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特定疾病の読み方は?疾病一覧や診断された後の流れも紹介

「特定疾病の読み方は?」「どのような病気が特定疾病に該当するの?」

上記のように、特定疾病の読み方や該当する病気について気になっている方もいるでしょう。

本記事では、特定疾病の読み方や16種類の病気を詳しく解説します。特定疾病と診断された後の介護保険サービスを受けるための流れも紹介しているので、特定疾病について気になっている方はぜひ最後までご覧ください。

特定疾病とは?読み方も紹介

特定疾病 読み方

特定疾病とは、公的・民間保険で特殊な扱いを受ける病気を指します。主に加齢により要介護状態になる病気が該当しており、すべて厚生労働省により定義されています。

まずは、特定疾病の読み方や概要を詳しく見ていきましょう。

なお、大阪を中心に、多数の高齢者向けの介護施設の情報を掲載する「いいケアネット」では、老人ホームに関する疑問やそれにまつわる情報を「いいケアジャーナル」で随時更新中です。

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目次

特定疾病の読み方と概要

特定疾病の読み方は「とくていしっぺい」です。厚生労働省では、以下の条件に当てはまる病気を特定疾病と定義付けています。

  • 心身の病的加齢現象との医学的関係があると考えられる疾病
  • 加齢に伴って生ずる心身の変化に起因し要介護状態の原因である心身の障害を生じさせると認められる疾病

引用元:厚生労働省「特定疾病の選定基準の考え方」

特定疾病に分類されている病気は16種類あります。なかでも、日本人の死因でも上位を占めるがんや心疾患、脳血管疾患などが代表的です。

特定疾病と医療保険・介護保険の関係

特定疾病で介護保険を利用できるのは、原則要介護・要支援認定を受けた65歳以上の「第1号被保険者」のみです。介護保険制度における被保険者として、40〜64歳までは「第2号被保険者」に該当しますが、介護が必要になった状態でも、介護保険は利用できません。

ただし、第2号被保険者の方が、特定疾病によって寝たきり状態になった場合は、介護保険を利用できます。

また、特定疾病に該当しなくても「厚生労働大臣の定める疾病等」に罹患している方は、医療保険を通じて訪問看護サービスを受けられます。自己負担額3割で週4日以上のケアを受けられるうえ、複数の訪問看護ステーションに依頼も可能です。

16種類の特定疾病

特定疾病 読み方

特定疾病は、16種類あります。代表的な病気は、がん(末期がん)や関節リウマチ、パーキンソン病などがあげられます。

ここでは、16種類の特定疾病と病気の内容や診断基準を紹介します。

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がん(末期)

がんの中でも特定疾病と認められるのは「医師が進行性かつ治癒が困難であると判断した末期がん」です。治癒が困難の基準は、余命5カ月程度の状態を指します。たとえ抗がん剤治療が行われていても、症状の緩和が目的であれば治癒困難と判断されるのが特徴です。

関連記事:末期がんの在宅医療と在宅介護について

関節リウマチ

関節リウマチとは、免疫の異常により関節に炎症が起こり、主に手足の関節が腫れたり痛んだりする病気です。進行すると骨や軟骨が壊れて関節が動かせなくなり、日常生活が大きく制限されえううえ、ハイやめなど全身に炎症が広がるケースもあります。

リウマチの自覚症状としては、体がだるい、熱っぽい、食欲が無いなどの症状が続いたり、朝方に関節の周囲がこわばりったりなどが代表的です。
その後小さな関節が腫れ、やがて手首・肘・肩・足首・膝・股関節など全身の関節に拡がっていきます。

関節リウマチの原因は不明ですが遺伝的要因、喫煙、歯周病など環境要因の関与が指摘されています。関節リウマチが特定疾病に該当するかは、臨床検査や自他覚症状など総合的な結果をもとに判断されます。

