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【2024年改定】訪問介護の単位数と計算方法!料金を抑える方法も解説

2024年の介護報酬改定により、訪問介護サービスの単位数や料金体系が見直されました。訪問介護の利用を検討している方のなかには、「単位数とは何か」「利用にはどれくらいの料金がかかるのか」といった疑問を抱えている方もいるでしょう。

今回は、訪問介護における単位数の仕組みや計算方法について解説します。単位数の一覧とあわせて、自己負担額を軽減する方法もまとめているので、ぜひ参考にしてください。

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【2024年改定】訪問介護の単位数とは

訪問介護 単位数

訪問介護の単位数とは、介護保険サービスにおける費用計算の基本になる指標です。1単位あたりの金額は地域によって異なり、サービスの内容や時間に応じて単位数が決まります。

2024年の介護報酬改定では、介護職員の処遇改善やサービス内容の実態に合わせて一部の単位数が見直されました。単位数が変更すると、利用者の自己負担額が増減します。訪問介護サービスを賢く利用するためにも、制度や単位数について理解を深めておきましょう。

▼ 高齢者向けの訪問サービスの種類については、以下の記事で詳しく解説しています。

高齢者が利用できる訪問サービスとは?仕事内容や利用料金を解説

【2024年改定】訪問介護の単位数一覧

訪問介護 単位数

訪問介護における単位数は、サービスの内容ごとに細かく定められています。2024年の介護報酬改定では、身体介護や生活援助、通院等乗降介助などの基本サービスの単位数が調整されました。

単位数は利用する時間帯や回数によっても変動します。2024年の改定を踏まえ、訪問介護の単位数を基本報酬・減算・加算の3つに分類して見ていきましょう。

参考:厚生労働省『介護給付費等単位数サービスコード(令和6年4月施行版)』

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目次

基本報酬

訪問介護では、基本報酬として提供される身体介護や生活援助など、サービス内容と提供時間に応じた単位数が設定されています。

サービス内容・算定項目 単位数
身体介護 20分未満 163単位
20分以上30分未満 244単位
30分以上1時間未満 387単位
1時間以上 567単位に30分を増すごとに82単位を加算
生活援助 20分以上45分未満 179単位
45分以上 220単位
通院等乗降介助 1回につき97単位

※片道

身体介護引き続き生活援助をおこなった場合 所要時間が20分から起算して25分を増すごとに65単位を加算

※195単位を限度

減算

訪問介護では、一定の条件を満たさない場合に報酬が減額される減算制度があります。訪問介護における減算の種類は、以下のとおりです。

減算の種類 算定基準 算定内容
同一建物減算 事業所が同じ建物内に居住している利用者に対してサービス提供をおこなった場合に適用 所低単位数×90〜85/100(10〜15%減算)
高齢者虐待防止措置未実施減算 事業所が高齢者虐待防止のための体制を整えないままサービスを提供した場合に適用 所定単位数-1/100(1%減算)
業務継続計画未策定減算 事業所が業務継続計画(BCP)を策定しないままサービスを提供した場合に適用 所定単位数-1/100(1%減算)
共生型訪問介護をおこなう場合の減算 障害福祉サービス事業所が介護保険の訪問介護サービスを一体的に提供する場合に適用 所定単位数×93〜70/100(7〜10%減算出)

加算

一定の条件を満たす場合は、訪問介護の基本報酬に単位数が上乗せされます。代表的な加算の種類は、以下のとおりです。

加算の種類 算定基準 単位数
2人の訪問介護員等による場合 安全に身体介護をおこなうために2人以上必要な場合に適用 所定単位数×200/100(200%)
夜間・早朝または深夜の場合 夜間・早朝のサービス提供時に適用 所定単位数+25/100(25%加算)
深夜のサービス提供時に適用 所定単位数+50/100(50%加算)
初回加算 訪問介護サービスを新たに開始する場合に適用 1月につき+200単位
緊急時訪問介護加算 緊急対応としてサービス提供する場合に適用 1回につき+100単位
生活機能向上連携加算 訪問介護員と医療職(理学療法士や作業療法士など)が連携して支援する場合に適用 1月につき+100〜200単位
特定事業所加算 一定以上の介護サービス品質が認められる事業所を対象に適用 所低単位数+3〜20/100(3〜20%加算)
特別地域訪問介護加算 交通手段の確保が困難な特別地域でサービスを提供する場合に適用 所定単位数+15/100(15%加算)
中山間地域等における小規模事業所加算 中山間地域で小規模ながらも地域ニーズに応じたサービスを提供する場合に適用 所定単位数+10/100(10%加算)
中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算 交通事情などから訪問に時間や費用がかかる場合に適用 所定単位数+5/100(5%加算)
口腔連携強化加算 口腔ケアに取り組む体制が整っている事業所を対象に適用 1回につき+50単位

