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認知症でも入居可能な施設はある?【PART2】~ひどくても入れるのか~

「親の認知症がひどいけれど、それでも入れる施設はあるのか」と不安に感じている方もいるでしょう。

結論、認知症がひどくても入れる施設はあります。

今回は認知症の方におすすめしたい施設を紹介しつつ、施設選びのポイントや入所の手順などを網羅的に解説しています。

「どんな施設が受け入れているのか」気になる方はぜひ参考にしてください。

大阪を中心に、多数の高齢者向けの介護施設の情報を掲載する「いいケアネット」では、老人ホームに関する疑問やまつわる情報を「いいケアジャーナル」で随時更新中です。

認知症がひどくても入れる施設は結論ある!

認知症 施設

認知症の進行がひどくても入れる施設はあります。

認知症がひどくても入れる施設は、専門的なケアを提供するための体制や環境が整っており、入居者と家族のニーズに対応しています。

たとえば、個々の症状や状態に応じたケアプランを作成し、日常生活をサポートしてもらえるのが特徴です。

認知症の症状がひどくても、専門スタッフが24時間体制で見守り、必要に応じたサポートを提供します。

また、施設の中には認知症の進行に応じた行動の変化に対して、柔軟に対応できるようなプログラムを用意している施設もあります。

さらに、入居者の生活の質を向上させるためのリハビリテーションやレクリエーション活動も積極的に行われているのが特徴です。

認知症でも入れる施設一覧

認知症 施設

認知症がひどくても入れる施設には以下の通りです。

施設名 対象者 スタッフ 主な福祉サービス
グループホーム(認知症対応型生活介護) ・認知症の診断を受けた方

・集団生活に問題ない方

専門知識を持ったスタッフが24時間常駐 ・生活援助

・身体介助

・機能訓練

・認知症ケア

特別養護老人ホーム ・65歳以上

・要介護3以上

24時間常駐 ・生活援助

・身体介護

有料老人ホーム ・65歳以上

・要介護認定を受けた方

24時間常駐(施設によっては医療従事者も常駐) ・生活援助

・身体介助

・機能訓練

サービス付き高齢者向け住宅 ・原則、自立可能な高齢者 日中のみ常駐 ・安否確認

・生活相談

順番に施設ごとの特徴を解説していきます。

この記事は「コンテンツポリシー」に沿って執筆しています。
目次

グループホーム(認知症対応型生活介護)

グループホームは、認知症高齢者を対象とした小規模の介護施設です。
1ユニット最大9人の小さなグループに分かれ、家事を含めた作業を分担しながら共同生活をおこないます。

グループホームでは、家庭に近いアットホームな雰囲気を重視し、入居者同士やスタッフとのコミュニケーションを大切にしています。

また、グループホームは地域密着型サービスとして運営されているため、地域住民との交流や地域行事への参加も可能です。

社会とのつながりを保ち続けられるため、孤独を感じずに済みます。
ただしグループホームは看護師の配置が義務付けられていないため、医療行為が必要になった場合は、退去せざるを得ない場合もあります。
またグループホームは「認知症入居可能」という表示があっても、その症状により入居できるかどうかは個別に判断されますので、事前の確認が必要です。

特別養護老人ホーム

特別養護老人ホームは、要介護状態にある高齢者のための施設です。
入居対象者は原則要介護度3以上となっていますが、特例として認知症の方は要介護度2以下でも要件を満たせば入居が認められる場合もあります。
もしも身体介護が必要になっても対応が出来、医師や看護師も配置されているため、ある程度の医療的ケアも可能です。

認知症の方は大きな集団での生活が苦手な傾向にあります。

苦手意識がある方は、多人数を前提とした「従来型」ではなく、少人数でのケアを基本とした「ユニット型」の特別養護老人ホームが向いています。

また、比較的安価で入居できるだけでなく、看取りも可能なため、終身にわたった入居も可能です。

ただし入居を希望する待機者が多く、入居が決まるまで時間がかかる点はデメリットです。

認知症の症状がひどくなくても、早めに相談しておくのをおすすめします。

有料老人ホーム

有料老人ホームは介護付き、住宅型、健康型の3つのタイプがあり、認知症の方におすすめなのが「介護付き」になります。
介護付き有料老人ホームは、介護職の他に看護師やリハビリ職などの医療職が配置されており、24時間スタッフが常駐しているので、認知症の方にとっても心強い環境と言えます。