筋萎縮性側索硬化症ALSについて

筋委縮性側索硬化症(ALS)とは、手足・喉・舌の筋肉・呼吸に必要な筋肉がだんだん痩せて力が無くなっていく病気です。筋肉そのものの病気ではなく、筋肉を動かし、かつ運動をつかさどる神経(運動ニューロン0だけが障害を受けます。

その結果、脳から「体を動かせ」と指令が伝わらなくなることにより力が弱まり筋肉も痩せていき、うまく言葉を発せられなくなる、食べ物が飲み込みづらくなるといった症状が現れます。進行すると呼吸筋が弱まり呼吸困難になり、人工呼吸で生命を維持するのが特徴です。

一方で視力、聴力、内臓機能、体の感覚などは保たれ、末期になるまで眼球運動障害、感覚障害、膀胱や直腸の障害等が認められないケースもあります。

縦靭帯骨化症(こうじゅうじんたいこっかしょう)

後縦靭帯骨化症とは、背骨の中を縦に走っている後縦靭帯と呼ばれる靭帯が骨になる(骨化する)病気です。背骨の動きが悪くなるため、足が思う様に動かない、体が硬いと感じる、背中に痛みを感じるなどの症状が現れます。

また骨化すると、脳から繋がる中枢神経である脊髄の通り道である脊柱管が狭くなります。その結果、脊髄や神経根などの神経が圧迫され、手足の痺れや運動麻痺、感覚障害などが出現し、進行すると立ち上がることや歩くことが困難になるといった症状が現れるのが後縦靭帯骨化症の特徴です。

骨折を伴う骨粗鬆症

骨粗鬆症とは骨の量(骨量)が減少し骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。骨粗鬆症になっても痛みなどの自覚症状はありませんが、転ぶ等のちょっとしたはずみで骨折しやすくなります。

骨折を生じやすい部位は、手首の骨(橈骨遠位端骨折)、背骨(脊椎の圧迫骨折)、太ももの付け根の骨(大腿骨頚部骨折)などです。進行して骨折すると腰や背中の骨の変形や身長が縮む等の症状も見られるようになります。
加齢等による骨量の減少、運動栄養不足等が主な原因とされています。閉経後のホルモンバランスの変化も影響しているでしょう。

特定疾病と認められるのは骨折を伴う骨粗鬆症です。低骨量とみなされる骨密度、事故等の大きな力が加わった骨折、骨粗鬆症以外で骨がもろくなる疾患等の場合は該当しません。

初老期における認知症

初老期における認知症も、特定疾病に該当します。一般的に65歳未満で発症する若年性認知症を指し、アルツハイマー型認知症・血管性認知症・レビー小体型認知症など、さまざまな種類の認知症が含まれます。ただし、頭部外傷等の外傷性疾患や、アルコール中毒性疾患などは該当しません。

代表的な症状は、記憶障害や判断力の低下、見当識障害など日常生活に支障をきたす多様な症状が現れるのが特徴です。

パーキンソン病

パーキンソン病は、脳の特定の部分で神経伝達物質であるドーパミンが不足し、発症する進行性の神経変性疾患です。主な症状としては、手足の震えや体のこわばり、動作が遅くなるなどが挙げられます。運動症状に加え、睡眠障害やうつ病、認知機能の低下などの非運動症状も現れることがあります。

特定疾病の診断には、病気の進行度合いや日常動作が上手くいかないなどの条件を満たさなくてはなりません。

関連記事:高齢者に多い病気ランキング5選!病気になりやすい理由も解説

脊髄小脳変性症

脊髄小脳変性症(せきずいしょうのうへんせいしょう)は、小脳や脊髄の神経細胞が徐々に破壊されていく進行性の神経難病です。主に運動機能に障害が現れ、歩行失調や運動失調、構音障害などが代表的な症状です。

発症すると病状は少しずつ進行し、身体活動の自由が制限されるため、日常生活における介助が必要となる場面が増えていきます。特定疾病の診断は、専門医が総合的に行います。

