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脳梗塞で要介護認定された場合に必要な申請は?利用可能なサービスも紹介

脳梗塞で介護認定を受けた場合に、必要な申請がわからないと悩む方は少なくありません。介護認定を受けると、公的支援を受けられます。公的支援はいくつかあるため、申請漏れがないよう知識を深めておきましょう。

本記事では、脳梗塞で介護認定された場合に必要な申請を解説します。利用可能なサービスや費用についても紹介するので、脳梗塞で介護認定を受けた方や、もしもの場合に備えておきたい方は参考にしてください。

なお、いいケアネットでは、老人ホーム探しに関する入居無料相談を受け付けています。施設を選ぶ基準や退院後すぐに入れる施設などがわからずお悩みの方は、ぜひご相談ください。

要介護の原因となる脳梗塞とは

脳梗塞

脳梗塞は脳内にある血管が詰まって血液が流れず、酸素や栄養不足により脳の細胞が死んでしまう病気です。

そもそも、脳細胞が壊死してしまう脳血管疾患の総称を脳卒中といいます。脳卒中の原因は大きく3つに分類され、その一つが脳梗塞です。

「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」によると、介護の主な原因は脳卒中が第2位で、認知症についで多い傾向です。

ただし、要介護5だけを見れば脳卒中が第1位になっており、介護との関連性が高い病気だといえます。

参照:厚生労働省|2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況

脳梗塞の症状や後遺症

脳梗塞 後遺症

脳梗塞の症状や後遺症は、人によってさまざまです。

ここでは、発症時・後遺症・前兆の3つに分けて代表的な症状を紹介します。

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目次

主な症状

脳梗塞はアテローム血栓性梗塞・ラクナ梗塞・心原性脳塞栓症に分類され、それぞれ異なる症状があらわれます。症状は人によって異なりますが、代表的なものは以下の通りです。

  • 顔や手足にしびれがでる
  • 物を飲み込みにくくなる
  • めまいがする
  • 衣類が着られなくなる
  • 顔の半分が動かなくなる
  • 声を出すのが難しくなる

手足や顔、言葉に異常が見られた場合は、脳梗塞の可能性が考えられます。脳梗塞を発症すると後遺症が残る可能性もあるため、日頃の予防が大切です。

後遺症

脳梗塞は脳の細胞が死んでしまう病気で、治療しても完治するのが難しく、さまざまな障害が残る可能性があります。主な後遺症は、以下の通りです。

障害 具体例
運動障害
  • 半身麻痺が起こり、手足を動かすのが難しくなる
  • 喉や舌の筋肉に影響が残り、ろれつが回らなかったり嚥下できなかったりする
感覚障害
  • 物に触れても感覚がない
  • 温度を感じない
構音障害
  • 言葉を発する能力が低下する
  • 文字を理解できなくなる
  • 文字が書けなくなる
高次機能障害
  • 記憶能力が低下する
  • 集中力が低下する
  • 感情や行動の抑制がきかなくなる

損傷した脳の部位によって、後遺症は異なります。初期に適切な治療を受けた場合、後遺症がなかったりリハビリで回復したりする可能性があります

前兆

脳梗塞は発症する前に、何かしらのサインが出るため見逃さないよう注意が必要です。主な前兆は、以下の通りです。

  • 半身の手足に力が入らなくなる
  • 手足がしびれる
  • ろれつが回らなくなる
  • めまいや吐き気を感じる
  • 目が見えにくくなったり二重に見えたりする

脳梗塞は早期治療により、症状の回復が見込めたり後遺症を最小限にとどめられたりする可能性があります。そのため、前兆の症状が見られた際はすぐに救急車を呼びましょう。

脳梗塞で介護認定された場合の手続き

脳梗塞 介護

脳梗塞で介護認定された場合の手続きは、以下の5つです。

  1. 介護保険の申請
  2. 身体障害者手帳の申請
  3. 障害年金の申請
  4. 傷病手当の申請
  5. 失業手当の申請

各手続きの概要や申請方法について解説するので、参考にしてください。

介護保険の申請

介護保険とは、公的介護保険制度と呼ばれる社会保険の一つで、介護が必要になった際に原則1割負担でサービスを利用できます。

介護保険サービスの対象者は、以下の通りです。

  • 65歳以上の方
  • 40~64歳までの医療保険に加入している方

65歳以上の方は介護が必要と認定された場合に、サービスを利用できます。40~64歳までの方は、対象となる特定疾病により介護が必要と判断された際にサービスを利用できます。

