高齢者と子どもの交流は、世代を超えた理解と絆を深める貴重な機会です。しかし、何をして一緒に楽しむか迷うこともあるでしょう。
高齢者と子どもの交流でおすすめの遊びは、体を動かすゲームや知恵を絞るパズル、ふれあいを大切にしたアクティビティなどです。
本記事では、高齢者と子どもが一緒に楽しめる遊びを10種類紹介します。
記事を読めば、高齢者と子どもたちが楽しいひとときを過ごせる遊びを知り、心身の健康を促進や世代間のコミュニケーションの大切さも学べるでしょう。
高齢者と子どもが交流できる遊び10選
高齢者と子どもが交流できるおすすめの遊びは、以下10個です。
- お手玉
- かるた
- すごろく
- オセロ
- おりがみ
- 手作りボーリング
- ジェンガ
- 手作り輪投げ
- トランプ
- 手遊び
高齢者と子どもが一緒に遊ぶ際、遊びを選ぶときのコツは「簡単で誰でも楽しめること」が重要です。年齢や体力差を考慮し、ルールがシンプルで負担の少ない遊びを選びましょう。
たとえば、昔ながらの遊びや懐かしい歌遊び、簡単な手遊びなどは、両世代にとって親しみやすくおすすめです。また、道具が必要な場合は安全面を確認し、誤飲やケガにつながらないものを使うのがポイントです。さらに、子どもが高齢者の話に興味を持てる「会話型の遊び」も交流を深める効果があります。
1.お手玉
お手玉は、昔から親しまれてきたシンプルながら楽しい遊びです。おじいちゃんやおばあちゃんと一緒に遊ぶのにぴったりで、手先を使うことで脳の活性化にも効果があります。遊び方は、いくつかのお手玉を使い、手でキャッチしては投げるというシンプルなものですが、年齢に合わせて難易度を調整することができます。
たとえば、初めてのお子さんには軽いお手玉を使い、少し難易度を上げたいお年寄りには手のひらに何個か重ねて投げるなど工夫が可能です。お手玉を使った遊びは、親子や祖父母と孫が一緒に楽しめるだけでなく、笑いながら体を動かし、心も温まる素晴らしい交流の場となります。
【お手玉のメリット】
・手先の器用さと指の筋力を鍛える ・バランス感覚と身体の柔軟性 ・認知機能の向上 |
2.かるた
かるたは、みんなで楽しめる伝統的な遊びです。おじいちゃんやおばあちゃんと一緒に遊ぶことで、昔ながらの文化に触れながら楽しいひとときを過ごせます。かるたには「百人一首」や「いろはかるた」など、いくつかの種類がありますが、年齢に応じて選べるので、どの世代でも楽しめます。
たとえば、おじいちゃんやおばあちゃんと一緒に「いろはかるた」を遊べば、文字や言葉を覚える効果もあり、認知症予防にもつながるかもしれません。また、かるたは視覚や反射神経を使うため、脳の活性化にも効果的です。負けても笑いながら楽しむことができ、勝ち負けにこだわらず、みんなで一緒に過ごすことができるので、家族の絆を深める素敵な時間となります。
【かるたのメリット】
・コミュニケーションの促進 ・集中力と反射神経の向上 ・文化的な学びを得る |
3.すごろく
すごろくは、シンプルな楽しいボードゲームで、おじいちゃんやおばあちゃんと一緒に遊ぶのにぴったりです。
サイコロを振ってコマを進めるだけなので、ルールも簡単で、子どもから大人までみんなで楽しめます。
すごろくには、運だけでなく、戦略を考えながら進む楽しさもあるため、高齢者と子どもが一緒に競い合うのに最適です。また、一緒に遊ぶことで、コミュニケーションも深められるでしょう。
すごろくは、記憶力や判断力を使うため、高齢者にとっては脳の活性化にも役立つと言われています。とくに、プレイヤーが協力して進むタイプのすごろくを選べば、負けても楽しさを共有でき、笑い合いながら過ごすことができます。おじいちゃんやおばあちゃんと一緒に過ごす楽しい時間を作るために、すごろくはおすすめの遊びです。
【すごろくのメリット】
・ストーリー性と創造力を楽しむ ・協力と競争を学べる ・柔軟なプレイが可能 |
4.オセロ
オセロは、シンプルながらも戦略的な楽しさが詰まったボードゲームで、おじいちゃんやおばあちゃんと一緒に楽しむのにぴったりです。
白と黒の石を交互に置いていき、自分の色で相手の石を挟むことでひっくり返すルールは、年齢を問わず簡単に理解できます。ゲームが進むにつれて、相手の動きを予測しながら石を置くため、思考力や集中力を高められるでしょう。
とくに高齢者にとっては、脳の活性化にもつながり、記憶力や判断力の向上にも役立ちます。
