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床ずれ(褥瘡)がひどいときの治し方は?主な原因や受診先も解説

要介護の高齢者にとって、床ずれ(褥瘡)は避けては通れない問題です。とくに床ずれがひどくなったとき、どのように対応すれば良いのか正しい知識がなければ、不安になるでしょう。床ずれは、ケアを誤ると治りにくくなるため注意が必要です。

今回は、床ずれがなぜ発生するのか、ひどくならないための予防法や具体的な対処法を詳しく解説します。この記事を読んで、床ずれがひどくなるのを未然に防ぐための参考にしてください。

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高齢者の床ずれ(褥瘡)はひどくなるケースが多い

高齢者 床ずれ

高齢者が床ずれ(褥瘡)になりやすい主な原因は、感覚の鈍化によって、不快を感じても寝返りを打てずにいることです。

床ずれは組織の壊死によって発生します。体の特定の部分に持続的な圧力がかかると、皮膚や組織が十分な酸素と栄養を受け取れなくなるためです。

最終的には、皮膚や筋肉などの組織が正常に機能しなくなり壊死に至ります。

高齢者の多くは、加齢とともに身体の不快感や痛みを感じにくくなります。とくに、寝たきり状態や発語ができない場合には、介護者が気づかないうちに同じ姿勢をし続けてしまうケースも少なくありません。

なお、高齢者の床ずれは適切なケアをしないと、すぐに悪化してしまうため注意が必要です。

床ずれのメカニズムや重症度について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

関連記事:床ずれ(褥瘡)とは?重症度や発症の要因から対処法・予防法まで解説

床ずれ(褥瘡)がひどくなる4つの原因

床ずれ 原因

高齢者の床ずれ(褥瘡)は、圧迫や摩擦などによってひどくなります。以下で、床ずれがひどくなる4つの原因を解説するので、ケアをする際は注意してください。

1.圧迫

圧迫は、床ずれ(褥瘡)がひどくなる原因の一つです。また、圧迫は床ずれそのものの原因でもあります。長時間、身体の一部がベッドや車椅子の硬い面などで圧迫されると、その部位の血行が悪くなり、組織への酸素供給が不足します。

背中や腰、お尻やかかとなどは、とくに圧迫されやすい部位です。寝たきりの場合や自力で思うように身体を動かせない場合には、同じ部位が長時間圧迫されて、床ずれがひどくなります。

2.摩擦

摩擦も、床ずれ(褥瘡)がひどくなる原因の一つです。摩擦は、皮膚が衣類や寝具、車椅子などと触れて発生します。

摩擦によって皮膚表面の角質層が傷つくと、細菌が侵入しやすくなるだけではなく、圧迫との相乗効果で床ずれをさらに悪化させます。

摩擦が起こりやすい部位は、肩や背中、肘や膝などの関節周りです。寝たきりの場合でも、寝返り時は摩擦が起こりやすいため注意が必要です。

3.不衛生

床ずれ(褥瘡)がひどくなる原因として、不衛生な環境が挙げられます。とくに、高齢や寝たきりの方は、排泄の管理が難しく、不衛生な状態のまま過ごす時間もあるでしょう。

皮膚の表面が湿っていると、ふやけて弱くなり、細菌感染を引き起こしやすくなります。

ほかにも、汚れた寝具や衣類が長時間肌に触れていることで細菌やカビが繁殖し、床ずれの悪化につながるケースも少なくありません。

4.栄養不足

栄養不足も、床ずれ(褥瘡)がひどくなる原因の一つです。栄養不足によって抵抗力や治癒力が低下すると、皮膚の回復に時間がかかります。

栄養不足は皮膚だけではなく、全身状態の悪化につながります。とくに高齢者や寝たきりの方は、食事が十分ではないことが多く、気づかないうちに栄養不足に陥っている可能性もあるため注意が必要です。

