大阪を中心に有料老人ホーム・介護施設HOME > 介護専門家が答えるQ&A > 老人ホームの保証人に年齢制限はある?条件や役割、いないときの対策を解説

老人ホームの保証人に年齢制限はある?条件や役割、いないときの対策を解説

老人ホームに入居する際、ほとんどの施設で保証人が必要です。

家族なら誰でも保証人になれるのか、年齢制限はないのか、疑問に思う方も多いでしょう。

結論としては「年齢制限はないが、高齢すぎないこと」が条件ですが、年齢制限以外にも保証人に必要な条件はあります。

今回は、老人ホーム入居の際に必要な保証人の条件や役割、保証人がいない場合の対処法などを紹介します。

本記事が、老人ホーム入居にあたり保証人を決めるときの参考資料になれば幸いです。

老人ホームの保証人に年齢制限はないが高齢すぎないことが条件

老人ホーム入居時の保証人に明確な年齢制限は定められていません

しかし、「高齢すぎないことが条件」という施設がほとんどです。

理由は、高齢すぎると支払能力や判断力の低下などが原因で、身元保証や連帯保証の責任を負えなくなる可能性もあるためです。

老人ホームによって規定が異なるため、入居を検討している施設に問合せてみましょう。

【年齢制限以外】老人ホームの保証人に必要な条件

老人ホーム入居の保証人に求められる条件は年齢制限以外に2つあります。

  • 一定の収入がある
  • 親族が望ましい

どのような内容か、解説していきます。

この記事は「コンテンツポリシー」に沿って執筆しています。
目次

一定の収入がある

金銭面の連帯保証は保証人の重要な役割です。

「年収いくら以上」という金額的な条件はありませんが、安定した収入源があることが必須条件です。一定の収入があることを証明する書類の提出を求められることもあります。

給与収入や年金収入など、定期的な収入があることが理想といえるでしょう。

親族が望ましい

絶対条件ではありませんが、原則として親族が望ましいとされています。

なぜなら、金銭の取り扱いや本人の意思決定という重要なことも代行するため、本人と信頼関係があり本人をよく知る人が適任と判断されるからです。

保証人と身元引受人の違い

老人ホームに入居する際の保証人は、正式には「身元保証人」といいます。

「身元引受人」との違いは次のとおりです。

  • 保証人:意思決定の代行や金銭面の連帯保証をする
  • 身元引受人:退去時の引き取り、退去手続きをする

老人ホームによっては、1人で両方の役割を担うこともあるので、入居を検討し始めた段階で、前もって確認しておきましょう。

保証人と身元引受人の違いについて詳しくまとめた記事もありますので、ぜひご覧ください。

関連記事:老人ホームの入居の疑問!「保証人」「身元引受人」の違いとは

老人ホーム入居時の保証人の役割

老人ホーム入居時に、保証人が担う役割は、主に5つあります。

  • 本人に代わり意思決定
  • 各種手続きの代行
  • 緊急時の連絡先
  • 利用料など金銭面での保証
  • 退去時の身柄引き取り

それぞれの詳細を解説していきます。

本人に代わり意思決定

入居中に治療や入院が必要になる場合、加齢や認知症の影響で本人が意思決定を行えないケースがあります。本人が治療方針や入院の可否などを決められない場合は、保証人が意思決定を代行します。

また、緊急手術が必要な場合など、迅速な意思決定が求められる状況でも、保証人が対応する必要があるでしょう。

各種手続きの代行

老人ホームは、入院や退院の手続きや金銭の支払いには介入できないため、保証人がこれらの手続きを代行する必要があります。

また、入居中で健康保険や年金などの行政機関への手続きが必要になる場合も、保証人が代行します。本人が生活に支障なく入居生活を続けられるようサポートするのが、保証人の役割です。

緊急時の連絡先

保証人は、本人の容態急変時、病気やケガをした際の緊急連絡先となります。

応急処置や救急搬送、病院の受診などは老人ホームで対応しますが、老人ホームから連絡があった場合は速やかに対応しなければなりません。

利用料など金銭面での保証

万が一本人が老人ホームの利用料を支払えなくなった場合は、保証人がその支払いを代わりに引き受けることになります。本人の資産を管理し、支払いに充てる手続きも含まれます。

また、本人の資金不足が長期にわたる場合には、老人ホームへの相談や対応策を考えるのも保証人の役目です。

退去時の身柄引き取り

本人が退去する時の費用の清算や荷物の引き取り、居室の原状回復なども、保証人が代行します。本人が病気や介護度の悪化などで退去する場合は、退去後の生活環境の準備や、新しい施設への手続きが必要となる場合もあるでしょう。

これらの手続きをスムーズに進めることも、保証人の重要な役割といえます。

親族が無職や年金受給者でも保証人になれる?

