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平成28年度、特養の赤字施設は32.8%。施設規模によっても大きな差

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2018年1月31日に発表された、独立行政法人福祉医療機構のレポートによると、平成28年度の特別養護老人ホームの赤字施設は全体の32.8%で、前年度から1.4ポイント上昇しています。特別養護老人ホームは人気で、利用率も約95%であるにも関わらず、約3分の1の施設が赤字であるのにはどのような原因があるのでしょうか。

 

http://hp.wam.go.jp/Portals/0/docs/gyoumu/keiei/pdf/2017/rr17013.pdf

 

特別養護老人ホームには、従来型とユニット型があり、従来型の赤字施設の割合が35.2%、ユニット型の赤字施設の割合が31.0%で、どちらも前年度に比べて1%以上赤字施設の割合が増えています。

 

この赤字施設の割合は、施設規模によって大きく異なります。定員数が29人以下の施設の赤字の割合は41.9%に対して、定員数が100人以上の施設の赤字の割合は25.2%です。これは利用率によるものよりも、業務の効率化や加算などによる収益率の差が関係しているようです。

 

赤字施設と黒字施設を比較すると、差が大きいのは、「人件費率」「サービス活動収益」です。赤字施設はまず、人件費に見合った収益の確保が課題と言えるでしょう。サービス活動収益については、要介護度にほとんど差がないので、加算がどれだけ取れているかが課題です。特に、赤字施設は黒字施設に対して、「栄養マネジメント加算」「個別機能訓練加算」「口腔衛生管理体制加算」などが差が大きいです。

 

加算が取れない小規模の施設では、要員配置の面で算定に係る要件が厳しくなる可能性もあるので、人件費削減など、別の切り口を探さなければならないかもしれません。しかし、1人当たりの人件費を給与カットなどで行ってしまうと人材の確保がますます難しくなってしまいます。

 

大規模の施設は業務の効率化によって、人件費率が低くなりますが、従事者1人あたりの人件費は高くなっています。つまり、業務を効率化して収益をたくさん出して、従事者に給与として還元しているということです。

 

人材不足が深刻化している福祉業界では、大規模の施設を運営していないと、給与水準の面で見劣りがしてしまいます。人材確保に置いても苦戦する可能性がありますので、小規模ならではのメリットや働きやすさなど、従事者にとって良い環境を作ることが今後の運営に大きく関係してくるのではないでしょうか。

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この記事の監修者

いいケアネット事務局

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