介護が辛い時どうする?【PART2】で介護疲れは、その要因を減らすことで軽減が期待できることをお話しました。
介護が辛い時どうする?【PART3】では、引き続きその方法をいくつかご紹介します。
介護の知識を習得する
介護の知識がないことがストレスに繋がることがあります。
特に排泄介助・オムツ交換・移動介助などに関しては、多少のスキルを介護者が身に付けておくと、介護者自身の身体的負担の軽減にも繋がりますし、要介護者も安心でき、信頼関係も深まるでしょう。
また認知症をはじめ、高齢者に多い疾患についての知識を習得することで、なぜその様な言動をとるのかを理解出来たり、急な変化にも対応できるようになる可能性があり、介護を行う上での心配やストレスの軽減にも繋がります。
要介護者と介護者との関係が良くなると、介護全般が無知な頃よりもスムーズに行える可能性があります。
全国の市区町村では「家族介護教室」などを実施しているところがありますので、一度問い合わせ、活用してみてはいかがでしょうか?
専門的な事を相談できる相手を探す
介護を継続していく中で、介護疲れを緩和するには、介護者の孤立化を防ぐことが重要になってきます。
これまでにも何らかの悩みや不安がある時に、誰かに相談したり、たわいもない話をすることで気分がリフレッシュした経験はありませんか?介護のプロや介護経験のある知り合いなどと普段からコミュニケーションを取り、気軽に相談できる相手を作っておくことも介護疲れの負担を少しでも軽減する方法の一つになります。
その中でも、介護保険サービスを利用する際の担当者であるケアマネージャーに相談することをおすすめします。ケアマネージャーには守秘義務がありますし、今抱えている悩みを打ち明けることで、新たなサービスの導入を提案し、問題解決に向け共に動いてくれるでしょう。
その他にも認知症の家族を介護する上で知っておきたいのが「認知症の人と家族の会」です。
「認知症の人と家族の会」とは、認知症患者とその家族のサポートを目的とした公益社団法人であり、以下の活動を行っています。
介護家族のつどい・男性介護者のつどい
身内の介護の話はなかなか他人に話せなかったり、話しても理解してもらえないなどのケースがあるかと思います。
また 介護は広い意味での「家事」とも言えます。食事・清掃・身の回りのことに不慣れな男性は特に介護負担を大きく感じます。
同じ介護をする者同士が集まり、他の人の介護経験を聞いたり、自らの介護体験を話すことで心の軽減に繋げていきます。
本人・若年のつどい
認知症の当事者が集まり、自身の状況や抱えている悩み、生活の様子などについて話し合います。そしてそこで出会う仲間との繋がりが生きる勇気に繋がります。
電話相談(全国対象)
0120-294-456(土日祝・夏季・年末年始除く)
携帯・スマホからは050-5358-6578(通話料有料)
その他、各都道府県の支部でも電話相談を実施しています。
介護施設への入居を検討する
自宅での介護に限界を感じたら、高齢者向けの介護施設への入居という選択肢も検討しましょう。
これにより在宅での介護疲れから解放され、心身の負担が大きく減少するでしょう。
介護うつになってからでは、正常な判断ができない恐れがあるため、できるだけ早めに施設の情報を集め準備をしていきましょう。
「施設に入れるのはかわいそうだ」と限界を超えていても在宅介護を継続することで、介護者本人の心身状況の悪化を招いたり、優しく接したいと思っていたのに、知らぬ間にストレスが溜まり過ぎて暴言や暴力を振ってしまったり、介護者本人が無理をすることで、介護者だけでなく要介護者の双方が不幸な方向へ進んでしまう可能性もあります。
そのため、少しでも「大変だ」「もうしんどい」「介護から逃げたい」などと感じた時には、できる限り早めに施設の利用を検討することをおすすめします。
初めての介護で「どんな施設があるのか」「高いんじゃないか」など不安に感じられると思いますが、最近では希望の条件を伝えるだけで、様々なタイプの高齢者施設を紹介し、入居への手助けをしてくれる老人ホーム紹介センターがあります。こういったサービスを利用することで、介護疲れで辛い日々から解放されるきっかけになるかもしれません。
まとめ
3回に分けて解説して参りました【介護が辛い時どうする?】ですが、いかがでしたでしょうか?
家族介護者の一番の役割は、要介護者の支えになることです。
しかし要介護者一人で介護負担を背負っていると、自分自身を追い詰め、心身状況の悪化を招き、介護うつや高齢者虐待、最悪の場合、介護殺人にも発展する可能性があります。
誰かの力を借りることは決して罪悪感を感じることではありません。
今回ご紹介しました色々なサービスを活用することで、介護者自身の時間も確保し、ご自宅での介護の辛さを少しでも解消してみてはいかがでしょうか。
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この記事の監修者
いいケアネット事務局
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