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特養(特別養護老人ホーム)のレクリエーションネタ大全|目的別で紹介

「特養(特別養護老人ホーム)ではどんなレクリエーションを実施しているの?」と、施設入居後の生活が気になる方もいるでしょう。

同時に「レクリエーションのネタがなくなってしまった」と、ネタを探している施設のスタッフの方もいるのではないでしょうか。

そこで本記事では、特養(特別養護老人ホーム)のレクリエーションネタを目的別で紹介していきます。

実際の老人ホームで実施されたレクリエーションも紹介しつつ、実施の注意点なども網羅的に解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。

大阪を中心に、多数の高齢者向けの介護施設の情報を掲載する「いいケアネット」では、老人ホームに関する疑問やまつわる情報を「いいケアジャーナル」で随時更新中です。

目的別の特養(特別養護老人ホーム)のレクリエーションネタ一覧

特養 レクリエーション

特養(特別養護老人ホーム)のレクリエーションは、以下のようなネタがあげられます。

項目 レクリエーションネタの例 期待できる効果
脳トレ向け ・間違い探し

・クイズ

・伝言ゲーム

脳に刺激を与えられるため、認知症の改善が期待できる
体を動かす ・ラジオ体操やリズム体操

・ボウリング

・お手玉

筋肉量の低下防止が期待できる
座ったまま ・トランプ

・折り紙

・魚釣りゲーム

立ち座りが難しい人でも楽しめる

目的別でレクリエーションネタを紹介していくので、ぜひ参考にしてください。

この記事は「コンテンツポリシー」に沿って執筆しています。
目次

脳トレに向いているレクリエーションネタ

まずは認知症の改善が期待できる脳トレ向けレクリエーションの中でもおすすめのネタを紹介します。

グッズを用意するネタ、用意せずに楽しめるネタをそれぞれ紹介していきます。

間違い探し

特養(特別養護老人ホーム)のレクリエーションネタとして代表的な脳トレが間違い探しです。

同じように見えるイラストを2枚ずつ用意します。用意する際は、高齢者にとっても見えにくい間違い探し用のイラストにならないよう選定していきましょう。

入居者全員にイラストを配布する場合、ペンも必要になるので用意しましょう。

また、間違い探し用のイラストはインターネットで検索すれば、素材をダウンロードできます。

書店で間違い探し用の書籍を購入すると、コストがかかってしまうため、インターネット検索がおすすめです。

仮に特養(特別養護老人ホーム)で働く従業員にイラストを描くのが得意な方がいれば、自作するのもオリジナル性が出ます。

クイズ

特養(特別養護老人ホーム)の脳トレ向けレクリエーションネタとして「クイズ」もあげられます。

ただ一言で「クイズ」と言っても「何を特養(特別養護老人ホーム)で実施すれば良いのか」と悩まれる方に向け、以下の表でまとめました。

クイズの種類 用意するもの やり方
イントロクイズ ・音源

・CDプレイヤーのような再生できる機械

・曲のイントロを流し、参加者に曲名を当ててもらう

・馴染み深い童話や歌謡曲がおすすめ

ことわざクイズ ことわざを見せるためのもの(ホワイトボードや紙など) ・「○も歩けば棒に当たる」のように虫食いにして当ててもらう