オセロは、じっくりと考えながら進めることができるため、ゆっくりと対戦するのに適しており、コミュニケーションも自然に生まれます。
負けても悔しさを次の勝利に活かし、楽しみながら一緒に時間を過ごすことができる素晴らしいゲームといえるでしょう。
【オセロのメリット】
・自分のペースで楽しめる ・集中力の向上 ・子どもから高齢者までルール把握が容易 |
5.おりがみ
おりがみは、シンプルな折り方から複雑なデザインまで楽しめる創造的な遊びで、おじいちゃんやおばあちゃんと一緒に過ごす時間を豊かにしてくれます。
手先を使うことで、指先の器用さや集中力を高め、年齢に関わらず誰でも楽しめるのが魅力です。
基本的な折り紙の形からスタートし、徐々に動物や花、乗り物などにチャレンジすることで、達成感も味わえます。
おりがみは、完成した作品を家族に見せる楽しさもあり、共に成し遂げる喜びを感じられる活動です。
また、じっくり時間をかけて進めるので、会話をしながらお互いにリラックスできるのも大きな魅力といえます。おりがみを通じて、コミュニケーションを深め、心温まる時間を過ごすことができるでしょう。
【おりがみのメリット】
・世代間のコミュニケーション促進 ・自己表現の手段 ・生活の中で活用できる |
6.手作りボーリング
手作りボーリングは、簡単に自宅で楽しめる遊びで、おじいちゃんやおばあちゃんと一緒に盛り上がることができます。
必要なものはペットボトルや空き缶、そしてボールのみなので手軽にできるのも魅力です。
ペットボトルには少し重さを加えたり、カラフルなテープで飾ったりして、オリジナルのピンを作りましょう。ボールは柔らかいものを使えば、室内でも安心して遊べます。
ボーリングは体を動かしながら楽しむので、軽い運動にもなり、おじいちゃんやおばあちゃんの体力づくりにも効果的です。さらに、投げる力を調整したり、得点を競ったりすることで、集中力や手先の器用さも養えます。
【手作りボーリング】
・簡単で準備が楽 ・身体を使った運動 ・手先の器用さを鍛える |
7.ジェンガ
ジェンガは、積み上げられた木のブロックを一つずつ抜き取っていき、倒さないように注意深く積み上げるゲームです。
おじいちゃんやおばあちゃんと一緒に遊ぶことで、手先の器用さや集中力を鍛えながら楽しめます。ゲームの進行はシンプルで、年齢に関係なく参加しやすいので、家族全員で盛り上がることができます。とくに、ゆっくりと慎重にブロックを抜き取るおじいちゃんやおばあちゃんの姿は、ほっこりとした気持ちにさせてくれます。
また、倒れる瞬間のドキドキ感も、みんなで笑い合える楽しい瞬間となります。ジェンガは、体力をそれほど必要とせず、軽い運動にもなるため、高齢者にも無理なく楽しんでもらえる遊びです。ゲームを通して、親子や孫との絆を深める素敵な時間を作りましょう。
【ジェンガ】
・認知機能の向上 ・手先の器用さを鍛える ・競争と達成感 |
8.手作り輪投げ
手作り輪投げは、家にある簡単な材料で作れます。
ペットボトルや空き缶を立て、その上に輪っかを投げ入れるシンプルなルールで、家族みんなで遊べます。おじいちゃんやおばあちゃんと一緒に作る過程も楽しめるでしょう。
たとえば、ペットボトルを飾ったり、輪っかをデコレーションしたりすることで、創造性を発揮できます。実際に遊ぶときは、距離や投げ方を調整し、高齢者でも無理なく参加できるように工夫しましょう。
また、投げることで腕を使う軽い運動にもなり、体力を維持するのにも役立ちます。
輪投げを通じて、おじいちゃんやおばあちゃんと楽しみながら、子どもたちも体を動かすことができるので、家族全員が笑顔になれる遊びといえるでしょう。
【手作り輪投げのメリット】
・体を動かしながら楽しむ ・集中力と認知機能の向上 ・創造性を育む |
9.トランプ
トランプは世代を超えて楽しめるクラシックなゲームです。
おじいちゃんやおばあちゃんと一緒に遊べば、懐かしい思い出を語りながら楽しい時間が過ごせます。
カードゲームは記憶力や戦略を使うため、頭の体操にもぴったりです。シンプルな「神経衰弱」や「大富豪」、少し難しい「ポーカー」や「ババ抜き」など、年齢に応じたゲームを選ぶことができます。
おじいちゃんやおばあちゃんが若い頃に遊んだトランプゲームを教えてもらえるのも魅力の1つです。
また、トランプを使ったゲームは、対話を楽しみながら進めるため、心温まる時間を過ごすことができます。
体を動かさなくても十分楽しめるので、高齢者にも優しい遊びといえるでしょう。
【トランプのメリット】