床ずれ(褥瘡)がひどいときは医療機関の受診がおすすめ

床ずれ 病院

床ずれ(褥瘡)がひどいときは、できるだけ早めに医療機関を受診すべきです。以下で、床ずれに対応できる科や受診時のポイントについて解説するので、ぜひ参考にしてください。

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目次

床ずれ(褥瘡)は主に皮膚科や形成外科で診てもらう

床ずれ(褥瘡)を診るのは、主に皮膚科や形成外科です。床ずれはただの皮膚の問題であると思われがちですが、実際には皮下組織の回復が重要です。

そのため、どの科を受診するかは重症度や合併症の有無によって異なります。

軽度の床ずれであれば、一般的に皮膚科で対応可能です。炎症がひどくない場合や表面的な治療で改善が見込めるときは、皮膚科での対応で十分な場合がほとんどです。

一方で、床ずれが皮下組織の深部や骨まで達しているような重度のケースでは、外科や形成外科の専門医の関与が必要になります。

床ずれがひどく、どの科を受診すれば良いのか迷う場合は、総合病院に相談しましょう。必要に応じてほかの科を紹介してもらえるため、床ずれの状態に応じた適切なケアが受けられます。

参考:日本褥瘡学会『褥瘡の治療について

受診時は事前に患者情報をまとめておく必要がある

受診時には、医師に患者の現状をより正確に伝えられるよう、必要な情報を事前にまとめておく必要があります。患者情報は、医師が床ずれの重症度を正確に評価し、最適な治療計画を立てるために必要です。具体的には、以下のような情報を準備しましょう。

  • 患者の健康状態
  • 床ずれの発生時期と場所
  • これまでに施されたケアや治療、対する反応
  • 日常の活動度
  • 普段の食事内容
  • 服用している薬やサプリメント

これらの情報は、医師が患者の状況を総合的に理解するのに役立ちます。

床ずれ(褥瘡)治し方と予防方法

床ずれ 治し方

褥瘡がひどくならないようにするためには、適切なケアが不可欠です。以下で、日常生活で取り組める床ずれ予防や栄養管理について詳しく解説します。。

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体位変換をする

床ずれ(褥瘡)の予防に欠かせないポイントとして、体位変換が挙げられます。

床ずれは一度できてしまうと処置が大変です。そのため、日頃から体位変換や皮膚のケアを心がけ、できるだけ床ずれを作らないことが大切です。

たとえば、2〜3時間ごとの体位変換は、特定の部位への圧迫を避け、血流の改善に役立ちます。

床ずれ予防のポイントは、毎日欠かさず適切な介護をおこなうことです。体位変換や皮膚のケアを心がけることで、床ずれのリスクを減らし、より良い生活を送れるようにしましょう。

床ずれ予防のための体位変換法について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

関連記事:床ずれとは?原因と予防方法、日頃の介助で見直したいこと

参考:日本褥瘡学会『褥瘡の予防について

皮膚を清潔な状態に保つ

床ずれ(褥瘡)を予防するためには、皮膚を清潔に保つ必要があります。不衛生な状態が続くと、その分、床ずれのリスクが高まります。とくに、排泄後はできるだけ速やかに清拭し、皮膚を清潔な状態に保ちましょう。

毎日清潔な状態に保つためには、まず温水で優しく洗浄してから、皮膚を乾燥させます。乾燥しやすい場合は、保湿クリームを使用し、皮膚のバリア機能を高めることもポイントです。乾燥と外部刺激から皮膚を守れると、床ずれの予防につながります。

体圧分散用具を使用する

床ずれ(褥瘡)を予防するためには、体圧分散用具の使用も効果的です。体圧分散用具とは、体の形に合うように沈み込むマットレスです。

体圧分散用具を使用して、マットレスや布団と身体の接触面積をできるだけ広くすると、身体にかかる圧力を分散させられます。

骨の突出部をはじめ、特定の部位にかかる圧力を極力減らすことで、床ずれの予防につながります。なお、体圧分散用具を使う場合は、必ず医師や看護師などに相談し、自己判断による使用は避けましょう。

