「高級老人ホームの費用はいくらなのか」「費用が高い老人ホームには見合う価値があるのか」といった疑問を持つ方は多いでしょう。老人ホームにはさまざまな種類があり、なかには、高級老人ホームと呼ばれるような費用が高い施設も少なくありません。
今回は、高級老人ホームが高い理由について、費用相場や支払い方法とあわせて解説します。老人ホーム選びの重要なポイントや費用が高くて入れない場合の対策もまとめているので、最適な施設選びの参考にしてください。
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高級老人ホームが高い6つの理由
高級老人ホームの費用が高くなる主な背景として、以下の6つがあります。
- 高度な医療・介護体制
- こだわりの食事サービス
- 充実した設備
- 立地条件の良さ
- 広くて綺麗な居住スペース
- 豊富なイベントやレクリエーション
以下で、それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.高度な医療・介護体制
高級老人ホームの費用が高い理由は、高度な医療や充実した介護体制が整っているためです。多くの高級老人ホームでは、法定の基準を上回る十分な人員が配置され、医療職や介護職のスタッフが24時間体制で常駐しています。
また、病院や医師との連携によって、慢性疾患や特別なケアが必要な入居者にも対応できるケースも少なくありません。日々の健康管理や緊急時の対応が手厚い一方で、高度な医療や介護体制を維持するための人件費が増加するため、結果として老人ホームの費用が高くなります。
2.こだわりの食事サービス
高級老人ホームでは、食事の質が重要視されています。多くの高級老人ホームが、食材へのこだわりやプロの料理人による調理などを謳っており、食事は入居者にとって満足度を高める重要な要素の一つです。
老人ホームによっては、レストラン形式でオーダーを受けてから調理をする施設もあり、豪華さと質の高さは高級レストランに匹敵するほどです。こだわりの食事サービスは、食事の満足度を高めると同時に、費用が高くなる原因にもなります。
3.充実した設備
高級老人ホームの充実した設備も、費用が高くなる理由の一つです。具体的には、フィットネスやカラオケ、プール、シアタールーム、温泉付きの大浴場などを備えている老人ホームも少なくありません。
このような設備は、入居者の健康維持や余暇の時間を充実させるために提供されており、施設の維持管理や設備の更新にかかる費用が高額になります。また、設備によっては、専門スタッフが必要になるため、人件費の増加にもつながっています。
4.立地条件の良さ
立地条件の良さも、高級老人ホームの費用が高くなる一因です。高級老人ホームは、都市の中心地や周辺環境の利便性が高い地域に立地している場合がほとんどです。施設の周辺環境が整っているほど、入居者が快適に過ごしやすくなります。
ただし、施設の立地の良さは、土地の取得や運営コストに影響する要素の一つです。そのため、立地条件が良い高級老人ホームは、その分、費用が高くなる傾向にあります。
5.広くて綺麗な居住スペース
高級老人ホームが高い理由として、広くて綺麗な居住スペースがあげられます。
高級老人ホームでは、清潔感のある広々とした居住空間が提供されることが一般的です。
利用者のための個室には、上質な家具屋インテリアが備え付けられており、共有スペースも高級感が感じられる空間になっています。
しかし、広い居住スペースを清潔に保つためには、清掃や管理に多くのコストがかかります。そのため、老人ホームの費用が高くなる傾向です。
6.豊富なイベントやレクリエーション
高級老人ホームで開催される豊富なイベントやレクリエーションも、費用が高くなる理由の一つです。施設によっては、有名音楽家を招いたコンサートや専門家によるカルチャースクール、国内外の旅行イベントなどが開催される場合があります。
イベントやレクリエーションにかかるコストは施設によって差があるものの、多くの高級老人ホームでさまざまな活動がおこなわれています。
これらの理由から、高級老人ホームは快適な生活環境と質の高いサービスを提供する一方、高い費用が発生するのです。
老人ホームでの過ごし方について詳しく知りたい方は、以下の記事もチェックしてみてください。
関連記事:老人ホームの日々の生活を紹介
高級老人ホームの費用相場
高級老人ホームの魅力は多くありますが、質の高いサービスと設備には相応の費用が伴います。高級老人ホームの費用は、大きく次の2つに分けられます。
- 入居一時金
- 月額利用料
それぞれの費用について詳しく見ていきましょう。
入居一時金
入居一時金とは、有料老人ホームに入居する際に支払う初期費用で、家賃の前払いに相当します。この費用は、施設の質やサービス内容によって大きく異なります。
高級老人ホームにおける入居一時金の相場は、約1,000〜5,000万円と高額になる傾向です。さらに、超高級老人ホームと呼ばれる施設では、入居一時金が1億円以上に上るケースもあります。
