高齢になると様々な理由から寝たきりになるリスクが高まります。そこで今回は、寝たきりの原因と寝たきりにならないための予防対策についてお伝えします。
高齢者の寝たきりとは
寝たきりという言葉に明確な定義はありませんが、一般的には、以下のいずれか、もしくは複数の条件に当てはまることを「寝たきり」と表現しています。
- 自力での日常生活が困難になり、ベッド上での寝起きが生活の中心になっている
- 何らかの病気やケガをきかっけに、6カ月以上ベッドに寝ている状態が続いている
- 基本的に1日中ベッドの上で過ごし、排泄や食事、着替えなどに介助を必要とする
高齢者が寝たきりになる原因とは?
高齢者が寝たきりになる原因は身体的要因と精神的要因があげられます。
まず身体的な要因をあげると、脳卒中、認知症、がん、高血圧といった病気があげられます。
特に脳卒中などの場合は身体に麻痺が残ることもあり、思うように動けない状態になり、そのような状態から次第にベッドで過ごす時間が長くなってしまう恐れがあります。
近年は医療が進歩し、がんの完治も不可能ではなくなっていますが、高齢者にとって治療はかなり大きな負担です。
治療中は免疫力も低下してしまうため、軽い風邪から肺炎にまで重症化し、寝たきりのきっかけになってしまうこともあります。
また骨折や関節リウマチなども寝たきりの原因になります。これらは痛みや痺れなどから身体を動かすことが億劫になったり、治療にも時間がかかります。
介護が必要となった主な原因として、厚生労働省が実施した「平成28年国民生活基礎調査」の結果では以下のようになっています。
1位 | 認知症 (18.0%) |
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2位 | 脳卒中 (16.6%) |
3位 | 高齢による衰弱 (13.3%) |
4位 | 骨折・転倒 (12.1%) |
次に精神的な要因をあげると、高齢になると活動の機会が減少し、人と触れ合ったりコミュニケーションを取る機会も減少していきます。
そうなると脳への刺激も減少し認知機能が衰えやすくなってしまいます。
脳や心が健康でなければ、病気やけがをしていなくても身体に不調をきたす可能性が出てきます。
「病は気から」と言われるように心と体は大きく関係し、気持ちが元気でなければ必然的に身体機能も弱っていきます。
寝たきりにならないための予防対策
栄養バランスの良い食事をしっかり摂る
低栄養になると免疫力も低下し感染症になるリスクも高くなります。また逆に肥満や高血圧になる食事もNGです。栄養バランスを考えた健康的な食事の摂取に努めましょう。
噛む力を衰えさせない
噛むことは脳の活性化に繋がります。
認知機能の低下を防ぎ、認知症の予防をするためにも噛む力が衰えないようにしていきましょう。
口腔ケアを行う
噛む力を維持するには、口腔内のケアが重要です。
誤嚥性肺炎などを予防するためにも口腔内のケアをしっかり行いましょう。
適度な運動をする
定期的に負担にならない範囲でストレッチをしたり、散歩をしたり身体を動かしましょう。
寝たきりの防止には足腰の筋力の維持も重要になります。
人と触れ合う機会を作る
脳は一定の刺激が必要で、人との交流が何よりも脳を刺激し、生活の豊かさをもたらします。
逆にその刺激が無いと認知症のリスクが高まったり、免疫力が低下したりすると言われています。
そうならないためにも定期的に誰かと会い、交流を持つことが重要です。
まとめ
寝たきりになると、自分がこれまで楽しんでいたことが出来なくなったり、自宅での生活が困難になり老人ホームなどへ生活の場を移す必要が出ることもあります。
加齢による身体機能の衰えを完全に避けることは難しいですが、寝たきりを予防するためには、出来るだけ早く、今回ご紹介したような対策を始めることが大切です。
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この記事の監修者
いいケアネット事務局
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