もある

介護保険では手すりの設置に対して、一定額の費用を支給していますが、中には支給対象外となる手すり設置もあります。それが「工事を伴わないもの」です。
例えば、トイレの便器周辺に据え置いて使うような手すりは、工事をしないため介護保険で手すり費用を賄うことができません。
あくまでも「改修費用」に介護保険が適用するため注意しましょう。

介護保険以外にも活用できる制度がある場合も

高齢者のための手すりを設置する際には、「介護保険」の活用が一般的です。しかし、必ずしも介護保険を活用しなければならない、ということはありません。
住んでいる家の自治体などによっては、独自に介護関連の給付を行っているところもあります。
例えば、要介護や要支援などの認定を受けている高齢者のために、手すりを設置する場合、介護保険以上の金額を支給してくれたり、対象となる範囲が介護保険より広い等、魅力的な制度は多いです。
介護保険を活用する前に、自治体などの制度や保険内容をチェックしてみるとよいでしょう。

おわりに

今回は、「手すり」における介護保険の適用内容や、支給額などについてご紹介しました。
介護保険といえば、施設に入所する際に活用したり、地域のサービスを受ける際に利用するといったイメージが強いです。
しかし、意外にも住宅改修といった個人的な部分にも介護保険は活用することができます。
あらかじめ知っておかなければ、金銭的に損してしまうこともあるため、今一度介護保険について理解を深めておきたいところです。
現在、手すりの設置を始めとした、高齢者のための住宅改修を検討している方は、本ページの内容を参考にしたうえで計画してみてください。

この記事の監修者

いいケアネット事務局

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