A様は86歳男性、10年ほど前に奥様を病気で亡くされ、現在は独居、つい先日まで大阪の商店街で焼き魚店を運営されておられました。
子供は長男様、長女様のお二人でお父様と同じ地域に住んでおられますが、お会いになるのは3カ月に1回程度のようでした。
そんなある日、長女様へ焼き魚店のお客様より電話があり、最近A様がお釣りを間違えられることが多いとのご連絡でした。
心配になった長女様はすぐにA様に会いに行かれ、お話されましたところ、確かに簡単な計算を間違えたり、家の中に居るはずのない子供や猫がいると言ったり、そういった幻覚も見えるようになり、今までにはなかったような言動、行動が出るようになっていたのです。
早速、精神科のある病院に連れて行き、受診されましたところ、医師からは意識障害の疑いがあると言われ、すぐに検査入院となりました。色々な検査で調べた結果、レビー小体型認知症との診断でした。
診断後すぐに入院されましたが、入院中も帰宅願望が強く、息子を探さないといけない、飛行機に乗らないといけないなど、妄想による言動を看護師に訴えられ、何度も病床を出ようとされ、徘徊行動も頻繁にある状態でした。
しばらく入院され投薬による治療を続けた結果、積極的な幻覚妄想の訴えもなく平穏な療養状態までに回復されたので、ご家族様もようやく老人ホームへのご入居を考えることが出来るようになりました。そして私共に老人ホーム探しのご依頼をいただいたのです。
早速、A様の今の状態(幻覚妄想、徘徊の可能性あり)でも受け入れ可能なうえ、ご家族様のご要望される条件(月額費用、場所)に合う老人ホームを3施設ほど提案させていただき、見学の運びとなりました。
見学されたその日のうちにご家族全員満場一致で一番気に入られた施設があったとお返事をいただきました。A様の老人ホーム入居手続きをすすめるべく、施設長とケアマネジャーに入院中の病院への本人面談に行っていただくよう依頼をし、了承を得ました。
ところが2~3日後、病院への本人面談前に、その老人ホームの施設長より連絡があり、その内容は現状の体制では受け入れられないというお断りの連絡でした。
施設長によく話を聞いてみると、直近でヘルパーの方(訪問介護員)が2名退職したので、現状体制では徘徊の可能性が高い方の見守りが困難との理由でした。世間でも言われていますが、最近のヘルパー人員不足事情により、すぐに次の方を採用するのも難しい状況とのことでした。
その話を聞かれ、A様のご家族様はとても残念がられがっかりされてしまいましたが、再度私共はA様とご家族様のご希望条件を満たす老人ホームを素早く選定、提案させていただき、見学同行させていただき、納得のいく老人ホームへのご入居が新たに決まったのでした。
私共は、このように老人ホーム探しの途中で問題が発生したとしても、ご入居様とそのご家族が納得される老人ホームが見つかるまで、最後まで責任を持ってご案内させていただくことが出来るのです!
この記事の監修者
いいケアネット事務局
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