一方、一般的な有料老人ホームでは、0〜500万円程度の入居一時金が必要です。つまり、高級老人ホームは、通常の有料老人ホームよりも倍以上の入居一時金が必要になります。
月額利用料
月額利用料についても、施設ごとに差があります。高級老人ホームの場合、月額利用料は平均で20〜30万円程度になるのが一般的です。
月額利用料には、主に管理費、食費、日用品、光熱費などが含まれます。ただし、介護保険サービスの自己負担分や医療費は含まれない場合が多いため、これらの追加費用も考慮する必要があります。
また、独自サービスの費用や日用品費などは、生活状況により支払額が変動するケースも少なくありません。高級老人ホームへの入居を検討する際は、各施設における料金体系を確認しておきましょう。
老人ホームの費用が払えない場合の対処法については、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:老人ホームの費用が払えない!原因から対処法まで解説
高級老人ホームの支払い方法
高級老人ホームには、以下の支払い方法があります。
- 全額前払い方式
- 一部前払い・一部月払い方式
- 月払い方式
それぞれの支払い方式にはメリットと注意点があり、個々の状況に合わせた選択が必要です。以下で、各支払い方法の特徴を詳しく見ていきましょう。
全額前払い方式
全額前払い方式では、老人ホームへの終身居住することを前提に、想定居住期間における家賃を全額一括で支払います。この場合の入居一時金は、前述のとおり数千〜数億円と幅があります。
入居一時金は毎月償却され、想定居住期間が終了した場合、追加の家賃は発生しません。初期費用は高額ですが、毎月の支払いがないため、金銭的な管理がしやすくなるメリットがあります。
一部前払い・一部月払い方式
一部前払い・一部月払い方式方式は、高級老人ホームの家賃の一部を入居時に前払いし、残りの費用を毎月支払う方法です。前払い金には想定居住期間の家賃の一部が含まれ、入居後は管理費や食費など、その他の費用を月額で支払います。
全額前払いと比較すると月額利用料は高めですが、毎月支払う家賃が減額されるため、月々の負担は軽減されます。これにより、全額前払いに比べて初期コストを抑えつつ、月払い方式よりも将来の見通しを立てやすくなることが特徴です。
月払い方式
月払い方式では前払い金が不要で、家賃を含む月額費用を支払います。この場合、月額費用には管理費や食費などが含まれ、必要に応じて介護費用や光熱費も支払うことになります。
入居時にまとまった費用を用意しなくても良いため、初期費用が抑えられる点が大きなメリットです。ただし、累積支払額が一定の入居期間を超えると全額前払い方式の累積支払い額を超える可能性があります。
なお、いずれの方式を選ぶ場合でも、入居中に入院などで老人ホームを不在にする期間の家賃や管理費が発生する点には注意が必要です。将来の計画や予算に合わせて、各方式の特徴をよく理解して検討しましょう。
高級老人ホーム選びのポイント3選
高級老人ホームを選ぶ際には、施設のターゲット層や雰囲気、介護サービスの質と種類、医療ケアや認知症への対応など、多面的な視点から適切な施設を選ぶ必要があります。
以下で、それぞれのポイントについて詳しく解説します。
1.施設のターゲット層や雰囲気
高級老人ホームを選ぶ際は、まず施設のターゲット層や雰囲気を考慮しましょう。富裕層の利用が中心の高級老人ホームでは、品位や格式を重視する方も多く、生活の質にこだわりを持っていることが一般的です。
また、施設によっては、入居者が共有スペースで過ごす際の服装などにも気を配る必要があります。なお、施設が生活スタイルや好みに合っているかを判断するためには、施設見学がおすすめです。
2.介護サービスの質と種類
介護サービスの質と種類も、高級老人ホームの重要な選択基準です。施設によって医療・介護体制が異なるため、必要な介護サービスを受けられるかどうか事前に確認しておく必要があります。
また、リハビリテーションに注力した施設では、健康維持や機能回復のためのサービスが提供されている場合もあります。入居者の身体状態や、介護度が高くなった場合のサポート体制についても、事前に詳しく確認しておきましょう。
3.医療ケアや認知症への対応
医療ケアや認知症への対応も、高級老人ホーム選びのポイントです。多くの高級老人ホームでは、看護師が24時間常駐し、外部の医療機関と連携しています。
認知症への対応については、施設によって受け入れ状況が異なります。また、重度の医療ケアが必要な状態や、認知症が進行した場合の対応も、入居前にしっかりと確認しておく必要があります。
ほかには、費用や立地、施設の設備なども重要な選択基準です。十分な情報収集と見学を行い、最適な施設を選びましょう。
いいケアネットでは、老人ホーム探しのための入居無料相談を受け付けています。高級老人ホームへの入居を検討している方は、ぜひ気軽にご相談ください。
老人ホームが高くて入れない場合に検討すべきこと
