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老人ホームへお菓子の差し入れはOK?選び方やおすすめの差し入れも解説

老人ホームに入居する家族への差し入れとして、本人が好む「お菓子」を検討する方は多くいます。

しかし、老人ホームの中には、食品の持ち込みに関して厳しくルールを定めているところが少なくありません。

たとえば、冷蔵保存が必要な生ものや日持ちしない手作り品を持ち込み禁止とする施設もあります。

高齢者は嚥下機能の低下やアレルギーなど、健康面で配慮すべきポイントが多く、施設側が差し入れに対して慎重な姿勢をとるのも当然です。

そこで本記事では、差し入れの際に注意すべき施設ルールや、おすすめのお菓子の種類、さらにお菓子以外の差し入れアイデアをわかりやすく紹介します。

思いやりをもって差し入れを選び、入居者の方に喜ばれるプレゼントを届けましょう。

老人ホームでお菓子を差し入れできるかは施設のルール次第

老人ホームは飲食物の持ち込みが全面禁止のところもあれば、常温で保存できる既製品ならOKとする施設もあり、施設によって差し入れルールはさまざまです。

入居者の健康管理や衛生面を優先するためにルールが細かく定められているケースが多く、まずは施設の規定を確認しましょう。

具体的に、どのような差し入れルールが定められがちなのかを紹介します。

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目次

飲食物の差し入れは老人ホームごとのルールに従えばOK

老人ホームへの差し入れは、たとえば「冷蔵・冷凍が必要な食品は原則禁止」や「賞味期限が3日以下の生鮮食品や手作りの食品はNG」といった制限があるのが一般的です。

また、未開封・密閉パッケージであることや、常温保存が可能であることを必須条件とする施設も少なくありません。

施設によってアレルゲン情報を事前に申告する必要があったり、面会時にその場で食べてもらう場合だけ差し入れを許可したりと、さまざまなケースがあるため、必ず事前にルールを確認してください。

加えて、栄養士や施設責任者の確認が必要になる場合もあり、個人の健康状態によっても持ち込み可否は変わります。

お菓子を差し入れる際には、入居している老人ホームのルールをしっかり確認し、スタッフの許可を得た上で持参しましょう。

施設側も安全確保のために厳格な基準を設けているため、ルールを守りつつ、入居者の喜ぶ差し入れを考えることがポイントです。

一部の差し入れが禁止の理由は入居者の健康維持のため

刺身やお寿司、生卵など食中毒リスクが高い生ものは、入居者の健康を守るため、多くの施設で差し入れ禁止となっています。

入居者の好みだからと自宅で調理した食品でも、衛生管理が不透明な点から断られる場合が少なくありません。

また、開封済みや賞味期限ギリギリの商品に関しても、食品の傷みや菌の繁殖を考慮して制限する施設がほとんどです。

老人ホームにはアレルギーや嚥下機能の問題を抱える入居者も多いため、施設側は個々の状態を踏まえて提供可否を判断します。

関連記事:肺炎による高齢者の死亡原因第1位は「誤嚥性肺炎」

老人ホーム入居者への差し入れでおすすめなお菓子の選び方

老人ホームに限らず、お菓子の差し入れは、ちょっとした楽しみや気分転換として喜ばれることが多いものです。

ただし、入居者が喜ぶものだけに絞って選ぶのではなく、相手の体調や悩みに合ったものを選ぶ必要があります。

ここでは、安全面や口当たりなどを考慮したおすすめのお菓子を紹介します。

低糖質や無糖のお菓子

高齢者の中には糖尿病や血糖値コントロールの必要がある方も多いため、甘さを感じるけれども低糖質や無糖のお菓子は重宝されます。

近年では、おからを使った焼き菓子や糖質オフのチョコレートなど、甘みを楽しみながらも血糖値の急上昇を抑えられる商品が増えており、選択肢は豊富です。

甘いお菓子が好きなのに制限される生活は、どうしてもストレスが溜まります。糖質オフなど、甘いお菓子を制限すべき理由を解消したお菓子の差し入れをすれば、入居者の緩和につながります。

