生活保護受給者にとって、介護施設の利用はハードルが高いものです。とくに、費用面への不安が大きい方も多いのではないでしょうか。しかし、国内には生活保護受給者であっても、利用できる老人ホームがあります。
今回は、生活保護受給者でも利用できる介護施設について紹介します。生活保護の扶助制度や利用時の注意点などもまとめているので、老人ホームの利用を検討しつつも、費用に負担を感じている方は参考にしてみてください。
大阪を中心に、多数の高齢者向けの介護施設の情報を掲載する「いいケアネット」では、老人ホームに関する疑問やまつわる情報を「いいケアジャーナル」で随時更新中です。
生活保護受給者は費用を抑えて介護施設に入所できる
生活保護受給者であっても、介護施設の利用は可能です。生活保護の扶助制度や介護保険制度によって費用負担を軽減できるため、経済的な不安を感じることなく、必要な介護サービスを受けられます。
ただし、生活保護受給者が介護施設に入所する場合は、条件に合った施設選びが不可欠です。生活保護を受けながら介護サービスを受ける場合は、各自治体のケースワーカーに相談し、施設選びや入所に必要な手続きをサポートしてもらうことがポイントです。
なお、いいケアネットでは、老人ホーム探しのための入居無料相談を受け付けています。施設入所についてお悩みの方は、ぜひ気軽にご相談ください。
老人ホームの費用が払えない場合の対処法について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:老人ホームの費用が払えない!原因から対処法まで解説
生活保護受給者が入所できる主な介護施設
生活保護受給者が入居できる主な介護施設は、以下の通りです。
- 特別養護老人ホーム(特養)
- 住宅型有料老人ホーム
- グループホーム
- サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
以下で、各施設の特徴と費用について解説するので、ぜひ参考にしてください。
国民年金で入れる老人ホームについては、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:国民年金で入れる老人ホームの種類や費用の自己負担を減らす方法を解説
特別養護老人ホーム(特養)
生活保護受給者でも利用できる老人ホームとして、特別養護老人ホーム(特養)があげられます。特別養護老人ホームは、介護保険が適用される施設の一つで、ほかの形態の老人ホームと比べて費用負担が少なく済むことが特徴です。
特別養護老人ホーム | 入居一時金 | 0円 |
月額費用 | 5〜15万円 |
また、特別養護老人ホームは、一度入所すると終身まで利用できます。そのため、長期入所を前提として選択しやすい介護施設です。特別養護老人ホームは地方自治体や社会福祉法人を運営母体とするため、民間が運営する老人ホームと比べて、倒産リスクが低く、安心して利用しやすいメリットがあります。
住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームは、生活保護受給者でも利用可能な施設の一つで、利用者のニーズに応じて幅広いサービスを提供しています。
住宅型有料老人ホームは、利用者の自立を重視している施設から、要介護者を受け入れている施設まで、選択肢はさまざまです。特別養護老人ホームと比べて費用は高めですが、生活保護受給者も入所できる場合があります。
住宅型有料老人ホーム | 入居一時金 | 0〜数千万円 |
月額費用 | 20〜40万円 |
レクリエーション活動や趣味の時間など、利用者同士の交流が多いことが特徴です。
特別養護老人ホームと有料老人ホームの違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:特別養護老人ホーム(特養)と有料老人ホームの違いとは?特徴を比較
グループホーム
グループホームも、生活保護を受給しながら入所できる施設です。
グループホームは認知症の方が共同生活を送るための施設で、認知症ケアを中心とした支援をおこなっています。生活保護受給者でもグループホームの利用は可能ですが、施設が所在する市区町村に住民票があることが入所の条件です。
グループホーム | 入居一時金 | 0〜100万円 |
月額費用 | 10〜25万円 |
生活保護受給者が入所できるのは、都道府県から認定を受けた施設に限られます。そのため、施設選びの際は、自治体によるサポートを受けるようにしてください。
グループホームと老人ホームの違いについては、以下の記事で詳しく解説します。
関連記事:グループホームとは?入居条件や老人ホームとの違いを簡単に解説
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)も、生活保護受給者が利用できる施設です。
サービス付き高齢者向け住宅は、基本的に自立した高齢者向けの施設ですが、必要に応じて介護サービスを受けられます。生活における自由度が高く、比較的費用をかけずに入所できる特徴があります。
サービス付き高齢者向け住宅 | 初期費用 | 0〜25万円 |
月額費用 | 10〜20万円 |
ただし、施設によって入所できる生活保護受給者数が限られている場合があるため、事前に問い合わせしてください。
生活保護の扶助制度で施設入所の費用負担を軽減できる
生活保護受給者が介護施設に入所する際は、扶助制度の活用によって、費用負担を軽減できます。ここでは、費用負担の軽減につながる生活保護の扶助制度について解説します。
国民年金で入れる介護施設を検討したい方は、以下の記事もチェックしてみてください。
関連記事:国民年金で入れる老人ホームの種類や費用の自己負担を減らす方法を解説
住宅扶助
住宅扶助とは、生活保護受給者が住居を確保するために支給されるもので、家賃や地代、補修費などに充てられます。住宅扶助は地域や世帯人数などによって上限が定められており、単身者の場合は月額5万円程度です。