栄養管理を徹底する

床ずれ(褥瘡)予防には、適切な栄養管理が重要です。適切な栄養状態は身体の抵抗力を高め、皮膚や組織の健康を維持するために不可欠です。

独居の高齢者の場合、一人では栄養管理が難しく、栄養のバランスが偏りがちです。また、高齢になると食欲が減退し、食事量が極端に減ってしまう方も多くみられます。

このようなケースでは、介護者が介入して栄養管理を担う必要があります。要介護状態にある高齢者の健康維持のために、栄養バランスを考えた食事を心がけ、適切なケアと組み合わせて床ずれ予防に努めましょう。

専門的なケアを受ける

専門的なケアを受けることも、床ずれ予防の一つです。寝たきりで夜間の体位変換や栄養管理の負担が大きく、褥瘡の予防が難しいと感じたときは、介護施設の利用を検討しましょう。

床ずれ予防には、適切な体位変換や栄養状態の管理が不可欠です。しかし、24時間体制で必要なケアをすべてしようと思うと、家庭だけの力では対応しきれないケースも少なくありません。

とくに、睡眠時間を削って対応しなければならない夜間の体位変換は、介護者の健康を害する原因にもなります。

介護職員が24時間体制でケアしてくれる介護施設では、夜間もスタッフが見回りを行い、床ずれのリスクを低減するために適切な体位変換を実施します。

なかには、できるだけ自宅で介護したいと考える方もいるでしょう。しかし、床ずれの予防と管理には専門的なケアが必要です。

家庭でのケアに限界を感じている場合、介護施設の利用は、むしろ床ずれの治療・予防にとって最適な選択肢だといえます。

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施設への入所を家族に切り出すきっかけについては、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事:老人ホームや施設はいつ探しはじめればいい?家族に切り出すきっかけと選び方のポイント

床ずれ(褥瘡)がひどいときは施設の利用も検討しよう【まとめ】

床ずれ介護施設

床ずれ(褥瘡)がひどい場合は、まず医療機関を受診しましょう。床ずれの治療は、一般の方では難しく、専門的な知識が求められます。

また、床ずれは一度できてしまうと治療に時間がかかるため、予防が非常に重要です。定期的な体位変換や皮膚のケア、栄養管理を欠かさずおこなうことで、床ずれを予防できます。

しかし、昼夜を通しての体位交換やオムツ交換時の洗浄・保湿は、介護者の負担が大きいものです。家庭での対応が難しいと感じたら、早めに介護施設への入所を検討しましょう。

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床ずれ(褥瘡)の治療に関するよくある質問

ここでは、床ずれ(褥瘡)の治療に関するよくある質問をまとめました。

床ずれ(褥瘡)はひどくなってから治療すれば良い?

床ずれ(褥瘡)の治療は、発見したときが治療を始めるベストなタイミングです。床ずれは放置すると深刻な状態まで進行しやすく、治療が難しくなります。

そのため、床ずれが発生していないか、定期的にチェックする必要があります。

具体例として、皮膚の赤みや熱感、痛みなどは、床ずれの初期症状かもしれません。また、皮膚の硬化や損傷が見られる場合も、床ずれの可能性があります。初期症状を見つけたら、すぐに専門医に相談しましょう。

床ずれ(褥瘡)の治療に保険は適用される?

床ずれ(褥瘡)の治療には医療保険が適用されます。床ずれの治療は医療行為にあたるためです。

一方、介護保険では医療行為に該当する床ずれの処置はできません。なぜなら、介護職が実施するケアと医療行為には明確な区分があり、それぞれで保険適用の範囲が異なるためです。

たとえば、高齢の家族が自宅で介護サービスを受けている場合でも、床ずれの治療が必要になった場合は、専門の医療機関を受診する必要があります。その際の治療費用は、医療保険が適用されます。

この記事の監修者

いいケアネット事務局

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