脊柱管狭窄症

脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)は、背骨の中を通る神経の通り道である脊柱管が、加齢による骨や靱帯の変形などによって狭くなり、神経が圧迫されることで起こる病気です。

腰やお尻から足にかけての痛みやしびれで、とくに長い時間立っていたり歩いたりすると症状が悪化し、少し休むと楽になる「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」が特徴的です。重症化すると排泄機能に影響が出たり、歩行が困難になったりします。

脊柱管狭窄症の判断には、頚椎・胸椎・腰椎のいずれかが狭小化し、狭窄との因果関係が認められる必要があります。

早老症

早老症(そうろうしょう)は、実年齢よりも早く老化現象が進む、稀な遺伝性疾患の病気です。代表的なものにウェルナー症候群やプロジェリア症候群、コケイン症候群などがあります。20代と若い年齢から老化がはじまり、白髪や骨粗しょう症、白内障などの症状が現れるのが特徴です。

基本的には遺伝子性疾患とされていますが、発症メカニズムは発明されていません。早老症の症候群に該当したうえ、症状や所見が認められると、特定疾病と診断されます。

多系統萎縮症

多系統萎縮症(たけいとういしゅくしょう)は、脳の複数の神経系が徐々に変性・萎縮していく進行性の神経難病です。パーキンソン病に似た、体のこわばりや動きの遅さなどに加え、ふらつきやろれつが回らない症状があらわれます。多系統萎縮症の症状は、主に以下の3つに分類されます。

  • オリーブ橋小脳萎縮症
  • 線条体黒質変性症
  • シャイ・ドレーガー症候群

多系統萎縮症の症状や検査結果に基づき、特定疾病と判断されます。

糖尿病性神経障害・糖尿病性腎症・糖尿病性網膜症

糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症、及び糖尿病性網膜症は、糖尿病の三大合併症として知られており、特定疾病に該当します。主な症状は、以下の通りです。

症状
糖尿病性神経障害 感覚神経・運動神経・手足のしびれ・立ちくらみなど
糖尿病性腎症 腎臓の機能低下・進行するとむくみや嘔吐、筋肉のこわばりが生じる
糖尿病性網膜症 網膜の血管の損傷による眼底出血・進行すると飛蚊症や視野の欠損が生じる

上記の各疾病のいずれかに該当すると、特定疾病と判断されます。

脳血管疾患

脳血管疾患は、脳の血管に異常が生じる病気の総称で、特定疾病の代表的な疾患です。具体的には、以下のような疾患があげられます。

  • 脳梗塞
  • 脳出血
  • くも膜下出血

脳血管疾患は、発症すると麻痺や言語障害、嚥下障害など、さまざまな後遺症を残す傾向にあり、日常生活に大きな影響を与えます。リハビリテーションで機能回復を目指しますが、重度の後遺症が出ると、長期的な介護が必要となるため、介護保険の対象となります。

なお、外傷による脳血管疾患は特定疾病には該当しません。

関連記事:脳梗塞で要介護認定された場合に必要な申請は?利用可能なサービスも紹介

閉塞性動脈硬化症

閉塞性動脈硬化症は、動脈硬化によって血管が狭くなったり詰まったりする影響で血流が悪くなる病気です。主な症状は、足の冷えや痛み、しびれなどがあげられ、進行すると、安静時にも痛みが生じたり、足に潰瘍ができたりします。最悪の場合は壊死して切断が必要になるケースもあります。

特定疾病と診断されるには、代表的な痛みや壊死などの症状に加え、画像検索で血管を確認するなどして判断します。

慢性閉塞性肺疾患

慢性閉塞性肺疾患は、肺の動きが低下する病気の総称です。主に以下のような病気があげられます。

  • 慢性気管支炎
  • 肺気腫
  • 気管支喘息
  • びまん性汎細気管支炎

COPDとも呼ばれており、主な症状は、慢性的な咳や痰、体を動かした時の息切れです。病状が進行すると、少しの動作でも息苦しさを感じるようになり、日常生活に大きな制限が生じます。息を吐き出す速度が低下し、気流閉塞が見られると、特定疾病と診断されます。

