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【姪御様からのご相談】叔父・叔母の介護はどこまでするべき?親族にできる支援方法を紹介

当サイト、いいケアネットには姪御様や甥御様から「子どものいない叔父(伯父)や叔母(伯母)の将来が心配」「自分の生活もあるから、できる範囲でサポートしたい」といったご相談が多く寄せられています。

2023年の合計特殊出生率(1人の女性が一生のうちに産む子どもの数)は1.20人、2022年は1.26人でした。(文献1)

年々子どもの数が減っていくなか、「介護は家族がするべきだ」という考えの人もいるでしょう。「介護の責任が甥や姪にもかかってくるのではないか」と、不安になる人も多いのではないでしょうか。

甥御様や姪御様ができる支援には限りがあります。

この記事では子どものいない叔父や叔母に対し、甥御様や姪御様が自分たちの生活を守りながら支援する方法を紹介しています。

甥・姪に叔父・叔母を介護する義務はない

リハビリ施設

甥御様や姪御様には、叔父や叔母の介護をする義務はありません。

民法第877条によると、介護や養育といった扶養義務がある人は、直系親族と兄弟姉妹に限定されます。

直系親族とは、以下の続柄にある人たちです。

  • 父母
  • 祖父母

また、叔父や叔母が結婚している場合は民法第752条によって、その配偶者も扶養義務を負います。(文献3)

兄弟にあたる親には、叔父や叔母を介護する義務がありますが、甥や姪にはその責任が及びません。介護を求められても、断ることが可能です。

家庭裁判所が特別な事情を認めた場合のみ、直系親族ではない甥や姪にも介護義務が生じます。たとえば、扶養義務者が全員経済的に困窮していたり、介護を条件に甥姪が叔父や叔母から経済的な対価を得ていたりする場合です。

ただし、求められているのは普段通りの生活を送りつつ、余力で行なう援助です。裁判所から叔父や叔母の介護や生活の援助を求められたとしても、自身の生活に余力がない場合は断っても問題ありません。

参考:e-GOV『民法』

たとえ実子であっても支援が難しい場合には、介護の要請を断れます。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

親の介護をしないとどうなる?法的義務やできないときの対処方法を解説

甥御様・姪御様が介護でできないこと

老人リハビリ

生活に余力があり、叔父や叔母を支援できる状態だとしても、甥姪の立場では直系親族と比べてできる範囲に差があります。

ここでは、甥御様や姪御様が介護の際にできないことを紹介します。

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目次

銀行の手続き

甥や姪が主体となって叔父や叔母の介護をする場合、銀行での手続きができない可能性があります。たとえば、認知症を発症している叔父や叔母に代わって介護施設の費用を振り込もうとしても、金融機関に断られる場合があるのです。

金融機関での取引は、原則口座の名義人が行ないます。口座の持ち主以外が取引しようとする場合、事前に名義人本人が代理人届を出すか、代理人が診断書とともに代理人届を出す必要があります。

多くの金融機関では、代理人になれる対象を配偶者か2親等以内(祖父母・両親・子・孫・兄弟姉妹)の親族に限っているところが多いのです。

甥や姪は3親等にあたるため、代理人になれず取引ができない場合があります。

介護休暇の取得

叔父や叔母の介護が必要になったとしても、甥姪では介護休暇の取得ができません。

介護休暇とは、労働者が負傷や疾病などにより要介護状態にある家族の介護や世話をするために取得できる休暇です。介護休暇を申請した場合、対象家族ひとりにつき年間5日までの休暇が認められます。

介護休暇による休みは社内での評価に響かない上、条件を満たしていれば介護休暇給付金を受け取ることも可能です。

ただし、介護休暇を取得できるのは、配偶者・配偶者の父母・父母・祖父母・兄弟姉妹・子・孫のみです。(文献2)

甥や姪が介護のために仕事を休んでも、介護休暇は認められません。

甥御様・姪御様にできる支援方法

老人介護

金融機関での対応や休暇の制度が整っていないことから、甥御様や姪御様による介護は想定されていないとわかります。とはいえ、叔父や叔母のために何かできることはないかとお悩みの方も多いのではないでしょうか。

