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遠距離の介護費用はどれくらいかかる?内訳や負担を抑える方法も解説

「親が離れて暮らしているけど、介護の準備ってどれくらいお金がかかるんだろう…」
「遠距離介護の費用負担を少しでも軽くする方法が知りたい」

このような悩みをお持ちの方もいるのではないでしょうか?

遠方に住む家族の介護には、交通費・通信費・介護サービス費など、さまざまな費用が発生します。
その負担を抑えるには、割引プランや国や自治体の制度をうまく活用するのがポイントです。

本記事では、遠距離介護にかかる費用の内訳と、費用負担を軽くするための具体的な方法を解説します。自治体による給付制度や医療費控除の仕組みも紹介しているので、参考にしてみてください。

遠距離の介護にかかる費用の内訳【一覧】

遠距離介護では、移動や通信の出費が増えるため、在宅介護や近場での介護と比較すると経済的負担が大きくなる傾向にあります。

以下は、遠距離の介護にかかる費用の種類と具体的な内訳です。

費用の種類 具体的な内訳
交通費 車・電車・飛行機などの移動費
通信費 家族や専門職との連絡に必要な電話代や通信料
介護サービス費 訪問介護・ショートステイなどの介護サービス利用料
介護用品費 おむつ・ポータブルトイレ・入浴補助用品などのレンタル費・購入費
医療関係費 通院費・薬代・医療機器購入費 など
その他の費用 住宅のバリアフリー化における改修費

とくに交通費は、距離が遠ければ遠いほど高くなる傾向にあり、通う頻度が多い場合は費用が高額になるケースも珍しくありません。

また、通信費も遠距離の介護をする方に負担がかかりやすい費用です。安否確認や日常生活の相談といった遠隔でのサポートをする際に、電話やメールのやりとりが増えるからです。

それ以外の介護サービス費や介護用品費、医療関係費などにおいては、本人の介護を必要とする度合いや病院への通院回数によって異なります。

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遠距離での介護費用を抑える方法

介護費用は、国の介護保険制度や民間の割引サービスを活用すれば、ある程度は軽減できます。

ここでは、遠距離での介護費用を抑える方法を4つ紹介します。

  • 交通費
  • 通信費
  • 介護サービス費
  • 介護・医療費

順番に見ていきましょう。

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目次

【交通費】介護帰省割引を利用する

一部の航空会社では、介護帰省割引を提供しています。

以下は、介護で移動する方向けの運賃割引を実施している航空会社の一例です。
※リンクをタップすると公式サイトの詳細記事にジャンプします

移動手段に飛行機を利用する方は、覚えておきましょう。

電車や新幹線、高速バスなどの公共交通機関には、2025年4月現在では、介護目的の割引制度は確認できませんでした。

ただし、往復割引や早割、回数券などの一般的な割引を利用すれば、交通費の節約につながります。

【通信費】無料アプリ・割引を利用する

通信費を抑えるには、以下の方法が効果的です。

方法 詳細
無料アプリを利用する 無料で電話やビデオ通話ができるアプリを利用すれば、通話料がかからない
【無料アプリ一例】
LINE、Zoom、Skype
各通信会社の割引プランを使う ・60歳・65歳以上方向けの割引プランを用意している会社もあるため、利用すればコスト削減につながる
【割引プラン例】
・楽天モバイル:最強シニアプログラム
・Y!mobile:60歳以上 通話ずーっと割引キャンペーン
・UQmobile:60歳以上通話割
格安SIMに乗り換る ・格安SIMとは、大手キャリアの回線を借りて、低価格で通信費を提供するサービスのこと
・大手キャリア(NTTドコモ、au、ソフトバンクなど)から格安SIMの会社に乗り換えた場合、大幅な通信費コスト削減が期待できる