特定疾病は16種類あり、そのうちの一つが脳梗塞に該当する脳血管疾患です。介護保険を申請する際は、お住まいの市区町村の窓口で要介護認定の申請をして、職員などの訪問調査を受けて認定された場合にサービスを受けられます。

介護保険申請のタイミングや必要なものについては、以下で詳しく解説しています。

関連記事:介護保険申請のベストなタイミングはいつ?流れや必要なものを紹介

参照:厚生労働省|介護保険とは

身体障害者手帳の申請

身体障害者手帳が交付されると、金銭的および身体的なサポートを自治体や事業者から受けられます。申請先はお住まいの市区町村の窓口で、具体的な手続き方法は自治体によって異なります。

医師に診断書を作成してもらい、市区町村の窓口に申請書とともに提出する流れが一般的です。

なお、身体障害者手帳は、障害の永続を前提とした制度のためです。発症して間もない場合は、永続しないと判断され認定の対象とならない可能性があるため、初診日から6カ月以降の申請となります。

障害年金の申請

障害年金は、病気やけがにより生活に支障をきたす場合に受け取れる年金です。受給年金は1級と2級に分類されており、障害の程度によって異なります。

また、障害年金は以下の要件をすべて満たしている場合に支給されます。

  • 障害認定基準に該当する障害がある
  • 国民年金の被保険者(※初診日に60歳以上65歳未満で日本在住または20歳未満も対象)
  • 初診日の前日までに保険料の納付要件を満たしている
  • 初診日から1年6カ月を経過している

要件を満たしている場合は、お住まいの市区町村または年金事務所や年金相談センターの窓口で申請手続きをします。審査に通ると年金証書が郵送され、障害年金が振り込まれる流れです。

参照:日本年金機構|障害年金ガイド

傷病手当の申請

傷病手当とは病気やけがで働けない場合に、事業主から健康保険の保険者へ申請する制度で、支給条件は以下の通りです。

  • 業務外の病気やけがによる休業
  • 仕事に就けない状態
  • 仕事を休んでから連続した3日間を含み、4日以上仕事につけない場合

傷病手当は、標準報酬日額の3分の2が支給されます。なお、傷病手当の申請は会社経由と申請者本人どちらからでも可能です。

また、障害厚生年金を受ける場合は傷病手当の支給期間内であっても、支給停止になる点についてもあわせて覚えておきましょう。

参照:全国健康保険協会|病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)

失業手当の申請

脳梗塞が原因で退職を余儀なくされた場合は、失業手当を申請できます。失業手当は、勤務先から離職証明書を発行してもらい、ハローワークで申請します。

ハローワークに必要書類を提出した上で受給資格の決定が行われ、失業認定を行ったのちに失業手当が給付される流れです。失業手当の受給期間は原則離職日の翌日から1年間となりますが、延長申請を行うと最大3年間受給期間を延長できます。

参照:厚生労働省|Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)

脳梗塞で要介護認定を受けた場合に利用できるサービス

脳梗塞 介護

脳梗塞で要介護認定を受けた場合に利用できるサービスは、以下の2つです。

  • 在宅系介護
  • 施設系介護

各サービスの特徴について、以下で解説します。

在宅系介護の主なサービス

在宅系サービスでは家族主体で介護をしつつも、可能な限り自立した生活を送るためのサービスを受けられます。主な種類は、自宅で介護を受けられるタイプと施設などに通って介護を受けるタイプの2つです。

在宅系の主な介護サービスは、以下の通りです。

自宅訪問系
  • 訪問介護
  • 訪問看護
  • 訪問入浴介護
  • 訪問リハビリテーション
通所系
  • デイサービス
  • デイケア
  • 療養通所介護