老人ホーム入居の際、親族が無職や年金受給者の場合もあるでしょう。

親族が無職や年金受給者でも保証人になれるのか、それぞれの場合を解説します。

無職の場合

保証人になりそうな親族が無職の場合、一般的には保証人になることは難しいです。

それは、安定した収入がないため、老人ホームの利用料を支払える保証がないからです。

ただし、通帳の写しや資産証明書を提示して、経済的に安定していることが証明できれば、無職でも保証人になれる可能性があります。

入居を検討している老人ホームに相談してみましょう。

年金受給者の場合

該当する親族が年金受給者である場合も、保証人になることは難しいです。

なぜなら、年金受給=収入が安定しているとは言えないからです。

保証人になるには、年金とは別の安定した収入を得ていることが求められます。

または、無職の場合同様、資産証明書の提示によって経済的な安定を証明できれば、保証人になれる可能性はあります。

入居を検討している老人ホームに相談するか、年金以外の収入を得ている親族にも保証人を依頼するのがおすすめです。

老人ホーム入居時に保証人がいないときの対策法5選

もし保証人がいない場合、対策として主に5つの方法が挙げられます。

  • 地域包括支援センターへ相談する
  • 保証会社を利用する
  • 成年後見制度を利用する
  • 保証人不要の施設を選ぶ
  • 高齢者家賃債務活用制度を活用する

それぞれの方法を詳しく解説していきます。

地域包括支援センターへ相談する

保証人を依頼できる人がいないと感じたら、都道府県の地域包括支援センターへ相談してみましょう。

地域包括支援センターでは、信頼できる保証会社の紹介や、成年後見制度のサポートをしてもらえます。

厚生労働省のホームページから、お住まいの都道府県の地域包括支援センター情報が確認できます。

保証会社を利用する

民間企業やNPO法人が運営する保証会社の利用を検討してみましょう。

ただし、保証会社を利用する際は、条件として審査に通る必要があることや、保証会社に料金を支払う必要があることを心に留めておいてください。

また、信頼できる保証会社を選ぶことも非常に大切です。

成年後見制度を利用する

成年後見制度を利用すると、保証人がいなくても老人ホームに入居できるようになります。

それは、成年後見制度が法的な代理人の役割を果たすからです。

成年後見制度とは『知的障害・精神障害・認知症などによって、ひとりで決めることに不安や心配のある人が、いろいろな契約や手続きの際にお手伝いする制度』です。

たとえば、認知症が進み、契約内容を理解できなくなった高齢者が、後見人を付けて老人ホームに入居する場合、後見人が施設との契約を結ぶため、老人ホームに入居できます。

(引用:厚生労働省「成年後見制度とは(ご本人・家族・地域のみなさまへ)」)

保証人不要の施設を選ぶ

老人ホーム入居の際に、保証人が不要な施設もあります。

いいケアネットでは「身元保証人相談可」という条件で検索すると、該当する施設が見つかります。

他にも、月額費用や看護体制を条件に設定できます。是非一度検索してみてください。

老人ホーム探しは「いいケアネット」

高齢者家賃債務保証制度を利用する

高齢者家賃債務保証制度を利用すると、保証人がいなくても入居できる施設があります。

「サービス付き高齢者向け住宅」は、高齢者家賃債務保証制度の対象になるため、制度の利用によって保証人がいなくても入居できます。

高齢者家賃債務保証制度とは、『高齢者や障がい者のような住宅確保要配慮者が、賃貸住宅に入居する際の家賃債務等を保証し、連帯保証人の役割を担うことで、賃貸住宅への入居を支援する制度』です。

ただし、すべての高齢者向け施設が対象ではありません。

高齢者家賃債務保証制度が利用できるのは、国土交通省が定める「住宅セーフティーネット制度」の対象となる建物です。

たとえば、「老人ホーム」は高齢者家賃債務保証制度の対象ではありません。

老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅の違いは、こちらのページを参考にしてください。

関連記事:はじめての高齢者施設ガイド 有料老人ホームとは

老人ホームの保証人を選ぶ際はリスクも説明してトラブル回避!

老人ホームの保証人選びは簡単ではありません。

条件に合う友人や知人を勝手に保証人にすると、金銭関係や契約関係のトラブル、ケガや事故の対応に関するトラブルなど、さまざまなトラブルの原因になるので絶対にやめてください。

もし、保証人を依頼する場合は役割やリスクをしっかり説明し、トラブルを回避しましょう。

保証会社探しや成年後見制度の申込は少々面倒だと思います。

しかし、後々思わぬトラブルで苦しまないように、しっかり手続きをしておきましょう。

まとめ|老人ホームの保証人に厳密な年齢制限はない!早めに親族や行政に相談しましょう

老人ホームの保証人に厳密な年齢制限はありません。保証人になるための条件は次の3つです。

  • 高齢過ぎない
  • 一定の収入がある
  • 親族が望ましい

保証人は金銭面の連帯保証や意思決定の代理をする大切な役割を担っています。

また、勝手に保証人を決めてしまうと大きなトラブルにつながるので、保証人がいない場合は保証会社や成年後見制度を活用してください。

保証人は老人ホームに入居する本人が安心して暮らすために必要ですが、見つからない場合は保証人不要の施設や高齢者家賃債務保証制度対象の施設を検討しましょう

保証人がいなくて困っている場合は、地域包括支援センターへ相談して自分たちに合った方法を探すのもおすすめです。

老人ホームの保証人についてよくあるQ&A

保証人になりたくない!拒否できる?

A1.老人ホームの保証人は強制ではありません。
条件や役割を理解し、自分には難しいと判断した場合は、しっかり相手に断りましょう。

保証人と成年後見人の違いは?

A2.保証人は老人ホーム入居費用の保証のような経済的に支援する役割を担い、老人ホーム入居者が選びます。

一方の成年後見人は法的な代理人として、判断能力が不十分な方を保護し、財産管理や生活支援を担当します。

どちらも老人ホーム入居者を支援する役割ですが、法的地位や責任を負う範囲が異なります。

この記事の監修者

いいケアネット事務局

突然倒れた、転んで頭を打ったなど、ご自身やご家族の介護を身近に感じるきっかけはそれぞれです。 いいケアネットでは、いざという時のために役立つ介護の知識や介護施設についてご紹介します。

あわせて読みたい記事