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介護で発生するにおいの原因とは?おすすめの対策方法などを解説

介護の現場で避けて通れない「におい」の問題に悩んでいませんか。

日々の介護において、においはストレスや不快感の元となり、放置するのも衛生面でも大きなリスクを伴います。

本記事では、介護で発生するにおいの種類や原因を詳しく解説し、効果的な対策方法を紹介します。

においの問題を解決すると、快適で安心な介護環境を実現し、介護を受ける方も提供する方も心地よく過ごせるようになります。

介護の悩みに寄り添い、最適な解決策を提案しますので、ぜひ最後までお読みください。

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介護で感じるにおいの種類とその原因

老人 におう

介護で感じるにおいは、主に以下のような種類に分けられます

  • 体から発生するにおい
  • 排泄物のにおい
  • 衣類や寝具のにおい
  • 食べ物や湿布などのにおい

なかでも体から発生するにおいは、さらに口臭なのか体臭なのかによって、それぞれの原因が異なります。

まずは、介護で感じるにおいの種類と原因から深掘りしてみましょう

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目次

体から発生するにおい

体から発生するにおいは、在宅介護を含めた現場でとくに気になる問題の1つです。まず、口腔ケアが不十分だと、口臭が発生しやすくなります。

口腔内の細菌が増殖し、食べかすや歯垢が蓄積され、においが強まるのです。また高齢者は新陳代謝が低下し、皮膚のターンオーバーが遅くなります。

皮脂の分泌物が肌に残りやすくなり、酸化して特有のにおいを発生させるのです。寝たきり生活も増えると運動量が減少し、汗をかく機会が少なくなるため、汗腺の機能が低下し、においが強くなる場合もあります。