在宅介護が長ければ、仕事と介護を両立する家族の疲れも溜まってしまいます。在宅で介護を検討している方は、ケアマネジャーと相談しつつ適切なサービスを検討しましょう。

施設系介護の主なサービス

施設系介護サービスでは、要介護認定を受けたい方が施設に入所して介護を受けられます。施設系の主な介護サービスは、以下の通りです。

  • 介護老人福祉施設
  • 介護老人保健施設
  • 介護療養型医療施設
  • 特定施設入居者生活介護

施設では、食事や入浴の介護だけでなく、リハビリテーションやレクリエーションなども行います。また、療養が必要な場合は、医療ケアを受けられます。

なお、利用できる介護保険は介護認定審査によって決められた等級によって決まる点についても、あわせて覚えておきましょう。

50代で脳梗塞を発症し施設に入居する方法については、以下で詳しく解説しています。

関連記事:50代で脳梗塞や認知症を発症して施設に入所する方法を徹底解説

脳梗塞で要介護状態になった場合にかかる費用

介護費用

脳梗塞で要介護状態になった場合にかかる費用を、以下のパターンに分けて解説します。

  • 在宅介護を選択した場合
  • 施設介護を選択した場合

費用の違いを知りたい方は、参考にしてください。

在宅介護を選択した場合

生命保険文化センターの「生命保険に関する全国実態調査」によると、在宅介護にかかる平均月額は4.8万円でした。

なお、要介護認度別に見た月額の介護費用は以下の通りです。

介護度 月額費用
要支援1 4.1万円
要支援2 7.2万円
要介護1 5.3万円
要介護2 6.6万円
要介護3 9.2万円
要介護4 9.7万円
要介護5 10.6万円

要介護認定別に見ると、介護度が高くなるほど月額の費用は上がっているとわかります。

出典:生命保険文化センター|生命保険に関する 全国実態調査

施設介護を選択した場合

生命保険文化センターの「生命保険に関する全国実態調査」によると、施設介護にかかる平均月額は12.2万円でした。

前述した在宅介護の月額4.8万円と比べると、施設を利用した方が2倍以上費用が高くなります。ただし、施設サービスを利用する場合、個室と相部屋など住環境によっても自己負担額は異なります。また、介護度が高くなるほど施設費用も高くなる点を踏まえて、費用を検討しましょう。

出典:生命保険文化センター|生命保険に関する 全国実態調査

脳梗塞の後遺症で精神症状が出た場合

脳梗塞 後遺症

脳梗塞の後遺症として四肢麻痺や言語障害以外にも、せん妄などの精神症状が強く出る場合があります。

「大声で叫ぶ」「モノや壁を叩く」「うろうろと徘徊する」といった症状がある場合、リハビリ病院や介護付有料老人ホームなどへの入居が困難になります。

せん妄がある場合は、すみやかに精神科に入院し、医師と相談しながら適切な薬物治療を行いましょう。

リハビリが終了しせん妄もなくなったら、長期間過ごせる介護付き有料老人ホームを検討しましょう。

介護付き有料老人ホームでは食事や入浴などの日常的な介護はもちろん、レクリエーションなどもあり、自宅に近い環境で過ごせます。

いいケアネットでは、老人ホーム探しの入居無料相談を受け付けています。身体状況や医療の必要性、予算を踏まえた上で安心して暮らせる施設をお探しの方は、お気軽にご相談ください。

脳梗塞で介護が必要になったら施設の利用を検討しよう【まとめ】

脳梗塞 介護

本記事では、脳梗塞で介護認定された場合に必要な申請や、利用できるサービスについて解説しました。

脳梗塞は介護の原因となる病気の一つで、発症した場合、後遺症が残る可能性があります。後遺症が残った場合は、介護度や必要な医療ケアを踏まえた上で最適な施設を探しましょう。

「いいケアネット」では、大阪を中心に有料老人ホームや介護施設の情報を多数掲載しています。老人ホームに関する情報についても「いいケアジャーナル」で紹介していますので、あわせてご覧ください。

この記事の監修者

いいケアネット事務局

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