言い換えれば特別養護老人ホームにはない、医療従事者の常駐が介護付き有料老人ホームの特徴です。

病気を治療する医療機関とは異なりますが、定期診療や健康診断など健康管理や緊急対応のために協力医療機関と提携を提携しています。
施設によってはクリニックを併設しているものもあり、より手厚い医療を可能にしている施設もあります。

急な体調不良にも柔軟に対応してもらえるのが特徴です。

サービス付き高齢者向け住宅

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、主に民間企業が運営するバリアフリー対応の賃貸住宅です。
日中は生活相談員が常駐し、安否確認をしてくれるので、認知症の方でも入居可能です。

比較的介護度の低い方、自立している状態の方が自宅で過ごすのが困難になってきた場合、選択肢としてあげられます。

各部屋に台所、トイレ、浴室が付いている建物もあり、自由度の高い暮らしができます。
介護が必要となった場合は、外部の介護サービスと個別に契約をしなければいけません。

最近は看取りや重度要介護高齢者も対応するサービス付き高齢者向け住宅も見られるため、各施設の特徴や違いを確認しておくと良いでしょう。

いいケアネットでは、老人ホーム探しのための入居無料相談を受け付けています。

「施設ごとの特徴だけでなく費用も聞いておきたい」という人も含め、気兼ねなくご相談ください。

認知症でも入れる施設選びにおけるチェックポイント

認知症 施設

ここまで認知症がひどくても入れる施設を紹介しましたが、なかには「結局どの施設が良いか決められない」方もいるでしょう。

施設選びで悩まれた場合、以下のポイントから決めていきましょう。

  • 安否確認や設備などのサービス内容
  • 24時間見守り体制の有無
  • 入居者に対するスタッフの人数

スムーズに施設を決められるよう、ぜひ参考にしてください。

安否確認や設備などのサービス内容

認知症の症状がひどくても入れる施設を選ぶ際、施設ごとに異なるサービス内容に注目しましょう。

チェックしておきたいポイントと内容は以下の通りです。

確認項目 内容
安否確認 定期的な巡回やモニタリングシステムの有無、夜間の見守り体制
施設設備 共用スペースの広さ、認知症対応のレイアウト、個室/相部屋、医療サポート、リハビリ、食事提供・栄養管理
ケアプログラム 認知症ケア専門プログラムの有無と内容、頻度
周辺環境 自然環境と静けさ、都市部の利便性と外部医療機関の利用しやすさ

上記のポイントや予算などを総合的に判断し、本人・家族ともに安心できる施設を選んでいきましょう。

24時間見守り体制の有無

認知症の方は、昼夜問わず徘徊してしまう可能性があるため、24時間見守り体制が整っている施設がおすすめです。

静かになる夜、急激に孤独を感じてしまい、心理的なストレスがかかってしまうケースもあります。

そこで24時間見守り体制の整っている施設であれば、緊急時に医療機関への連携もスムーズです。

介護付き有料老人ホームは、医療従事者も24時間常駐しているため、より安心できるでしょう。

施設見学や問い合わせの際は、具体的な体制やスタッフの配置状況を確認し、どのような緊急対応が可能かを理解するのが大切です。

さらに、見守り体制がどのように運用されているか、スタッフのトレーニングや経験についても聞いておきましょう。

施設側が提供するパンフレットや公式サイトの情報だけでなく、実際のスタッフとの対話を通じて、施設のリアルな状況を確認するのがおすすめです。

入居者に対するスタッフの人数

認知症の方でも入れる施設を選ぶ上で重要なポイントには、入居者に対するスタッフの人数も重要です。

実は介護施設では「入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する」と、厚生労働省の「人員配置基準」で定められています。