介護施設の家賃や月額費用が、住宅扶助で定められた上限に収まる場合は、自己負担なく施設の利用が可能です。なお、上限を超えている費用は、自己負担となります。
生活扶助
生活扶助は、日常生活に必要な費用を補填するために給付されます。住宅扶助と同様に、地域や世帯人数などによって支給額が定められており、食費や衣類の購入費、光熱費など、生活にかかる費用負担の軽減が可能です。
介護施設に入所する場合でも、生活にかかる食費や光熱費などを生活扶助でまかなえます。
介護扶助
介護扶助は、指定介護機関からサービスの提供を受けることで、介護にかかる費用負担を軽減するための扶助です。介護扶助で利用できるのは、原則として介護保険制度の対象となるサービスです。
介護施設に入所している場合でも、扶助で定められた上限を超えない限りは、自己負担なく介護サービスを利用できます。
医療扶助
医療扶助は、ケガや病気の治療にかかる費用をカバーするための扶助です。診察料や薬代のほか、メガネやコルセットなどの必要な医療機器の購入費も対象です。
医療扶助は、生活保護受給者が介護施設に入所した場合でも利用できます。この場合、生活保護法の指定を受けた医療機関を受診する必要があります。
生活保護受給者が介護施設へ入所する際の6つの注意点
生活保護受給者でも入所できる介護施設は多くありますが、利用にあたっていくつかの注意が必要です。
以下で、生活保護受給者が介護施設へ入所する際の注意点を解説するので、ぜひ参考にしてください。
1.入所までに時間がかかる場合がある
生活保護受給者が介護施設を利用する際、入所までに時間がかかる場合があります。
とくに、民間の老人ホームに比べて安価な特別養護老人ホームは、利用希望者が非常に多いのが難点です。在宅での介護が難しくなり、すぐにでも入所したいと思っても、なかなか利用先が見つからないといったケースも珍しくありません。
昨今の超高齢社会において、特別養護老人ホームの需要は上昇傾向にあります。地域などによっては、1年以上待たされるケースも珍しくなく、利用開始までに時間がかかります。
特別養護老人ホームに早く入れる方法について知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
関連記事:特養に早く入れる5つの方法とは?実際のデータも交えて徹底解説
2.すべての施設で受け入れてもらえるとは限らない
生活保護受給者は、必ずしもすべての施設で受け入れてもらえるわけではありません。
生活保護受給の有無に関わらず、介護施設の利用には条件があります。たとえば、特別養護老人ホームにおける入所条件は、利用者本人が要介護3以上であることです。この場合、仮に施設に空きがでても、要介護3以上の条件を満たしていなければ施設に入所できません。
生活保護受給者ができるだけ安価で利用できる介護施設を希望するのは当然のことです。しかし、施設の入所条件を満たしていない場合には、民間の老人ホームなどの利用を検討する必要があります。
3.施設によっては医療体制に不安が残る
生活保護受給者の健康状態によっては、医療体制に不安が残る場合があります。たとえば、常に入居者が多い特別養護老人ホームでは、必ずしも期待する医療サービスを受けられるとは限りません。
介護施設の種類によっては、そもそも看護師の配置が義務付けられていない場合もあります。医療体制が整っていない介護施設では、必要に応じて施設担当者が医療機関に連絡し、利用者に医療サービスを提供しているケースがほとんどです。
そのため、施設によっては医療機関への依存度が高い方の利用を断る場合もあります。
4.保証人や身元引受人が必要になる場合がある
生活保護受給者が介護施設を利用する場合、保証人や身元引受人が必要になるケースがほとんどです。保証人や身元引受人は、施設の入所費用の支払い責任を保証するほか、利用者が入院する場合の手続きにおいて必要になります。
保証人がいない場合は、保証会社を利用したり、成年後見人を立てたりする必要があります。施設への入所を検討する際は、事前に保証人や身元引受人の要件を確認しておくと安心です。
5.扶助制度の限度額内で入所できる施設を選ぶ必要がある
生活保護受給者が介護施設に入所する場合は、扶助額の上限を超えない範囲で利用できる施設を選ぶことがポイントです。生活保護の扶助額を超えた分は自己負担でまかなう必要があるため、入所費用が高い場合は、施設の利用そのものが難しくなります。
施設によって、入居費用は異なります。そのため、生活保護受給者が介護施設を利用する際は、事前に入居一時金や月額費用を生活保護の扶助額でカバーできるかどうかの確認が必要です。
なお、いいケアネットでは、老人ホーム探しのための入居無料相談を受け付けています。入所条件を満たす施設を効率よく見つけたい方は、ぜひ気軽にご相談ください。
6.転居する場合は移管手続きが必要になる
居住している地域に生活保護受給者を受け入れられる介護施設がない場合、ほかの地域への転居を検討するケースも珍しくありません。
生活保護受給者が転居する場合は、生活保護の移管手続きが必要になります。移管手続きとは、居住している地域からほかの市区町村に生活保護の菅軸を移すことです。手続きには時間がかかる場合があるため、転居を考えている場合は、早めに自治体に相談するようにしてください。
生活保護の扶助制度を使って施設入所にかかる所費用負担を減らそう【まとめ】
高齢の生活保護受給者にとって、介護施設の入所にかかる費用は不安要素の一つです。
生活保護受給者でも、生活保護の扶助制度を利用すれば、特別養護老人ホームをはじめとする介護施設への入所が可能です。
しかし、施設によっては入所までに時間がかかったり、入所条件が定められている点に注意してください。
生活保護を受けながら介護施設に入所する場合は、自治体に相談しながら必要な手続きを進めるようにしましょう。
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この記事の監修者
いいケアネット事務局
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