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介護保険料はいくら?65歳以上の平均納付額から滞納の影響まで解説

介護保険料はいくら?65歳以上の平均納付額から滞納の影響まで解説

65歳以上の介護保険料はどのように計算され、どれくらいの金額が必要になるのでしょうか。また、支払い方法や滞納した場合の影響についても詳しく知っておく必要があります。

この記事では、65歳以上の介護保険料の平均納付額や計算方法、支払い方法について詳しく解説します。また、介護保険料を滞納した場合の影響についても解説します。

これを読むことで、介護保険料の全体像を把握し、将来の不安を少しでも和らげることができるでしょう。

目次

65歳以上の介護保険料はいくら?

65歳以上の方が支払う介護保険料について、以下の2点を確認しましょう。

  • 65歳以上の平均納付額と計算方法
  • 65歳以上の保険料の支払い方法

それぞれ解説します。

65歳以上の平均納付額と計算方法

介護保険料の平均納付額は地域や所得により異なりますが、令和3~5年度では全国平均で6,014円となっています。保険料は市区町村が設定する基準に基づいて計算されます。具体的には、次の3つの要素が考慮されます。

  • 基準額:第1号被保険者の負担分を市町村に住む65歳以上の住民数で割った額
  • 基準額に対する割合:個々の被保険者の所得に応じて9〜16段階に分けられた割合

例えば、東京都に住むAさんのケースを考えてみましょう。Aさんの年間所得が200万円の場合、東京都の基準額は月額6,400円、割合が1.2倍となり、Aさんの介護保険料は以下のように計算されます。

6400×1.2=7680

介護保険料は月額7,680円、年額にして92,160円となります。

このように、基準額と割合を掛け合わせることで、個々の被保険者の保険料が算出されます。ただし、地域や所得により変動するため、詳細は住んでいる市区町村の役所やホームページなどで確認しましょう。

参考1:厚生労働省『令和5年度 介護納付金の算定について(報告)

参考2:新宿区『介護保険料の決まり方

65歳以上の保険料の支払い方法

65歳以上の介護保険料の支払い方法については、主に2つの方法があります。

年金からの特別徴収

基本的に、65歳以上の方の介護保険料は年金から直接天引きされる「特別徴収」という方法で支払われます。年金受給者にとっては、特別徴収により、毎月の納付を忘れる心配がなく、支払い漏れも防げるため便利です。特別徴収の対象となるのは、年金額が年間18万円以上ある場合に限られます。

口座振替または納付書による普通徴収

特別徴収の対象外となる方は、口座振替または納付書による「普通徴収」が適用されます。普通徴収の場合、市町村から送られてくる納付書を利用して銀行や郵便局、コンビニエンスストアで支払うか、事前に銀行口座から自動で引き落とされるように手続きします。

なお、これらの支払い方法は被保険者の判断では選べません。どちらの支払い方法に該当するかを事前に確認しておきましょう。

第2号被保険者(40~64歳)の保険料

第2号被保険者(40~64歳)の介護保険料は、加入している保険の種類により計算方法が異なります。会社員であれば健康保険料と共に給与から天引きされ、自営業者は国民健康保険料と共に納付します。

国民健康保険加入者の場合、介護保険料は「所得割額」「均等割額」「平等割額」「資産割額」で構成されます。

一方、会社員など国民健康保険以外の保険加入者の場合は、標準報酬月額や標準賞与額に介護保険料率を掛けて計算されます。

具体的な保険料は各市町村や加入している保険組合によって異なるため、詳細は自身の保険組合や市町村の公式サイトを確認しましょう。

参考:全国健康保険協会『協会けんぽの介護保険料率について

介護保険料を滞納したらどうなる?

介護保険料を滞納したらどうなる?

