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特定疾病ってどんな病気?【PART3】~16特定疾病について解説!~

今回も前回に続き、特定疾病(16疾病)に該当する疾病が具体的にどの様なものかについてお伝えします。
今回は「早老病」「多系統萎縮症(MSA)」「糖尿病性神経障害・糖尿病性腎症・糖尿病性網膜症」「脳血管疾患」の4つの疾病についてです。

目次

早老病について

遺伝子の異常により引き起こされる疾患で、10歳以降40歳までに主要徴候である早老性毛髪変化(白髪や禿頭など)、白内障、骨粗鬆症、糖・脂質異常、低身長及び低体重、(※) 鳥様顔貌などの症状が現れ、実際の年齢よりも早く老化の兆候が全身に現れる病気の総称を言います。
世界の発症者の6割が日本人と言われています。
診断は主要徴候と糖同化障害や尿中ヒアルロン酸増加など、その他の徴候や所見を基準に行います。

(※)鳥様顔貌:鳥の様な顔つき

多系統萎縮症(MSA)について

複数の系統(小脳・大脳基底核・自律神経など)が侵される疾病で3つのタイプがあります。

小脳失調型

小脳や脳幹が萎縮し、歩行時にふらついたり呂律が回らなくなる。

大脳基底核型

大脳基底核が主に障害され、パーキンソン病と同じ様な動作緩慢、歩行障害などが見られる。

自律神経型

自律神経が主に障害され、起立性低血圧、発汗障害、性機能障害などが見られる。

進行は比較的早く、症状が進んでくると3つのどのタイプも他のタイプの症状を合併するようになり、多系統の障害に至ります。遺伝性は無く原因は不明です。

糖尿病性神経障害・糖尿病性腎症・糖尿病性網膜症について

糖尿病が進行して起こる三大合併症と言われており、それぞれの診断基準を満たすと特定疾病として認められる。

糖尿病性神経障害

高血糖により主に両手足の末梢神経が障害されます。
これにより手足の感覚が鈍く なり常に何かに触れている様な感覚が続いたり、温度を感じにくくなる異常症状が現れます。
痛みが慢性化する場合や、進行して知覚が低下した結果、足潰瘍や足壊死になる方もいます。

糖尿病性腎症

高血糖により、腎臓にある非常に細い血管がむしばまれていく合併症です。進行すると老廃物を尿として排出する腎臓の機能が失われてしまうため、最終的には透析治療を要することになります。

糖尿病性網膜症

高血糖により目の網膜にある非常に細い血管がむしばまれていく合併症です。
進行すると失明に至ります。
自覚症状が無いまま進行していくので、早期発見の為にも年に一度以上は眼底検査を行いましょう。

脳血管疾患について

脳出血・脳梗塞・くも膜下出血など脳血管の異常によって起こる疾患の総称のことです。
手足や顔の片側の麻痺や痺れ、高次脳障害(言語障害・記憶障害・注意障害)などの症状が現れ、後遺症が残りやすいことが特徴です。
どのような症状が現れるかについては、脳のどの部分がどの程度のダメージを受けたかによって異なります。
特定疾病として認められるのは、外傷が原因で発症したもの以外に限られ、症状や画像所見などから医師が判断します。

まとめ

今回は4つの疾病についてご紹介しましたが「糖尿病性神経障害・糖尿病性腎症・糖尿病性網膜症」「脳血管疾患」については、日常生活における食生活や適度な運動、そして定期的な検査を行うことで予防できることもあります。
次回は特定疾病(16特定疾病)の内「閉塞性動脈硬化症」「慢性閉塞性肺疾患」「両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症」についてお伝えします。

このシリーズの記事はコチラ
特定疾病ってどんな病気?【PART1】~16特定疾病について解説!~
特定疾病ってどんな病気?【PART2】~16特定疾病について解説!~
特定疾病ってどんな病気?【PART4】~16特定疾病について解説!~

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この記事の監修者

いいケアネット事務局

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