・回答者にことわざの意味も答えてもらう楽しみ方もあり

都道府県クイズ ことわざを見せるためのもの(ホワイトボードや紙など) ・「〇〇と言えば?」と出題し回答してもらう

例)「桃太郎と言えば何県?」→「岡山県」

伝言ゲーム

伝言ゲームは、前の人の発言を一生懸命聞こうとするだけでなく、覚えようとするため、おすすめの脳トレ向けレクリエーションです。

伝言ゲームをする際、1〜2メートルほどの糸電話で実施するのもおすすめです。

伝言ゲームをする上での注意点は「長すぎない言葉を題材にする」ことを意識しましょう。

日本の昔話で登場する有名なフレーズや早口言葉が代表的です。

流行りのフレーズを選んでしまうと、参加者が知らない一種の専門用語に思われてしまう可能性があります。

また、上手く伝わらなかった場合、他責してしまう事態が起きないよう、場が和めるよう笑いに変えるのを意識しましょう。

体を動かすレクリエーションネタ

次は体を動かすレクリエーションネタを紹介します。

立ち座りが困難な入居者向けのレクリエーションネタもあるので、順番に紹介していきます。

ラジオ体操やリズム体操

ラジオ体操を始めとして、音楽にあわせた体操は体全体を使う動きになるため、おすすめのレクリエーションです。

ラジオ体操であれば、第一・第二の2つあわせて6分程度で終了します。

レクリエーションのネタとして実施するも良し、朝に施設内で流して全員でラジオ体操するのも、1つの習慣付けになります。

足腰が弱い方には座ったまま、もしくは手すりに捕まってもらった上で体操してもらいましょう。

ボウリング

ボウリングによるレクリエーションは、決してボウリング場に足を運んで実施するわけではありません。

あくまで特養(特別養護老人ホーム)内で楽しめるよう、プラスチック製のピンと柔らかいボールで楽しむレクリエーションです。

ボウリングのピンは、ペットボトルで代用するケースもあります。

倒れやすいよう空のペットボトルを用意し、ボールを転がしてもらってスコアを競い合うレクリエーションです。

立った状態でボールを転がせない場合、サッカーのように足で蹴って代用して楽しむのも1つの選択肢になります。

ゴルフのようにボールを打ち込んでピンを倒す楽しみ方もあるので、ピンとボールさえあれば、遊び方は無限大です。

お手玉

主に腕の筋肉を使うお手玉も、レクリエーションネタとして採用している施設が多くあります。

お手玉があれば、通常の楽しみ方ができるだけでなく、音楽にあわせたり玉入れのように投げたりする楽しみ方も取り入れられます。

お手玉を投げて飛距離を競い合う方法やスコアボードを床に置いてダーツのように遊ぶ方法も採用できるのがお手玉の良いポイントです。

専用のかごを用意しなくても、洗濯かごのような施設にある箱をアレンジするだけで実施できます。

テーブルで座ったままできるレクリエーションネタ

最後に紹介するのが、足腰が弱い方同士でも楽しめるレクリエーションネタです。

テーブルゲームのように座ったまま遊べるネタになり、手先を使うゲームにもなるので、脳トレにもおすすめです。

トランプ

テーブルゲームの代表とも言えるトランプを使う際、神経衰弱がおすすめのレクリエーションです。

特養(特別養護老人ホーム)を含めた介護施設の多くで実施されており気軽に始められます。

ただし、高齢者にとってトランプの数字が見にくいと思われたり、時間がかかってストレスに感じたりするケースもあるでしょう。