介護保険料を滞納した場合の影響について、次の4つの滞納期間に分けて見ていきましょう。

  • 1年未満の滞納
  • 1年以上の滞納
  • 1年半以上の滞納
  • 2年以上の滞納

それぞれ解説します。

1年未満の滞納

1年未満の介護保険料の滞納は深刻な影響を及ぼすわけではありませんが、早めに対処することが重要です。

滞納が発生すると、まず市町村から滞納者へ支払いの催促が行われます。滞納が続くと、延滞金が発生します。延滞金は市町村により異なりますが、一般的には1カ月未満で保険料の4.3~14.6%、1カ月を超えると14.6%が上乗せされます。例えば、滞納額が10万円の場合、1年間で1万4,600円の延滞金が発生します。

1年未満の滞納は早期に対処しやすい状況であり、対策次第で大きな問題を避けられます。滞納を放置せず、市町村と相談しながら適切な対応を取りましょう。

1年以上の滞納

1年以上の介護保険料滞納は、大きな問題を引き起こす可能性があります。滞納を続けると、介護サービスを受ける際にペナルティが課されることがあるため、非常に注意が必要です。

具体的には、1年以上保険料の滞納が続いた場合、「給付制限」が適用されることがあります。これは、介護サービスを受けた際に、通常ならば保険がカバーする部分を全額自己負担することになる制度です。つまり、通常なら1~3割負担で済むところが、10割全額負担になることを指します。

ただし、この段階であれば滞納分を納付すれば7〜9割は戻ってくるため、早期に納付すれば影響は少なく済むでしょう。

給付制限による高額な医療費や介護費用は、経済的な負担を倍増させるだけでなく、精神的なストレスも引き起こす可能性があります。これにより、さらなる負のスパイラルに陥るリスクがあります。

したがって、介護保険料を期日までに納めることが非常に重要です。滞納せず、しっかりと対策を立てておくことで、将来的なリスクを軽減できます。

1年半以上の滞納

1年半以上の介護保険料の滞納は、さらに深刻な問題を引き起こします。保険料が未払いのまま長期間経過すると、重大なペナルティが課される可能性が高まります。

1年半以上の滞納が続くと、介護サービス費が全額自己負担となり、あとから滞納分を納付しても7〜9割は戻ってこなくなるため注意しましょう。

つまり、介護サービスを利用する際に、全ての費用を自己負担しなければならない状況になります。これにより、介護サービスを受けること自体が困難になる場合があります。

「多少の遅れなら大丈夫だろう」と考えることは危険です。実際には滞納期間が延びるほど、対応が難しくなり、解決にはさらなる努力と時間が必要となります。

1年半以上の介護保険料の滞納は避けるべきです。可能な限り早急に未払いを解消し、日常生活や必要な介護サービスの安定を確保することが重要です。

2年以上の滞納

2年以上滞納すると、最も厳しいペナルティが適用されます。この段階になると未納が確定するため、延滞分の保険料をあとから納めることすらできなくなってしまいます。

延滞分を納付できないと、通常1〜3割の介護保険サービス自己負担額が3~4割へ引き上げられます。これは長期的に介護保険サービスを利用する際、経済的負担が大きくなることを意味します。特に施設入所は費用が多くかかるため、相当な費用負担を強いられるでしょう。

介護保険料の滞納は、経済的な負担を大幅に増加させるため、早急に対策を講じることが求められます。市区町村の窓口で相談し、分割払いなどの対応を検討してもらいましょう。

65歳以上の介護保険料【まとめ】

65歳以上の介護保険料の平均納付額は地域や所得により異なりますが、全国平均で月額6,014円となっています。65歳以上の介護保険料は、基準額に個々の所得に応じた割合を掛け合わせて算出されます。

また、主な支払い方法は年金からの特別徴収と、口座振替や納付書による普通徴収の2種類があります。

介護保険料を滞納すると、延滞金の発生や給付制限、最悪の場合は全額自己負担のリスクがあり、長期間の滞納は経済的な負担を大きくします。早期に対策を講じ、市区町村と相談しながら未払いを解消することが重要です。

介護保険料は納付を怠らず、計画的に支払うようにしましょう。

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この記事の監修者

いいケアネット事務局

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