※1月に1回を限度

認知症専門ケア加算 認知症利用者に対して専門的な対応が可能な訪問介護員がサービスを提供する場合に適用 1日につき+3〜4単位

参考:厚生労働省『訪問介護』

訪問介護の単位数から料金を計算する方法

訪問介護 単位数

訪問介護の利用料金は、単位数に「地域区分別の単価」を掛け合わせ、その金額に利用者負担割合(1割〜3割)を乗じて計算されます。

たとえば、40分の身体介護(387単位)を1割負担で利用する場合、その地域の単価が10円であれば、以下の計算式になります。

  • 介護料金の利用料金=387単位×10円×10%

この場合、自己負担額は約387円です。実際には、加算や減算などが加味されるため、正確な金額を知るためにはケアマネジャーや事業所への確認が必要です。

訪問介護の料金相場は1カ月あたり10万円弱

訪問介護の料金は要介護度やサービスの利用頻度によって異なりますが、1カ月あたりの平均で8万円〜10万円程度が目安とされています。厚生労働省が令和4年に実施した調査によると、1人1月あたりの平均利用額は約8.5万円でした。過去15年間で2万円以上増加しており、今後は10万円近くまで上昇する可能性もあります。

訪問介護を利用する際は、単位数や料金の内訳を把握しておくと、必要なサービスの見直しがしやすくなるでしょう。

なお、いいケアネットでは、限られた予算内でより良い介護環境を探している方のために「入居無料相談」を受け付けています。訪問介護を利用しながら老人ホームへの入居を検討している方は、ぜひ気軽にご相談ください。

参考:厚生労働省『訪問介護』

訪問介護の料金を抑える方法

訪問介護 単位数

訪問介護にかかる利用料金を抑えるためには、公的支援制度の活用がおすすめです。以下の制度を活用すると、訪問介護の自己負担額を抑えられます。

  • 高額介護サービス費制度
  • 高額医療・高額介護合算制度
  • 利用者負担軽減制度

それぞれ詳しく見ていきましょう。

高額介護サービス費制度の支給を受ける

高額介護サービス費制度とは、1カ月あたりの自己負担額が一定の上限を超えた場合、超過分が払い戻される仕組みです。課税世帯で月額37,200円、非課税世帯で24,600円など、所得に応じて異なる利用者負担上限額が設定されています。

高額介護サービス費制度の支給を受けるためには、自治体に申請をおこなう必要があります。高齢者世帯や低所得の方にとって、訪問介護にかかる負担を減らす有効な支援策だといえるでしょう。

参考:国税庁『5 高額介護(居宅支援)サービス費(介護保険法51、61)』

高額医療・高額介護合算制度を活用する

高額医療・高額介護合算制度は、同一世帯内での医療費と介護費の自己負担額を合算し、年間で定められている限度額を超えた分が払い戻される仕組みです。限度額は所得区分によって異なり、申請時には介護保険者と医療保険者の双方への手続きが必要です。

とくに、医療と介護の両方にかかる支出が多い場合に、経済的負担を減らせるメリットがあります。

参考:厚生労働省『高額医療・高額介護合算療養費制度について』

利用者負担軽減制度を利用する

利用者負担軽減制度は、住民税非課税世帯や生活保護受給者などを対象に、訪問介護の自己負担割合を軽減する制度です。利用者負担軽減制度を利用すると、負担額の25%(老齢福祉年金受給者は50%)をサービス提供事業所に軽減してもらえます。

自治体が窓口となり申請を受け付けているので、制度の利用については市区町村の福祉課やケアマネジャーに相談しましょう。利用者負担軽減制度は、訪問介護を利用する経済的負担を減らすための心強い制度だといえます。

▼ 高齢者向けの訪問サービスの種類については、以下の記事をご覧ください。

家族の介護でもらえるお金は?ジャンル別に9つの制度を解説

参考:厚生労働省『社会福祉法人等による利用者負担軽減制度について』

単位数の算出方法を理解して訪問介護を利用しよう【まとめ】

訪問介護 単位数

訪問介護は、提供されるサービスの内容や時間に応じて単位数が設定されています。単位数は訪問介護の利用料金を算出するための基準になる指標です。単位数や利用料金の算出方法について理解を深めておくと、状況に合わせた最適なサービスの利用や無理のない費用計画を立てやすくなります。

訪問介護の利用にあたって自己負担額が気になる場合は、公的支援制度の活用がおすすめです。制度の利用には一定の条件が設けられているほか、申請手続きが必要になるため、困ったときは自治体の窓口やケアマネージャーなどに相談しましょう。

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