・認知機能の向上 ・社会性の育成 ・簡単に準備できる |
10.手遊び
おじいちゃんやおばあちゃんと一緒に楽しめる手遊びは、簡単で心温まる時間を共有できる遊びです。手のひらを使ってリズムを取ったり、動かしたりするシンプルな遊びで、世代を超えて楽しめます。
たとえば、手拍子を合わせて「グーチョキパー」や「じゃんけん」などをすることで、楽しくコミュニケーションを取ることができます。
また、おじいちゃんやおばあちゃんが子どもの頃からの手遊びを教えてくれることもあります。子どもたちにとって新しい経験となり、高齢者と一緒に笑顔を交わす素敵な瞬間になるでしょう。
体を動かすことが少なくても楽しめ、心と体のリラックスにもつながります。
【手遊びのメリット】
・手指の運動になる ・世代を問わず楽しめる ・交流を自然に生む |
高齢者と子どもが交流・遊びをする5つの効果・メリット
高齢者と子どもが一緒に遊ぶことで、多くのメリットがあります。具体的には以下の5つです。
- 高齢者の生きがいづくり
- 子どもの社会性の向上
- 認知症予防や心身の健康維持
- 高齢者施設や保育園の取り組みを充実させる
- 世代間の理解を深める
遊びを通じて心身の健康が促進されるだけでなく、世代を超えた絆が深まるでしょう。本章を参考に、高齢者と子どもが交流できる機会を検討してみてください。
高齢者の生きがいづくり
高齢者は子どもたちと交流することで、生きがいや生活の張り合いを感じられます。
子どもたちのエネルギッシュな姿を見ることで、心が温かくなり、日々の生活に新たな意義を見出すことができるでしょう。
また、自分自身の過去の経験や知識を子どもたちに伝えることで、自己肯定感や達成感を得られ、孤独感の軽減にもつながります。
高齢者と子どもの交流は、精神的な充実感を高め、前向きな生活をサポートするといえるでしょう。
子どもの社会性の向上
子どもたちが高齢者と交流することは、優しさや思いやりを学ぶ大きなチャンスです。
異なる世代の人々と交流を通して、子どもの社会的な柔軟性や他者を尊重する心を養えるでしょう。生活の中で必要となる対話力や協調性を自然に学ぶきっかけになり、社会性を養う上で非常に効果的です。
また、年長者との対話を通じて、子どもたちは生活の知恵や過去の経験を学び、豊かな人間性を育むこともできます。
認知症予防や心身の健康維持
高齢者にとって、子どもと共に過ごす時間は、認知症予防に効果的です。
子どもたちとの会話や遊びは、高齢者の脳を活性化させ、記憶力や認知機能を維持する助けとなるでしょう。
また、子どもたちの無邪気で元気な姿は、高齢者にポジティブな感情を引き出せるため、ストレスの軽減も期待できます
手を動かしたり話をしたりといった活動は、身体的な健康にも影響します。互いに支え合いながら交流することが、心身の健康維持に役立つでしょう。
高齢者施設や保育園の取り組みを充実させる
高齢者と子どもの交流活動は、老人ホームや保育園など施設内のプログラムを充実させる良い機会といえます。
高齢者は子どもたちと遊んだり教えたりすることで活気を得られ、子どもたちは思いやりや礼儀を学びます。
このような活動を取り入れることで、施設の雰囲気が明るくなり、利用者の満足度向上にもつながるでしょう。
また、地域との連携が深まり、施設の価値を高めることにもつながります。
世代間の理解を深める
異なる世代との交流は、価値観の違いを理解し合うきっかけとなります。
子どもたちは高齢者の経験や考え方に触れることで、社会全体への理解が深まるでしょう。
また、現代の子どもたちが育っている環境や価値観に触れることで、高齢者が新たな視点や考え方を学ぶ機会になるかもしれません。
これにより、世代間のギャップが縮まり、社会全体の調和や絆の強化につながります。
高齢者と子どもが日常的に交流できる施設は「幼老複合施設」
「幼老複合施設」は、高齢者施設と保育施設を一体化させた新しい形態の施設です。
異なる世代が日常的に交流できるのが特徴で子どもたちと高齢者が相互に学び合い、支え合える環境といえます。
少子高齢化が進む日本において、この「幼老複合施設」は、地域共生社会を実現するために重要な役割を果たすといえるでしょう。
幼老複合施設や、子どもたちとの交流イベントが盛んな盛んな老人ホームを探すなら「いいケアネット」がおすすめです。
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高齢者と子どもが交流するときの注意点
