完治が難しいがんの遠隔転移

2018-01-11_10h18_28

 

「もう人生終わりだ・・・」と顔を青ざめさせる「がん」。かつては「不治の病」という印象がありましたが、がん検診の普及によって早期発見の確率が高まり、がん治療も日々進歩しており、完治するケースも増えてきています。

 

しかし、完治が難しいケースもあり、日本人の4人に1人以上はがんで亡くなっています。(厚生労働省)

完治が難しいケースとして「遠隔転移」があります。

遠隔転移とは

発生したがん腫瘍から、がん細胞が血液やリンパ液を伝って他の臓器や骨などで新たな腫瘍を作りだす段階のこと。この新たながん腫瘍は確認できない程小さく全身に広がるため、一部を手術で切除しても再発を繰り返し、完治は難しいとされてる。

化学療法の抗がん剤なども、一時的には増殖を抑えることができても、がん細胞は抗がん剤に対して体制を獲得し、増殖が再開する。

 

がんで亡くなることは珍しくなくなってきており、がんが発症しても周囲に受け止められてきているのは確かです。さまざまな施設や在宅などでがん患者の看取りも行われています。

 

 

 

がん治療の変化

 

がん治療というと、抗がん剤の強い副作用やがんによって痛みで苦しみながら死を迎えることも多かったですが、現在は支持療法の効果により最後の数週間までは見た目には大きな変化なく生活できるようになりました。

 

支持療法とは

がんによる痛みや治療によって生じる副作用を和らげるための治療のこと。かつては末期患者が対象とされていたが、現在では治療開始直後から必要に応じて行うのが一般的となっている。精神的な不安にも対応し、痛み止めや吐き気、倦怠感などを抑える薬物の投与などが行われる。

 

 

しかし、最後が近づいてくると患者の状態は一変します。強い倦怠感や食欲の低下、筋力の低下などで日常生活を送るのが難しくなってきます。このような変化に本人も家族も戸惑っているうちに、ぼーっとしている状態や時間や空間の認識が難しくなる「せん妄」という状態になってしまいます。8割近くの患者がこの状態になると言われています。

 

 

 

 

遠隔転移への家族の理解

 

がんの「遠隔転移」と医師から宣告されても、なかなか受け入れられないご家族もいらっしゃいます。患者は急変する体調に戸惑い、不安になり、本来の意志とは反することを言葉にしたり、態度をとることもあります。ご家族はその発言や態度を、死を目前に表した本心だと勘違いし、患者の死後も引きずってしまうケースもあります。

 

このような患者の状態は死を迎えるまでのよくあるプロセスであり、それをご家族が理解しておく必要があります。(事前に医師からご家族に説明することが大切になります。)

 

がんの終末期患者の多くは「遠隔転移」という状態と診断されたあとでも、しばらくは大きな変化なく生活を送ることができることで、ご家族が「遠隔転移」という診断を正しく受け止められているかどうか疑問に思う医師もいます。

 

告知のショックによって、なかなか現実を受け止められないご家族もみられます。

 

いずれにせよ、ご家族や患者が、がんの状態やこれから起こることをしっかり理解しておくことが、残された時間を有効に過ごす為に大切です。

その為にも、医師だけでなく看護師を中心とした医療職が日常のケアなどから患者や家族との間に信頼関係を築く必要があるでしょう。

この記事の監修者

いいケアネット事務局

突然倒れた、転んで頭を打ったなど、ご自身やご家族の介護を身近に感じるきっかけはそれぞれです。 いいケアネットでは、いざという時のために知っておきたい介護の知識についてご紹介します。

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