そこでおすすめなのが「数字が違っても色が同じならOK」のような特別ルールの採用です。

また、市販のトランプではカードが比較的小さいので、厚紙でオリジナルトランプを作成するのもおすすめです。

あえて数字だけ書き込み、引いたカードで足し算や引き算などをする計算ゲームを取り入れる施設もあります。

折り紙

折り紙は、特養(特別養護老人ホーム)で実施する創作系レクリエーションネタの代表とも言えます。

多くの入居者が幼い頃に折り紙で遊んでいるため、好き嫌いが少ない傾向があります。

手先を使うレクリエーションネタでもあり、認知症予防として採用している施設が大半です。

「子どもの頃はね」と話も盛り上がり、つい時間を忘れてしまうくらいに没頭する姿も見かけます。

折り紙をレクリエーションとして実施する際は、季節に合わせた花や動物を作ってもらうのもおすすめです。

ただし、中には折り方を忘れてしまっている方がいる可能性もあるため、様子を見ながら一緒に作りあげていきましょう。

魚釣りゲーム

魚釣りゲームは、工作としても楽しめるレクリエーションネタです。

市販の魚釣りゲームもありますが、子ども向けのおもちゃとして販売されている可能性もあるでしょう。

工作から楽しめるように、まずは厚紙に魚の絵を描いてもらいましょう。描いてもらった魚の絵を切り抜き、針金製のクリップを貼り付けていきます。

釣竿に見立てるために、割り箸は棒に凧糸をくくりつけ、先端に磁石をつければ完成です。

あとは魚釣りの要領で楽しんでもらえるレクリエーションです。

実際の老人ホームで行われているレクリエーションの内容

特養 レクリエーション

ここからは実際の老人ホームで実施されたレクリエーションネタと、その様子を紹介していきます。

特養(特別養護老人ホーム)のレクリエーションネタとして、ぜひ参考にしてください。

年間行事予定と月間スケジュール

画像提供:レガート堺東山

今回紹介するのは大阪「レガート堺東山」で実施されたレクリエーションネタです。

まずはレガート堺東山で実施されている年間スケジュールから紹介していきます。

1月 新年パーティー 7月 七夕祭り
2月 節分・豆まき 8月 季節行事
3月 ひな祭り、お茶会 9月 敬老の日
4月 お花見 10月 運動会
5月 母の日 11月 作品展
6月 父の日 12月 クリスマス会

多くの老人ホームと同じように、レガート堺東山でも、1年を通して四季折々のイベントを実施しています。

さらに、レガート堺東山では日々内容を変えており、多彩なレクリエーションをおこなっています。

  • DVD鑑賞会
  • ビンゴゲーム
  • ゲーム
  • 脳トレ
  • カラオケ

行事がない日でも、上記のような娯楽を毎日楽しめます。

以下の記事では、老人ホームがどんな1日になるのか、より詳しく紹介しているのであわせてご覧ください。

関連記事:老人ホームの日々の生活を紹介

風船を使った的当てゲーム

最初に紹介するのは、手軽にできる「風船を使用した的当てゲーム」です。

画像提供:レガート堺東山

お手玉に風船を結んだものを的に投げて、点数を競い合います。用意するものは、お手玉、風船、凧糸や毛糸、画用紙、油性ペン、はさみの6点です。

画用紙に得点となる数字を書いて床に並べ、凧糸で風船をお手玉に結ぶだけで準備完了です。あとは、決められた場所から1人ずつお手玉を、的の上に乗せるように投げていきます。