柔らかいまたは口溶けが良いお菓子

高齢者の中には、歯やあごの力が弱くなっていたり、嚥下機能が低下している方もいます。

食事をする上で制限がある場合、硬いおせんべいやナッツ類は誤って気道に飲み込む”ごえん”や喉に詰まるリスクが高く、避けた方が無難です。

代わりにプリンやゼリー、ムースなど、口当たりがよく飲み込みやすいものを選ぶと、入居者も安心して食べられます。

食感や味のバリエーションが豊富な柔らかいお菓子は、食べること自体が楽しみになり、高齢者の満足感を高めるため、おすすめです。

参考:介護食用の梅干しを開発―紀州田辺うめ振興協議会

小分けにされていて賞味期限が長いお菓子

老人ホームでは、入居者の体調や食欲に合わせてスタッフが少しずつ提供する手法が一般的です。

その日の体調に合わせて提供可否を決めるため、個包装で賞味期限が長いお菓子が老人ホームでは重宝されます。

たとえば、小分けになっているチョコやクッキー、ウエハースなどは多くの施設で受け取ってもらいやすい傾向です。

小分けのお菓子は開封するタイミングを調整しやすく、衛生面でも安全に提供しやすくなっています。

施設側も管理しやすく、入居者も「今日は何を食べられるかな」と考える楽しみが増えるため、お菓子の差し入れ品として有力です。

老人ホーム入居者への差し入れでお菓子以外のおすすめ3選

お菓子だけでなく、趣味用品やお気に入りのグッズなども差し入れとして喜ばれます。

高齢者が自分のペースで楽しめる娯楽品や快適性を高める日用品は、日々の生活を豊かにする上で大きなポイントです。

実際にどんなものが喜ばれるのか、以下に具体例を3つにわけて紹介します。

本や雑誌、クロスワード、手芸用品など暇をつぶせる物

読書やパズル、手芸などは、集中力や認知機能を刺激しながら退屈を紛らわせる絶好の手段です。

クロスワードやナンプレなどのパズル系は、ゲーム感覚で取り組めるだけでなく、頭の体操にもなり、認知症予防の一助となる可能性があります。

また、手芸用品や塗り絵なども人気が高く、できあがった作品をほかの入居者やスタッフと見せ合うことで会話の種になりやすいです。

関連記事:おじいちゃん・おばちゃんと遊ぼう!みんなで楽しめる遊び9選

入居者が好きなぬいぐるみやブランケット

入居者にとってなじみのあるぬいぐるみや、人肌の温もりを感じやすいブランケットなどは、精神的な安心感やリラックスを与えるグッズです。

とくに、環境の変化が大きい入居直後は不安になりがちですが、好きなキャラクターのぬいぐるみや肌触りの良いブランケットがあるだけで“わが家”のように感じ、安心感を得やすくなります。

さらに、香りや触感が好みのものであれば、心を落ち着かせる効果がさらに高まります。

パジャマ、靴下、タオル、ハンカチなど衣類・日用品

衣類や日用品は、老人ホームでの生活で欠かせない実用的なアイテムです。

たとえば、前開きのパジャマや伸縮性のある肌着は、着る本人も負担が少なく済みます。

靴下やタオル、ハンカチなどは使っているうちに汚れたり、くたびれたりしやすい消耗品なので、喜ばれやすいグッズです。

また、季節に合った素材や肌に優しい生地を選ぶと、快適に過ごしてもらいやすくなります。

老人ホームの家族にお菓子を差し入れる際は施設に事前確認が必須

老人ホームに入居する家族へお菓子などを差し入れる場合は、まず施設への事前確認を徹底してください。

紹介したように、生ものや手作り食品、冷蔵保存が必要なアイテムは基本的に持ち込みNGというルールがある施設が多い一方、事前に栄養士や責任者と相談すれば差し入れできるケースも存在します。

また、入居者本人の体調やアレルギー、飲み込む機能の低下などにも配慮が必要です。安全性を確保するために職員が検品を行う制度を設けている施設も必然的に多くなります。

差し入れを通じて老人ホームに入居する家族の楽しみやリフレッシュを支えたいのであれば、施設の規定を尊重しながら、適切なお菓子や物品を選びましょう。

この記事の監修者

いいケアネット事務局

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