ここからは、体から発生するにおいを、口臭と体臭に分けてさらに詳しく解説していきます。

口臭

口臭は介護の現場でよく問題になるにおいの1つです。

高齢者の口腔内は唾液の分泌が減少しやすいため、口臭を引き起こす主な原因になっています。

唾液には口内の細菌を洗い流す役割がありますが、唾液が少ないと細菌が蓄積し、不快なにおいを発生させるのです。

また、義歯の不適切なケアや口腔内の感染症も口臭を悪化させる要因となります

加えて、糖尿病や肝疾患などの基礎疾患を抱える方では、より一層口臭を悪化させるケースもあります。

口臭は本人だけでなく、介護者や周囲の方にも精神的な負担を与えるため、早めに歯科医へ診断を受けるのがおすすめです。

体臭

介護現場において、体臭も重要な課題の1つです。

高齢者の体臭は、加齢や健康状態、生活習慣などの要因が絡み合って発生します。

とくに加齢臭と呼ばれる独特のにおいは、皮脂の酸化によって生じ、多くの方が気にする問題となっています。

加齢臭は年齢を重ねるとともに皮脂の成分が変化し、酸化されやすくなるためです。また、糖尿病や肝臓の疾患は、代謝の過程で特有のにおいを発生させるケースがあります。

さらに、高齢者は寝たきり生活になる方もいるため、入浴回数が減った結果、汗のにおいを洗い流さず放置する事態に陥ります。

40代を過ぎると、体だけでなく頭皮からもにおいが発生し始める傾向にあるため、肌の清潔さを保てるかが大切です。

排泄物のにおい

排泄物のにおいは、介護現場で頻繁に遭遇するにおいの1つです。

排泄物のにおいは、主に便や尿から発生しますが、その強さや特性は、利用者の健康状態や食生活、さらには飲んでいる薬の影響によっても異なります。

加えて、消化不良や感染症などの健康問題も、排泄物のにおいを変化させる要因となります

介護の現場では、排泄物のにおいがすぐに広がり、不快感を与える一方で見逃せないポイントにもなるのです。

排泄物のにおいは単に不快なだけでなく、衛生状態や健康問題のサインであるケースも少なくありません。

とくに、においがいつもよりも強い場合や、異なるにおいがする場合は、利用者の健康状態になんらかの変化が起きている可能性があります。

したがって、介護者は排泄物のにおいを放置せず、適切に対応する必要があるのです。

衣類や寝具のにおい

衣類や寝具に染みつくにおいは、主に汗や皮脂、尿や便などの体液が原因で発生します。

高齢者の肌は若い頃に比べて乾燥しやすく、皮脂の分泌量も変化するため、独特のにおいを発しやすく、衣類ににおいがこもります。

また寝具は、長時間の使用や洗濯の頻度が少ない点から、汗や皮脂が繊維に蓄積し、においが強くなるのです。

さらに、尿漏れや失禁がある場合は、尿が衣類や寝具に染み込み、アンモニア臭が発生するケースもあります。

においが染みつかないよう、寝たきりであったとしても、介護の現場においては定期的な洗濯をするのがおすすめです。

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食べ物や湿布などのにおい

介護の現場では、食べ物や湿布のにおいが混ざった「複合臭」も発生します。

食事でたとえると、介護の現場では利用者一人ひとりの好みや健康状態にあわせた献立が提供されるため、さまざまな料理のにおいが漂います。

食事環境が整った介護の現場であっても、複数の異なる料理が同時に提供されると、混ざり合ったにおいが発生するのです。

また、湿布のにおいについても、多くの高齢者が関節痛や筋肉痛の緩和のために使用するため、独特の薬剤臭が空間に広がります。

湿布のにおいが発生するのは、健康管理の一環として不可欠ですが、長時間にわたり漂うと、ほかの方にとって不快に感じる場合もあります。

とくに、換気が不十分な場合や、湿布を使用する人数が多い場合には、においが強くなる点が懸念されるため注意が必要です。

介護で発生するにおいの放置はNG!

介護において発生するにおいを放置するのは、衛生面だけでなく心理的な面でも大きな問題を引き起こします。

介護の現場で発生するにおいを放置した際に起こり得るリスクは、主に以下の通りです。

  • ほかの感染症や健康問題の兆候が発見できず早期治療ができなくなる
  • 尿や便のにおいが強い場合、皮膚のトラブルや感染症のリスクが高まる
  • 介護を受ける本人の尊厳を損なわれて精神的な負担が増す
  • 介護をおこなう家族やスタッフにとっても作業環境が悪化しストレスの原因となる
  • 介護の質が低下し本人とのコミュニケーションへの悪影響を及ぼす

上記はあくまで可能性ではあるものの、迅速かつ適切な対応が求められます。

においの発生源を取り除き、快適な環境を維持するためにも、においの原因を特定し、必要に応じて医療機関に相談するのも大切です。

介護で発生するにおいを対策するおすすめの方法

におい 対策

介護で発生するにおいを対策するには、以下の方法を講じるのがおすすめです。

  • こまめに換気をする
  • 消臭スプレーや消臭芳香剤を使用する
  • 洗濯や掃除を徹底する
  • 空気清浄機を設置する
  • 汗拭きや入浴の回数を増やす
  • アロマオイルを使う
  • 食生活を見直す
  • 排泄物の処理方法を見直す