変形性関節症

変形性関節症は、加齢や肥満、過度な負担などにより、関節の軟骨がすり減り、骨が変形する影響により、痛みや炎症が生じる疾患です。膝や股関節は体重を支える重要な関節であり、変形が進むと、歩行時の痛みや可動域の制限が大きくなります。

特定疾病と判断されるには、膝や股関節が変形し、顕著な痛みや機能の低下が見られるのが条件です。

特定疾病と診断された後の流れ

特定疾病 読み方

特定疾病と診断された後は、介護サービスを利用するため、要介護認定を申請しなくてはなりません。介護サービスを利用すると、本人や家族の負担を抑え、質の高い生活を送れるため、できるだけ早く要介護認定を申請するのがおすすめです。

ここでは、特定疾病と診断された後の流れを紹介します。

要介護認定を申請する

特定疾病と診断され、身体機能の低下や認知機能の障害によって介護が必要な状態になった場合は、要介護認定の申請をしましょう。要介護認定の申請は、お住まいの市区町村の窓口である地域包括支援センターで行います。

申請後、市区町村の担当者や認定調査員が自宅や施設を訪問し、本人の心身の状態や日常生活の状況の聞き取り調査を実施します。同時に、主治医に対して「主治医意見書」の作成を依頼します。

認定調査員や医師による情報に基づき、コンピュータによる一次判定と専門家からなる介護認定審査会による二次判定を経て、要介護度が認定されるのです。要介護認定を受けることで、介護保険サービスを利用する資格が得られます。

関連記事:要介護認定を受けるには何が必要?申請先や具体的な方法を詳しく解説

ケアプランを立てる

要介護認定が下りたら、次にケアプランを作成します。ケアプランとは、利用できる介護サービスの種類や内容、頻度などを具体的に記した計画書のことです。

要支援1・2と認定された場合は、地域包括支援センターが介護予防ケアプランを作成します。一方、要介護1〜5と認定された際は、ケアマネジャーがケアプランを作成します。ケアマネジャーは、本人や家族の意向や心身の状態、生活環境などを踏まえ、最適なサービスを提案してくるのが特徴です。

たとえば、訪問介護やデイサービス、福祉用具のレンタルなど、さまざまなサービスを組み合わせて、1人ひとりに合ったオーダーメイドのプランが作られます。

関連記事:ケアプランとは?わかりやすく作成の流れや目的、ポイントを解説

必要に応じて介護サービスを探す

ケアプランが完成したら、プランに沿って具体的な介護サービスを探し、利用を開始します。たとえば、入浴や食事の介助が必要であれば訪問介護、日中の活動や他者との交流を望むならデイサービス、必要であれば介護用品のレンタルなどを受けられます。

初めて利用するサービスや事業所には、見学や体験利用ができる場合もあるため、慎重に検討し、安心して利用できるサービスを見つけることが大切です。ケアプランは定期的に見直されるため、心身の状況に合わせて常に適切なケアを受けられます。

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関連記事:介護が必要になったら何から始めるべき?受けられるサービス内容とは?

まとめ

特定疾病 読み方

特定疾病の読み方は「とくていしっぺい」です。特定疾病に罹患すると、自宅でもスムーズな生活が難しくなる傾向にあります。そのため、特定疾病と診断された際は、速やかに地域包括センターで要介護認定を受け、介護保険を利用するのがおすすめです。

また、特定疾病に罹患したからといって、必ずしも介護保険を利用できたり、病気の原因によっては特定疾病に分類されないケースもあるため、注意が必要です。

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