通信費は工夫次第で抑えられます。無料アプリを積極的に活用するほか、契約中の会社や料金プランを見直して、最適なプランへの切り替えを検討してみましょう。

【介護サービス費】要介護の認定を受ける

介護サービス費を抑える方法として、介護保険制度による要介護認定を受ける選択があります。

申請をして要支援1〜2、または要介護1〜5のいずれかに認定されると、訪問介護やデイサービスなどの支援を、費用の1〜3割の負担で受けられます。歩行補助杖や車椅子のレンタル、住宅で使う福祉用具の購入も支援の対象です。

また、保険適用により費用負担を抑えることで、施設入所の検討も視野に入れやすくなります。遠方に住むご家族が心配であれば、施設入所の選択も考えてみると良いでしょう。

大阪を中心とした高齢者向けの介護施設の情報を多数掲載する「いいケアネット」では、希望にあった介護施設を探すサポートをいたします。無料で利用できるので、登録してどんな施設があるかチェックしてみてください。

関連記事:
要介護認定を受けるには何が必要?申請先や具体的な方法を詳しく解説
介護保険申請のベストなタイミングはいつ?流れや必要なものを紹介

【介護・医療費】自治体の給付金制度を活用する

介護や医療にかかる費用を軽減する方法に、自治体が実施している給付金制度の活用があります。

代表的な制度は「高額介護サービス費制度」と「高額医療・高額介護合算療養費制度」です。

以下に2つの制度の特徴をまとめました。

制度 内容
高額介護サービス費制度 介護サービスにおける月の利用料が一定額を超えた場合に、上限を超えた分が払い戻される仕組み
高額医療・高額介護合算療養費制度 1年間にかかった医療と介護の自己負担額を合算し、定められた限度額を上回る金額が払い戻される仕組み

費用がかさみやすい遠距離の介護は、自治体の給付金制度を積極的に活用しましょう。

関連記事:
高額介護サービス費とは?わかりやすく対象サービスや申請方法を解説
家族の介護でもらえるお金は?ジャンル別に9つの制度を解説

介護費用が確定申告で医療費控除できるケース

確定申告で介護にかかる費用が控除の対象になるかどうかは、受けたサービスの内容によって決まります。

名の通り医療に関する費用が対象となり、以下の費用は医療費控除の対象です。

  • 病院の通院費や入院費
  • 歯科医院で受けた治療費
  • 治療を目的とした薬の購入費
  • 治療目的で使用するコルセットや松葉杖といった医療器具購入費 など

医療とは関係ない美容整形や、治療目的ではないサプリメント代などは控除対象外です。

介護サービスにおいては医療と連携しているサービスであれば、医療費控除の対象となります。

以下は医療費控除の対象となる介護サービスです。

  • 訪問看護
  • 介護予防訪問看護
  • 訪問リハビリテーション
  • 介護予防訪問リハビリテーション
  • 介護予防短期入所療養介護  など

参考:国税庁『医療費控除の対象となる介護保険制度下での居宅サービス等の対価

生活援助を中心とする訪問介護や、予防通所介護は医療行為にあたらないため、医療費控除の対象外です。

医療費控除を活用すると、節税効果により経済的負担が軽減されます。介護・医療サービスを受ける際は、医療費控除の対象かどうかを確認して、計画的に利用すると良いでしょう。

関連記事:老人ホームは医療費控除の対象になる?条件や対象外のサービスも紹介

遠距離での介護費用は割引や給付金制度を活用して負担を減らそう【まとめ】

遠方での介護は、介護そのものの費用だけでなく、移動や連絡に伴う負担も考慮しなければなりません。

本記事では、交通費や通信費を抑える方法や、介護費・医療費の負担を軽減できる国や自治体の制度を紹介しました。

できることから始めてみて、無理のない介護のかたちを探してみてください。

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監修者

一般社団法人全国介護事業者連盟 理事長会

斉藤 正行

一般社団法人全国介護事業者連盟理事長。立命館大学卒業後、複数の介護関連企業で要職を歴任し、日本介護ベンチャーコンサルティンググループを設立。講演活動やメディア出演も多数。

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