すべてのにおい対策を一度に実施するのではなく、介護をする環境に取り入れやすい方法から試せるよう、ぜひ参考にしてください。

こまめに換気をする

介護の現場で発生するにおいを効果的に軽減するためには、こまめな換気が欠かせません。

換気をおこなうと、室内にこもったにおい成分を外に排出し、新鮮な空気と入れ替えられます。

とくに、トイレやお風呂場、寝室など、においがこもりやすい場所では、定期的な換気を心がけましょう。

換気のタイミングとしては、朝晩の涼しい時間帯や、日中の気温が安定している時期がおすすめです。

また、定期的な換気は室内の湿度調整にも寄与するため、カビや細菌の繁殖を抑える効果も期待できます。

気持ちをリフレッシュする一環も兼ねて、空気の入れ替えをおこないましょう。

消臭スプレーや消臭芳香剤を使用する

介護の現場で発生するにおいに対して、消臭スプレーや消臭芳香剤の使用も効果的な対策の1つです。

消臭スプレーや消臭芳香剤は、空間に漂う不快なにおいを中和し、心地良い環境を作り出すために設計されています。

それぞれの使い分けは、以下の表を参考にしてください。

製品タイプ 特徴 使用場所
消臭スプレー 即効性が高く、特定の場所や物に直接スプレー可能 トイレ、寝具、カーテンなど
消臭芳香剤 継続的に香りを放出し、長時間空間を爽やかに保つ 一般的な居住空間

また、消臭スプレーや消臭芳香剤は、介護用も存在します。

種類 特徴 消臭のメカニズム
一般的な消臭芳香剤 ・リビング、キッチン、玄関、トイレ、ゴミ箱などで使用 置き型消臭成分がニオイを中和または分解
介護専用消臭芳香剤 ・介護空間の複合臭に対応

・アンモニアをクエン酸で中和消臭

・感覚的消臭で悪臭を良い香りに変える

化学的消臭(中和)と感覚的消臭(ペアリング)