ここからは、甥御様や姪御様にもできる支援方法を紹介します。

介護サービスの利用をすすめる

高齢者の支援をする場合、すべて親族内で解決しようとせず、介護サービスなどプロの手を借りるのがおすすめです。

たとえば、訪問看護を頼んだり、心身の状態に見合った施設を探したりといったサポートがあります。自身に負担がかかりすぎない支援を選ぶと良いでしょう。

とくに、叔父や叔母が認知症を発症している場合には、見守りや介護を手厚くする必要があります。自分の生活を守るためには、専門家に任せるのもひとつの方法です。

認知症を発症した際の老人ホーム選びについては、こちらの記事をご覧ください。

認知症と老人ホーム選びについて

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身の回りの世話をする

叔父叔母がある程度の自立ができている場合には、買い出しや医療機関への付き添いなど、無理のない範囲でサポートするのが良いでしょう。

身体機能が低下している場合には、食事や入浴などの身体介護が必要となります。なかには甥や姪が対応できることもあるかもしれません。

しかし、自分の生活をしながら介護するのは負担が大きいものです。あらかじめ協力できる範囲を伝え、長期休暇中だけ、土日だけといった無理のない範囲を探るようにします。

任意後見契約を結ぶ

叔父や叔母が自分で決断できなくなったときに備えて、任意後見契約を結ぶ方法もあります。動けなくなったときにあらかじめ自分で選んだ人にしてもらいたい事柄を決めておくことを、任意後見契約といいます。(文献3)

銀行や施設の手続きなどは、本人や本人の代理人にしかできません。認知症の発症などで叔父や叔母から代理人として認めてもらえない場合、施設の利用契約や医療費の支払いが困難になるおそれがあります。

その点、任意後見契約を結んでおくと、代理人の手続きがスムーズです。

契約は公証人が作成する構成文書で結びます。叔父叔母がひとりで決められなくなってきたときに、監督人選任の申し立てを行なうと、後見人としての効力を発揮できるようになります。

何をどこまで任せてもらえるかは、契約によってさまざまです。将来は叔父叔母の支援をすると決めている場合には、任意後見契約を結んでおくと安心です。

身元保証人になる

介護施設に入居する場合、入居時に身元保証人を求められるケースがあります。

身元保証人の役割は、施設によってさまざまです。入居費の滞納があった場合に連帯保証人の役割を求められたり、本人の判断力が低下したときの意思決定や死亡時の身柄引き取りを求められたりします。

施設側の提示した身元保証人の対応範囲を、よく確認して決断することが大切です。保証人にはなれないが、緊急時には連絡を引き受けるなど、できることとできないことを決めておくと良いでしょう。

老人ホームの身元保証人について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

老人ホームの保証人に年齢制限はある?条件や役割、いないときの対策を解説

老人ホームの身元引受人について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

老人ホーム入所に必要な身元引受人とは?介護における役割を解説

まとめ|叔父・叔母の介護はできる範囲でサポートをしよう

老人 健康

「他人に世話されたくない」「介護は家族でするべきだ」と考え、甥や姪を頼る人もいるでしょう。しかし、叔父叔母の介護が必要なときには、自分の親も高齢で介護が必要になってくる可能性も高いのです。

甥や姪には、叔父叔母の介護をする義務がありません。叔父叔母の介護を頼まれた場合には、無理して引き受けないことが大切です。

介護する場合もすべてに対応しようと気負わず、できることとできないことを決めて、ほかの人に頼ると良いでしょう。

大阪を中心に、多数の高齢者向けの介護施設の情報を掲載する「いいケアネット」では、老人ホームに関する疑問やまつわる情報を「いいケアジャーナル」で随時更新中です。

甥御様・姪御様から介護についてよくある質問

叔母とは仲が悪く、もうかかわりたくありません。縁を切る方法はありますか?

現在の法律では、親族関係を完全に抹消する方法はありません。不仲から数十年連絡を取っていない相手でも、扶養義務者や相続人として接触する可能性があります。

これは、戸籍上親族関係を抹消するような手続きが存在しない上、扶養義務や相続は戸籍の関係をもとに発生するためです。

顔を合わせて話したくない場合には、手紙やメールなどを用いて協議すると良いでしょう。

子どものいない叔父が亡くなった場合、相続人は誰になりますか?

子どものいない叔父叔母が亡くなったときには、故人の配偶者・両親・祖父母が相続人になります。

すでに配偶者・両親・祖父母が亡くなっている場合には、故人の兄弟姉妹が相続します。兄弟姉妹も亡くなっている場合には、甥や姪が故人の兄弟姉妹の代わりに相続します(代襲相続)。

叔父叔母の介護や生活支援をすべて甥姪がしていても、遺言がない場合には、遺産を一切受け取れない場合もあります。たとえ、施設代や生活費を立て替えていたとしても遺産は受け取れません。

甥姪が遺産を相続する前提で叔父や叔母の介護をする場合、遺言を残しておいてもらうと良いでしょう。

この記事の監修者

いいケアネット事務局

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