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部屋が狭いと介護ベッドは使えない?選び方とレイアウトのポイントを解説

部屋が狭いと介護ベッドは使えない?選び方とレイアウトのポイントを解説

高齢者の介護において、介護ベッドの選択は重要な課題です。特に部屋が狭い場合、適切な介護ベッドの選び方やレイアウトに悩むことが多いでしょう。しかし、工夫次第で狭いスペースでも快適な介護環境を整えることができます。

この記事では、狭い部屋での介護ベッドの選び方や効果的なレイアウトについて詳しく解説します。

この情報を参考にすることで、限られたスペースでも効率的で快適な環境を整え、大切な家族により良い介護を提供するための知識を得られるでしょう。

目次

狭い部屋に介護ベッドを置くための基本知識

介護ベッドは、要介護状態の高齢者の生活をサポートする重要な家具です。しかし、狭い部屋に置く場合、適切な選択と配置が必要になります。ここでは、介護ベッドを狭い部屋に置く際の基本的な知識として、以下のポイントを解説します。

  • 普通のベッドと介護ベッドの違い
  • 介護ベッドのサイズと種類

それぞれ詳しく見ていきましょう。

普通のベッドと介護ベッドの違い

介護ベッドは、要介護者が安全かつ快適に過ごすために設計された特別なベッドです。普通のベッドとの大きな違いは、電動で背もたれや足の角度、高さを調整できる点にあります。これにより、食事や排泄、起き上がりなどの動作が楽になり、介護者の負担も軽減されます。

また、介護ベッドには手すりやサイドレールが取り付けられるので、転落防止にも役立ちます。介護ベッドは幅が狭くなっているのも特徴的です。一般的なシングルベッドの幅が約100cmであるのに対し、介護ベッドは83cmや91cmが標準的なサイズとなっています。

普通のベッドは主に睡眠や休息を目的としているのに対し、介護ベッドは生活の場としての機能も重視されていると言えるでしょう。

介護ベッドのサイズと種類

介護ベッドを選ぶ際は、サイズと種類を慎重に検討することが大切です。狭い部屋に置く場合は特に、適切なサイズ選びが重要になります。

まず、ベッドの幅については、83cm・91cm・100cmの3種類があります。83cm幅は最もコンパクトで、狭い部屋に最適ですが、自力で寝返りを打つことが難しい方向けです。91cm幅は最も一般的で、自力での寝返りが可能な方に適しています。100cm幅は一般のシングルベッドと同じ幅で、大柄な方に向いていますが、介護には少し広すぎる場合もあります。

ベッドの長さについては、180cm(ミニ)・191cm(レギュラー)・205cm(ロング)の3種類が基本です。利用者の身長に合わせて選びましょう。例えば、身長150cm未満の方にはミニサイズ、150cm以上176cm未満の方にはレギュラーサイズがおすすめです。

モーターの種類も重要な選択ポイントです。1モーター・2モーター・3モーターの3種類があり、機能が増えるほど調整の自由度が高くなります。例えば、ほぼ自立している場合は1モーターで十分ですが、起き上がりに介助が必要な場合は2モーター以上がおすすめです。

介護ベッドの選択は、利用者の状態や部屋の広さ、介護者の負担など、様々な要素を考慮する必要があります。地域包括支援センターやケアマネージャーに相談しながら、最適な介護ベッドを選びましょう。

部屋が狭くても使える介護ベッドの選び方

部屋のスペースが限られている場合、適切なベッドを選ぶのは難しく感じるかもしれません。ここでは、狭い部屋でも使いやすい介護ベッドの選び方について、以下のポイントを解説します。

  • コンパクトかつ安全な介護ベッドを選ぶ
  • 狭い部屋に適した折りたたみ式介護ベッドを選ぶ
  • 部屋が狭くても乗り降りしやすい介護ベッドを選ぶ

それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。

コンパクトかつ安全な介護ベッドを選ぶ

狭い部屋でも使える介護ベッドを選ぶ際、コンパクトさと安全性のバランスが重要です。

具体的には、ベッドの柵の高さや強度、マットレスの滑り止め機能などを確認しましょう。また、ベッドの組み立てやすさや、移動のしやすさも考慮すると良いでしょう。電動ベッドの場合、コントローラーの位置や使いやすさも考慮する必要があります。

ただし、狭すぎると寝返りがうちにくくなったり、介護者の作業スペースが確保できなくなったりする可能性があるため注意が必要です。高齢者の体格や介護の必要度に応じて、適切なサイズを選びましょう。

狭い部屋に適した折りたたみ式介護ベッドを選ぶ

折りたたみ式の介護ベッドは、狭い部屋で特に重宝します。使わない時は折りたたんで収納できるため、限られたスペースを有効活用できるのが大きな魅力です。

一般的な折りたたみ式介護ベッドは、折りたたむと厚さが約30〜40cmになります。これにより、日中は部屋を広く使え、夜間のみベッドとして利用できます。また、掃除や模様替えの際にも便利です。

ただし、折りたたみ式ベッドは通常のベッドに比べて安定性が劣る場合があります。購入前に実際に触れて、安定性や使いやすさを確認するとよいでしょう。

部屋が狭くても乗り降りしやすい介護ベッドを選ぶ

狭い部屋でも、高齢者が安全に乗り降りできるベッドを選ぶことが重要です。介護ベッドは、高さ調整ができるものを選びましょう。

高さ調節機能付きのベッドを選べば、利用者の身長や状態に合わせて最適な高さに設定できます。また、ベッドの端に腰かけやすいよう、マットレスの端がしっかりしているものを選びましょう。

さらに、サイドレールや手すりも必要です。これらは転落防止だけでなく、立ち上がりや起き上がりの際に支えになります。つかまっても不安定にならないよう、しっかり取り付けられているかも重要なチェックポイントです。

