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老人ホームの利用で適用される控除「介護保険施設の医療費控除)について

高齢者の家族がいる方にとって、一番の問題となるのが「お金」ではないでしょうか。
介護施設の利用費用や医療費用など、大きな出費を伴うことが多く、やりくりに苦労している方が少なくありません。
そんな方にぜひ知っておいてほしいのが「介護保険施設の医療費控除」の存在です。
一定の条件は設けられているものの、控除を受けることができますので、支払ったお金の意一部が戻ってきます。
本ページでは、介護保険施設の医療費控除について詳しく触れていきます。

目次

老人ホーム利用者が知るべき「介護保険施設の医療費控除」とは

介護保険施設の医療費控除とは、介護保険施設の利用者が受けられる医療費控除のことです。
特別養老老人ホームや介護療養型医療施設など、介護保険施設を利用している場合、月額の利用料金を医療費として計上することができます。そのうえ、控除は最大で月額料金の全額が対象となりますので、まさに家計が助かる制度といえるでしょう。
ただし、有料老人ホームの月額料金に関しては、介護保険施設の医療費控除の対象外となりますので注意してください。

医療費控除のシステムについて

ここからは、介護保険施設の医療費控除の詳しいシステムについてご紹介します。対象費目や、還付の受け取り方法などをチェックしておきましょう。

医療費控除の対象となる割合

医療費控除の対象となる割合は、利用する施設によって異なります。まずは、以下をご確認ください。

・指定介護老人福祉施設  施設サービス費用として支払った額の2分の1
・介護老人保健施設  施設サービス費用としてとして支払った額(全額)
・介護医療院      施設サービス費用として支払った額(全額)
・指定介護療養型医療施設 施設サービスとして支払った額(全額)

指定介護老人福祉施設は、支払ったサービス料金のうち半分が控除の対象となり、それ以外は全額が控除対象です。

高額介護サービスは払い戻しから差し引いた分が対象

高額介護サービスを利用した場合、払い戻しを受けた分を差し引いた金額が控除の対象となります。
そのため、高額介護サービスを利用したからといって、控除対象外となるとは限りません。差額を算出したうえで控除の対象となるかを見極めてください。
ちなみに、特別養護老人ホームや指定地域密着型介護老人福祉施設などについては、支給分の50%を差し引いて計算します。

還付の受け取り方

医療費控除における税金の還付を受け取るには、確定申告が必要です。
確定申告とは、毎年年度末に行う収支関連の申告のこと。医療費控除の還付を受け取るためには、支払った額を証明する明細などの提出が必要なのです。
そのため、医療費などで支払ったお金が分かるよう、日ごろから領収書などを保管しておく必要があります。また、領収書に関しては、5年間保管しておく義務がありますので、処分したり紛失したりしないよう気をつけましょう。

医療費控除を受けるうえでの注意点

医療費控除を受けるにあたり、いくつか注意点があります。
スムーズに控除を受けられるよう、以下を参考にしてみてください。

日常生活費などは対象外

介護保険施設の医療費控除を受ける場合、月額料金などの利用料金が対象となりますが、一方で「日常生活費用」は対象となりません。
日常生活において必要な雑貨類などは、医療費控除の対象外ですので注意してください。また、日常生活費用のほか「美容代」「理容代」など、介護以外のサービス費用も対象外となります。

有料老人ホームは訪問診療やおむつ代などが計上可能

有料老人ホームの月額料金は、医療費控除の対象外ですが、何も控除を受けられないというわけではありません。医療機関の証明書があれば、日々使用するおむつの費用や、診療にかかった費用など医療費控除の対象です。
おむつに関しては、医療機関で「使用が必要」といった証明書を作成してもらう必要がありますので、忘れずに受け取るようにしましょう。

控除の条件は所得で変動する

介護保険施設では控除を受けられますが、実際の条件は所得で変動するのが現状です。
そのうえ、扶養家族の有無や人数、要介護認定の有無などによっても控除の条件は異なります。そのため、介護保険施設を利用しているからといって、必ずしも医療費控除を受けられるとは限りません。
ちなみに、自治体が独自に医療費控除関連の助成を行っているケースもあります。住んでいる場所によっても、利用できる控除・助成には違いがありますので、自治体のホームページや資料などを確認しておきましょう。

おわりに

高齢者の家族がいる方にとって、お金の問題は尽きません。高額な出費が重なると、家計を圧迫してしまいますので、不安を感じることでしょう。
しかし、状況によっては医療費控除を受けることが可能。家計の負担を軽減できるため、積極的に活用することをおすすめします。
一定の条件がありますので、それぞれを細かく確認したうえで、確定申告の準備を進めてください。

この記事の監修者

いいケアネット事務局

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