老人ホーム費用が高くて入居が難しい場合は、以下の選択肢を検討する必要があります。
- 生活保護を受ける
- 介護保険サービスの助成制度を利用する
- 在宅介護サービスを活用する
- 家族でサポートする
- 年金で入れる老人ホームを探す
それぞれの方法について詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
生活保護を受ける
年金だけでは生活できない経済状況であれば、生活保護の利用を検討しましょう。老人ホームは生活保護を受けていても利用が可能です。ただし、生活保護受給者が入居できる施設は、生活保護法による指定を受けている施設に限られるため、選択肢は多くありません。
老人ホームが高くて入居が難しい場合や経済状況が苦しい場合は、自治体への相談がおすすめです。生活保護を受けると、介護費や医療費のほか、居住費なども支給されるため、経済的な困窮を防げます。
生活保護受給者が入居できる施設について詳しく知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。
関連記事:生活保護受給者でも老人ホームは入居できる?利用時の注意点や費用について
介護保険サービスの助成制度を利用する
老人ホームの入居にあたって、経済的な負担が大きい場合には、介護保険サービスの助成制度を利用する方法があります。
介護保険は、65歳以上の高齢者や40歳以上で特定の病気がある場合に適用される制度です。要介護度に応じて老人ホームに入居する際に利用できる場合があります。
介護保険サービスには、以下をはじめとするさまざまな助成制度があるため、利用時には自治体に確認するようにしてください。
特定入所者介護サービス費(負担限度額認定) | 老人ホームの月額利用料のうち、食費と居住費が所得に応じて決められた限度額以下になる制度 |
高額介護サービス費 | 介護サービスの自己負担額の合計が限度額以上となった場合に、超過分の払い戻しを受けられる制度 |
高額介護合算療養費 | 一年間の介護費用と医療費の合計額が条件を超過した場合に、払い戻しを受けられる制度 |
介護保険サービスの助成制度は、申請すると所得に応じた金額の範囲内で助成が受けられます。
在宅介護サービスを活用する
老人ホームが高くて入れない場合は、施設に入居せず、在宅介護を続ける選択肢もあります。
介護保険で利用できる主な在宅介護サービスは、以下の通りです。
- 訪問介護サービス
- 訪問看護サービス
- デイサービス
- ショートステイ
- 小規模多機能型居宅介護 など
在宅介護サービスの活用によって、訪問介護員やケアマネージャーなどが定期的に訪問し、家にいながら生活の質を維持できます。自宅で介護を続けることで、老人ホームの入居にかかる費用を抑えられます。
家族でサポートする
老人ホームが高くて入居できない場合、可能であれば家族によるサポートも検討しましょう。ただし、家族によるサポートは、介護者の身体的かつ精神的な負担が伴います。とくに介護者が働いている場合には、外部サービスの利用が必要になるなど、経済的な負担も増します。
家族によるサポートはあくまで一時的な対処であると考え、介護者の負担が大きくなる前に、公的サービスや外部の支援を受けるようにしてください。
年金で入れる老人ホームを探す
老人ホームの入居にかかる費用は、施設の種類によって幅があります。とくに、年金のみで生活している高齢者の場合、月々の収入に見合った費用の老人ホームを探すことが大切です。
年金で入れる老人ホームを探すためには、自治体や地域包括支援センター、ケアマネージャーに相談しましょう。施設のなかには、年金で入居できるよう料金設定しているところもあります。
なお、いいケアネットでは、老人ホーム探しのための入居無料相談を受け付けています。認認介護における問題解決の選択肢として老人ホームへの入居を検討している方は、ぜひ気軽にご相談ください。
以下の記事では、国民年金で入れる老人ホームについて詳しく解説しています。
関連記事:国民年金で入れる老人ホームの種類や費用の自己負担を減らす方法を解説
高級老人ホームが高いと感じる場合は適切なサービスの利用を検討しよう【まとめ】
高級老人ホームの費用は、主に入居一時金と月額利用料で構成されており、ほかの施設と比べても高額になる傾向があります。
費用は高額ですが、高度な医療・介護体制、充実した食事サービス、設備の豪華さなど、金額に見合った高級老人ホームならではの各種サービスが魅力です。施設を選ぶ際は、ターゲット層や雰囲気、介護サービスの質などを見極め、最適な施設を選びましょう。
老人ホームへの入居において大切なことは、収入に見合った施設を選ぶことです。必要に応じて公的サービスの利用も検討してください。
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この記事の監修者
いいケアネット事務局
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