Amazonや楽天市場のような通販サイトでも販売されているため「介護用 消臭スプレー(消臭芳香剤)」と検索してみましょう。

洗濯や掃除を徹底する

介護環境でのにおいの発生を防ぐためには、洗濯や掃除の徹底が不可欠です。

まず、衣類や寝具は、においの元となる汗や排泄物が付着しやすいため、こまめな洗濯が必要です。

とくに、洗濯の際は消臭効果のある洗剤を使用すると、効果的ににおいを抑えられます。

また、乾燥させる際には、しっかりと天日干しをし、湿気を残さないようにするのも重要です。

掃除においては、トイレやバスルーム、キッチンなどの水回りは、においがこもりやすい場所なので、優先的に清掃をおこないましょう。

床やカーペットの清掃も忘れずにおこない、汚れを溜めないよう定期的に掃除機をかけるのも、におい対策に役立ちます。

さらに、カーテンのような布製品は、においを吸収しやすいので、定期的に洗濯やクリーニングをおこなうのもおすすめの対策です。

空気清浄機を設置する

介護環境において、においを効果的に抑制するための方法の1つに、空気清浄機の設置もあります。

空気清浄機は、空気中の微細な粒子や臭いの元となる物質をフィルターで除去する機能を持っています。

とくに活性炭フィルターを搭載したモデルは、臭いを吸着する能力が高いとされています。

介護現場で発生しがちな体臭や排泄物の臭い、さらには調理や洗濯時に発生するさまざまなにおいを大幅に軽減できるのです。

設置場所は、リビングや寝室などの場所を優先して設置すると、効果を実感しやすいでしょう。

さらに、空気清浄機はメンテナンスを定期的におこなえば、におい対策の効果を最大限に引き出せます。

フィルターの交換時期を守り、定期的に本体を清掃すれば、長期間にわたり快適な空気環境を維持できるでしょう。

関連記事:高度清浄加湿器「うるおリッチ」、介護施設で重宝―三協エアテック

汗拭きや入浴の回数を増やす

介護におけるにおい対策として、汗をこまめに拭き取ったり入浴の頻度を増やしたりするのも重要です。

汗には皮脂や老廃物が含まれ、皮膚表面で細菌によって分解された結果、においが発生します。

介護現場で発生するにおいを抑えるためには、清潔なタオルやウェットティッシュで定期的に汗を拭き取ると効果的です。

また、入浴は全身を清潔に保つためにも効果的な方法の1つです。

可能であれば、1日1回の入浴を心掛け、難しい場合でも週に数回はしっかりと体を洗うようにしましょう。

加えて、夏場や湿度の高い時期、汗をかきやすい季節は、汗拭きシートや制汗剤を活用し、常に身体を爽やかに保つよう心掛けましょう。

関連記事:手浴の手順を徹底解説|用意する物や注意点も紹介

アロマオイルを使う

アロマオイルも、介護におけるにおい対策に効果的です。

自然由来の香りが持つリラックス効果は、介護を受ける方の精神的な安定にも寄与します。

とくに、ラベンダーやティーツリーなどのアロマオイルは、リラクゼーション効果が高いと知られています。

実際にも、日本アロマ環境協会が2015年に公開した調査結果でも、脳がリラックス状態に発生する脳波であるα波が上昇したと発表されました。

つまり介護の現場において、アロマオイルを使うのは、におい対策になるだけでなく、ストレス継続にも寄与するのです。

使用するオイルの種類や香りの強さを調整し、利用者と介護者の双方が快適に過ごせる環境を整えていきましょう。

参考:公共財団法人日本アロマ環境協会「ラベンダー精油のストレス緩和作用」

食生活を見直す

介護の現場で発生するにおいの問題に対して、食生活の見直しは有効なアプローチの1つです。

たとえば、肉類や動物性脂質、にんにくなどは、体臭や口臭の原因となりうるため、食材の選び方が重要です。

にんにくや玉ねぎ、香辛料の多い食品は強いにおいを生じやすい一方で、野菜や果物を多く摂取すると、体内環境が整い、においの軽減が期待できます。

また、腸内環境を整えるために発酵食品や食物繊維を含む食材を積極的に取り入れるのも効果的です。

さらに、水分補給も不可欠で、適切な水分摂取は体内の老廃物を排出し、においの原因を減少させる助けとなります。

適切な食事の選択は、におい問題の軽減だけでなく、介護を受ける方の生活の質を総合的に向上させる可能性があります。

排泄物の処理方法を見直す

介護現場でのにおいの問題を軽減するためには、排泄物の処理方法を見直すのも重要です。

排泄物は、とくに尿や便から発生するアンモニアや硫化水素などの成分が原因で強いにおいを放ちます。

においの元を放置すると、においが広がり、施設や家庭全体の快適さを損なうだけでなく、衛生面でも問題を引き起こしかねません。

具体的には、以下のステップで排泄物処理をおこないましょう。

  1. 排泄物を専用の防臭袋で密閉し、屋外のゴミ集積所に廃棄する
  2. 手指の消毒を徹底し、使用したトイレや処理スペースを清掃・消毒する
  3. 消臭スプレーや空気清浄機を併用して空間のにおいを軽減する

また、排泄物は新聞紙に包んでから専用のゴミ袋に入れると、におい漏れの事態を軽減できます。

排泄物のにおいが気になる方は、処理方法の見直しにより、快適な環境を作り出すための重要なステップとなります。

現在の処理方法を再評価し、より効果的な対策を講じるのがおすすめです。

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介護で発生するにおいでお困りの方は施設入所も視野に入れよう【まとめ】

介護施設

介護現場でのにおいは、介護者にとって大きなストレスの一因です。においの原因には、排泄物や体臭、食品のにおいなどが考えられます。

においの発生を放置すると、衛生面だけでなく、精神的な負担も大きくなりがちです。におい対策としては、定期的な換気や消臭剤の使用、こまめな清掃が効果的です。

また、専用の消臭グッズを活用すると、においを軽減できます。さらに、家庭だけでの対応が難しい場合は、専門の介護施設への入所を検討するのも1つの方法です。

自分や家族が快適に過ごせる環境を整えるために、まずはできることから始めてみてください。

なお、いいケアネットでは「入居無料相談」を受け付けております。

「専門的な視点から介護で発生するにおい改善について支援を受けたい」方も含め、気軽にご相談ください。

この記事の監修者

いいケアネット事務局

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