以上のポイントを押さえて、狭い部屋でも使いやすく、安全な介護ベッドを選びましょう。

関連記事:介護ベッドの購入・レンタル|補助金はもらえる?費用負担の少ない導入方法を解説

関連記事:『介護ベッドの選び方は?購入時に見極めるポイント5選』

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狭い部屋での介護がしやすいレイアウトのポイント

狭い部屋での介護がしやすいレイアウトのポイント

狭い部屋で介護をする際、適切なレイアウトは非常に重要です。限られたスペースを最大限に活用し、介護する側もされる側も快適に過ごせる環境を作ることが大切です。ここでは、狭い部屋での介護がしやすいレイアウトについて、以下のポイントを解説します。

  • 介護ベッドを置く最適な部屋の選び方
  • 狭い部屋での介護ベッドの理想的な配置
  • 部屋が狭くても介護しやすい家具の配置を考える
  • 必要に応じて介護リフォームも検討する

それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。

介護ベッドを置く最適な部屋の選び方

介護ベッドを置く部屋の選択は、快適な介護生活の第一歩です。理想的な部屋は、トイレに近く、換気がしやすく、できれば1階にあることが望ましいでしょう。

高齢者の方は頻繁にトイレに行く必要があるため、トイレまでの距離が短いことで移動の負担を軽減し、トイレ利用時の転倒リスクを減らせます。

また、換気のしやすさは衛生面において重要です。特に、ポータブルトイレを使用する場合は、においの問題を軽減できます。

1階の部屋を選ぶ理由は、階段の昇り降りによる危険を避けるためです。転倒のリスクが高まる階段の使用を最小限に抑えることで、安全性が大幅に向上します。

部屋を選ぶ際は、これらの条件を可能な限り満たす場所を探しましょう。完璧な部屋がない場合でも、条件の優先順位をつけて最適な選択をすることが大切です。

狭い部屋での介護ベッドの理想的な配置

狭い部屋での介護ベッドの配置は、限られたスペースを最大限に活用することが鍵となります。理想としては、ベッドの両側にスペースを確保することが望ましいです。

ベッドの両側にスペースがあると、介護者が両側から介助できるため、ケアがしやすくなります。例えば、体位変換や着替えの際に、介護者が動きやすくなり、負担が軽減されます。

ポータブルトイレを使用する場合は、ベッドのすぐ横に設置することをお勧めします。夜間にトイレに行く際、すぐに座れる位置にあることで、転倒のリスクを減らせます。

また、ベッドの向きも重要です。窓からの光が直接顔に当たらないよう、また、ドアが見える位置に頭を向けるなど、快適さと安全性を考慮した配置を心がけましょう。

関連記事:『ポータブルトイレについて|種類・選ぶポイント・使い方』

部屋が狭くても介護しやすい家具の配置を考える

狭い部屋で介護をする際、家具の配置は慎重に考える必要があります。まずは、不要な物を減らすことから始めましょう。物を減らすことで、意外と部屋が広く感じられることがあります。

歩行スペースの確保は特に重要です。ふらつきがある場合、十分な歩行スペースがあることで転倒のリスクを減らせます。例えば、ベッドからトイレまでの動線を確保し、その間に障害物を置かないようにします。

物を捨てることに抵抗がある場合は、別の方法を考えてみましょう。例えば、友人にあげる、フリマアプリやリサイクルショップで売るなどして、誰かに使ってもらうという選択肢もあります。

また、必要な家具は壁際に寄せるなど、中央のスペースを広く取るレイアウトを心がけましょう。これにより、介護者の動きやすさも確保できます。

必要に応じて介護リフォームも検討する

介護がしやすい環境を整えるために、介護リフォームを検討するのも一つの選択肢です。介護リフォームでは、手すりの設置や段差の解消、滑り止め床材の使用など、安全性と利便性を高める工事が可能です。

例えば、トイレまでの動線上の壁に沿って手すりを設置することで、自立歩行をサポートし、転倒リスクを減らせます。また、部屋とトイレの間の段差をなくすことで、つまずきを防ぎます。

介護リフォームは費用がかかると思われがちですが、実は介護保険の補助金を利用できます。最大20万円まで補助が出る可能性があるので、経済的な負担を軽減できるでしょう。

介護リフォームを検討する際は、ケアマネージャーや地域包括支援センターに相談し、補助金の条件や申請方法などについて詳しい情報を得ることをお勧めします。状況に応じて必要な改修を行い、より安全で快適な介護環境を整えましょう。

参考:厚生労働省『介護保険における住宅改修

関連記事:『「手すり」が介護保険適用?保険の概要や支給条件について』

【まとめ】部屋が狭くても工夫次第で介護ベッドは使える

部屋が狭くても介護ベッドの導入は工夫次第で実現可能です。コンパクトなベッドや折りたたみ式のベッドを選ぶ、ベッドの高さを調整できる機能を活用する、手すりなどを設置して安全性を確保するなど、さまざまな工夫があります。

また、ベッドの配置や家具の配置にも配慮することで、狭い部屋でも介護しやすい環境を整えることができます。トイレや窓の位置、歩行スペースなどを考慮して、最適なレイアウトを考えましょう。

さらに、介護リフォームも選択肢の一つです。介護保険の補助金制度を活用しながら、手すり設置や段差解消など、より安全で快適な住環境を実現することも可能です。

まずは、ご家族の状況や部屋の環境に合わせた最適な方法を見つけるために、ケアマネージャーや地域包括支援センターなどに相談してみましょう。安心して介護ができる環境を整えるために、できることから始めていきましょう。

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この記事の監修者

いいケアネット事務局

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