とくに症状の進行やその人の性格などによって異なる認知症において、入居者一人ひとりのニーズに添えるかが重要です。

つまり、人員配置基準よりも多いスタッフを配置している場合、入居者1人に対する手厚いサポートが期待できます。

スタッフの経験や資格、施設ごとの研究体制などにも注目しておきましょう。

参考:厚生労働省「人員配置基準等」

施設に入所するまでの手順

認知症 施設 入所

施設への入所をスムーズに進めるためには、計画的な手順を踏むのが重要です。

施設を探し、入所するまでの手順は大まかに以下の通りです。

  1. 入所を希望する施設の情報収集と見学を行う
  2. 施設の入所条件や費用を確認し、家族やケアマネージャーと相談する
  3. 施設に入所の申し込みを行う
  4. 面接や健康診断が行われ、最終判断がなされる
  5. 入所決定後、契約手続きを行う
  6. 入所日に向けて必要な物品の準備や生活環境の整備を行う
  7. 入所後の生活リズムやルールに慣れる

上記の手順を踏むと、入所がよりスムーズに進みます。

認知症のひどくてお困りの場合は専門家へ相談を【まとめ】

認知症 施設

今回は認知症でも入居可能な施設の種類や特徴をまとめました。
施設によっては認知症の方を受け入れていない可能性もあるため、あらかじめ施設へ問い合わせる必要があります。

入居後の生活をイメージできるよう、実際の施設に足を運んで情報収集からはじめましょう。

このシリーズの続きでは、施設選びのポイントをより詳しく解説しているので、ぜひチェックしてください。

▼このシリーズの他の記事を読む
認知症でも入居可能な施設はある?【PART1】~施設選びを始めるタイミングは?~
認知症でも入居可能な施設はある?【PART3】~施設さがし、どうすれば?~

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認知症がひどくても入れる施設をお探しの方からのよくある質問

ここからは認知症がひどくても入れる施設選びをされている方がよく抱える質問を紹介します。

  • 認知症がひどくて施設を追い出されることはあるの?
  • 施設に入れるお金がない場合どうしたら良いの?

順番に回答しながら解説していきます。

認知症がひどくて施設を追い出されることはあるの?

認知症が直接的な原因になり、施設を追い出されることはありません。

しかし、施設ごとに用意されている「入居契約書」や「重要事項説明書」に反した行動をとってしまうと、追い出されるケースもあります。

たとえば認知症の症状によって、以下のような行動が見られた場合、追い出される可能性を高めてしまいます。

  • 暴言や暴力行為
  • 要介護度の改善や悪化
  • 自傷行為の頻発など

認知症がひどくなって起こしてしまった行動以外にも、利用料の未払いや施設の経営破綻などもあるため、注意しておきましょう。

心配な方は、施設見学の段階で案内してくれたスタッフに「どんな状況になったら追い出されるのか」事前に聞いておくのもおすすめです。

関連記事:認知症グループホームから追い出される理由とは|確認事項・やるべき事項まとめ

施設に入れるお金がない場合どうしたら良いの?

施設に入れる費用を確保するのが難しい場合、入所を諦める必要はありません。

費用面で困っているなら、以下を検討してみてください。

支援策 内容
介護保険制度の補助金や減免措置 自治体によって提供。低所得世帯の入居費用を補助する。役所の福祉課で確認可能。
生活保護制度 生活保護の受給資格がある場合、施設入居費用を支援する。福祉事務所での相談が必要。
社会福祉協議会の貸付制度 低所得の高齢者向けに無利子または低利子の貸付制度を提供する。資金不足を補う。
民間保険会社の介護保険商品 保険商品の見直しと、必要に応じた活用を検討する。
地域包括支援センターやケアマネージャーの相談 最適な支援策を提案する。施設選びや入居手続きのサポートも受けられる。
家族や親族の支援 家族で協力して費用を負担し、経済的負担を軽減する。

この記事の監修者

いいケアネット事務局

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