的にお手玉を乗せられた方の中から、点数の高い方が勝ちになります。個人戦はもちろん、チームで競っても盛り上がります。

足で行うトントン相撲

画像提供:レガート堺東山

懐かしい「トントン相撲」を、手ではなく足で行う意外性のあるゲームです。

ダンボールを用意し、その上に紙で作った土俵と力士を乗せます。そして、足をダンボールに乗せて、トントン、トントン、と叩きます。

高齢者の方々も、昔の遊びを思い出しながら新感覚でできるので、白熱します。番付や四股名を考えて、本格的な相撲のように工夫してみるのも楽しいかもしれません。

昔遊んでいた遊びをレクリエーションで再現すれば、子どもの頃の記憶や感情を思い出せ、より気持ちも盛り上がります。

最後に紹介するのが、ゲーム以外のレクリエーションです。

金魚すくい

画像提供:レガート堺東山

金魚すくいというと、準備が大変そうに感じますが、ビニールプールがあれば、どこでも簡単にできます。

もちろん本物の金魚ではありませんが、金魚すくい用のポイを使えば、金魚の人形でもお祭りや縁日の楽しい雰囲気が味わえます。

お茶会

画像提供:レガート堺東山

お茶会といっても、ただお茶を飲むだけでなく、実際にお茶を点てて飲むのも、レクリエーションとしておすすめです。

自分で作ったお茶とお菓子をいただきながら談笑すれば、みんな笑顔にもなれます。

写真では、屋外で机や椅子を設置して実施していますが、和室がある老人ホームなら、静かで本格的なムードになるでしょう。

落語鑑賞

画像提供:レガート堺東山

落語家の方をお招きして、落語を鑑賞できる老人ホームも多くあります。

テレビとは違い、間近で落語が聴けるのは、高齢者の方々にとっても良い刺激になります。

そもそも特養(特別養護老人ホーム)でレクリエーションを実施する目的とは

特養 レクリエーション

特養(特別養護老人ホーム)のレクリエーションを実施するのは、脳トレになったり体を動かしたりするだけでなく、以下のような効果が期待できます。

  • 利用者同士のコミュニケーションが増える
  • 生活の質(QOL)が向上する
  • 身体機能が低下しにくくなる

それぞれの目的について解説していきます。

利用者同士のコミュニケーションが増える

特養(特別養護老人ホーム)を含めた施設でレクリエーションを実施すると、他の利用者同士のコミュニケーションが増えるメリットがあります。

施設の従業員とのコミュニケーションはもちろん、地域の方々や落語家のような外部講師との接点が増えます。

社会の中で自分の存在意義を見出せるため、生きがいに感じられるのがレクリエーション実施のメリットです。

一人暮らしの方が多く発症する老人性うつや引きこもりの改善にもつながるため、積極的にレクリエーションを取り入れていきましょう。

生活の質(QOL)が向上する

レクリエーションを実施すると、コミュニケーションが増えるため、同時に気分転換やストレス発散につながります。

レクリエーションを企画し、楽しんでもらおうとすればするほど、参加者の笑顔を見ると達成感を味わえるものです。

職員としての創意工夫が必須にはなりますが、ともに楽しむ環境作りによって、入居者側の生活の質(QOL)が向上します。

心のリフレッシュにもつながり、居心地の良さを感じてもらえるでしょう。

身体機能が低下しにくくなる

特養(特別養護老人ホーム)でレクリエーションを実施する時間を設けていれば、身体機能の低下を抑制できます。

一人暮らしだったり自宅介護であったりした場合、寝たきりの時間が多くなってしまうケースもあるでしょう。

特養(特別養護老人ホーム)を含めた施設で積極的にレクリエーションを実施していれば、生活リズムも整います。

普段寝たきりでいた時間も、施設内のコミュニケーション活性化により、身体機能だけでなく、精神面にも良い効果が期待できます。

レクリエーションを盛り上げるコツ

特養(特別養護老人ホーム)で実施するレクリエーションのネタを企画し、当日を迎えても、盛り上がらずに終わらないか不安になるものです。

レクリエーションを盛り上げるためにも以下のポイントに気をつけてみてください。

  • 準備が不足していないか確認する
  • 事前にデモンストレーションを実施する
  • レクリエーションの実施を案内しておく
  • なるべく全員が参加できるようなネタを採用する
  • ルールが複雑にならないよう簡単な内容にする
  • スタッフが率先してかけ声を送る
  • 参加者が失敗してムードが悪くならないようスタッフが先に失敗する

実際の施設でも、臨機応変な対応が求められるため、成功にこだわらずリラックスして盛り上げていきましょう。

レクリエーションを実施する際の注意点

特養(特別養護老人ホーム)でレクリエーションを実施する際、盛り上げようと思うだけでなく、以下のポイントを注意しておきましょう。

  • レクリエーションの実施場所が安全か確認する
  • 使用する道具で怪我が起きないか確認する
  • 参加を強制しない
  • 得られる効果に重点を置くのではなく参加者にあわせて企画する

とくにレクリエーションが原因で参加者が転倒し、怪我を負ってしまうとトラブルのもとになります。

まずは安全面に注意し、参加者とともに楽しめるレクリエーションを企画していきましょう。

特養(特別養護老人ホーム)のレクリエーションで利用者と楽しもう【まとめ】

今回は特養(特別養護老人ホーム)のレクリエーションネタを目的別で紹介しました。

脳トレ向け、体を動かしたとき向け、座ったままでの楽しめるレクリエーションなど、状況に応じた選択肢があります。

利用者同士のコミュニケーションが増えるだけでなく、身体機能の改善が期待できるため、積極的に取り入れるのがおすすめです。

大阪を中心に、多数の高齢者向けの介護施設の情報を掲載する「いいケアネット」では、老人ホームに関する疑問やまつわる情報を「いいケアジャーナル」で随時更新中です。

この記事の監修者

いいケアネット事務局

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