高齢者と子どもの交流は、双方にとって大きなメリットがありますが、世代の違いから注意すべきポイントもあります。具体的には以下の点に注意しましょう。
- 体力差を考慮する
- 安全面に配慮する
- 思い出作りを意識する
ここでは、交流の際に気を付けたいポイントを具体的にご紹介します。
お互いが楽しく、安心して交流できる場を作るために、事前に注意点をしっかり確認しておきましょう。
体力差を考慮する
高齢者と子どもが交流する際には、体力差を十分に考慮することが重要です。
子どもたちは元気で活発に動き回る一方で、高齢者は体力や健康状態に個人差があります。
高齢者が無理のないペースで楽しめる活動や遊びを取り入れ、負担がかかりすぎないようにしましょう。ってできるゲームや、リラックスして楽しめるものがおすすめです。
安全面に配慮する
高齢者と子どもの交流では、安全面に十分な配慮が必要です。
高齢者は転倒や怪我のリスクがあるため、滑りにくい床や危険な物がないことを確認し、安全な環境を整えることが大切です。
また、遊びの内容も高齢者の健康状態に合わせて選び、過度な負荷を避けるようにしましょう。
子どもたちに対しても、過剰に無理をさせないよう注意し、適切な距離感を保ちながら安全に楽しむことが重要です。
思い出作りを意識する
高齢者と子どもの交流は、単なる遊びや勝敗を競うことにとどまらず、思い出を作ることを重視しましょう。
交流を一度きりのイベントにしないよう定期的に機会を設けたり、写真を撮って思い出を残したりすることが効果的です。
また、手作りの作品作りや一緒に歌を歌うなど、記憶に残る体験を取り入れることで、子どもたちと高齢者双方にとって価値ある時間を過ごすことができます。
まとめ|高齢者と子どもの交流遊びで得られる心の豊かさと成長
高齢者と子どもの交流は、心の成長や健康促進だけでなく、世代を超えた絆を深める大切な時間です。本記事で紹介したメリットや注意点を参考に、楽しい交流の機会を積極的に取り入れてみてください。
また、幼老複合施設や、子どもたちとの交流イベントに力を入れている老人ホームを探すなら「いいケアネット」がおすすめです。
大阪を中心に、全国の老人ホームを希望の条件に合わせて検索できます。また、空室状況の確認や見学予約も可能ですので、これから施設への入居を考えている方はぜひ活用してみてください。
高齢者と子どもの交流・遊びに関してよくあるQ&A
おじいちゃんおばあちゃんができる遊びは?
おじいちゃんおばあちゃんができる遊びには、「昔ながらの遊び」「ボードゲーム」「手遊び」「創作活動」などがあります。
たとえば、「お手玉」や「折り紙」は手先を動かしながら楽しめるため、高齢者のリハビリや脳の活性化にもつながります。「かるた」や「すごろく」などのボードゲームは、子どもと一緒に盛り上がることができ、ルールがシンプルなので幅広い世代で楽しめるのが魅力です。
また、「手遊び」や「歌遊び」は、昔の歌を教え合いながら楽しめるので、自然と会話が増え、世代間交流にもつながります。
「ぬり絵」や「簡単な工作」などの創作活動もおすすめで、作品が残ることで思い出作りにもなります。無理なく楽しめる遊びを取り入れることで、高齢者と子どもが一緒に充実した時間を過ごせるでしょう。
高齢者と子どもが道具なしでできるレクリエーションは?
高齢者と子どもが道具なしでできるレクリエーションには、「じゃんけん遊び」「しりとり」「手遊び歌」「なぞなぞ」など、すぐに始められるものがたくさんあります。
たとえば、「じゃんけん遊び」や「しりとり」はシンプルでありながら盛り上がりやすく、年齢に関係なく楽しめます。「手遊び歌」は、リズムに合わせて手を動かすことで自然と交流が生まれ、高齢者にとっては指先を使うことで脳の活性化にもつながるでしょう。
また、「なぞなぞ」や「クイズ遊び」は、お互いの知識を活かしながら会話が弾むので、世代間のコミュニケーションが深まります。「まねっこゲーム」や「表情当てゲーム」など、身体を使った遊びも笑顔があふれる楽しい時間になるでしょう。道具を使わないレクリエーションは、特別な準備がいらず、気軽に取り入れられるのが大きな魅力です。
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この記事の監修者
いいケアネット事務局
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