「介護保険で手すりを設置できる?」
「補助金の申請方法はどうしたら良い?」
このような悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。
転倒リスクを回避したり、普段の生活をスムーズに過ごせるようにするためにも、高齢者のために手すりを設けるケースは良く見られます。一定の条件を満たせば、高齢者のための手すり工事を介護保険でカバーできます。
本記事では、介護保険を適用して手すりを設置する費用や、補助金の適用条件を紹介します。申請方法についても解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
介護保険を適用して手すりを設置する費用相場
自宅内に設置する手すりに介護保険を適用すれば、改修にかかった費用の8〜9割が介護保険でカバーできます。
ここでは手すりを設置するケースが多い箇所と、設置費用の相場について紹介します。
- 玄関
- 廊下
- 階段
- 浴室
- トイレ
- 置き型
介護保険の適用が認められれば、設置費用の1〜3割の自己負担額で設置できる可能性があります。
大阪を中心とした高齢者向けの介護施設の情報を多数掲載する「いいケアネット」では、介護保険や介護サービスの情報を「いいケアジャーナル」で随時更新中!
玄関
玄関に設置する手すりの費用相場は、以下のとおりです。
費用 | 約1万〜4万円 |
保険適用後 | 数千円~1万円程度 |
玄関の形状によって支柱を打ち込む工事が発生した場合、手すり自体の費用を含めて10〜13万円が目安で、そのうち7割〜9割が介護保険から給付されます。
玄関に設置される手すりは、以下のような種類があります。
水平型手すり | 地面に対して水平に取り付ける |
I字型手すり | 地面に対して垂直に取り付ける |
L字型手すり | 水平型とI型を組み合わせている |
支柱型手すり | 地面に取り付ける |
据え置き型手すり | 工事不要の据え置き型 |
玄関の限られたスペースでは、1m以内の長さの手すりを使う場合がほとんどです。
廊下
廊下に設置する手すりの費用相場は、以下の表のとおりです。
費用 | 6万~8万円程度
※1mあたり約1万〜3万円 |
保険適用後 | 1万円~2万円程度 |
廊下に設置される手すりには、玄関と同様に以下の種類があります。
- 水平型手すり
- I字型手すり
- L字型手すり
廊下では間取りや必要な長さによって総費用に変動があり、壁の補修工事や手すりのデザインによっては、さらに追加費用がかかる場合があります。
階段
1階から2階まで階段に設置する手すりの費用相場は、以下のとおりです。
費用 | 5万~10万円程度 |
保険適用後 | 1万円~3万円程度 |
費用目安は、木製の手すりを片側のみに設置した場合です。安全面を考慮して、左右両方に取り付けると、さらに費用は上がります。
階段によく設置される手すりを、以下の表にまとめました。
I字型手すり(縦手すり) | 階段の昇降に対して垂直で、身体を支える |
L字型手すり | 階段の方向転換時や、水平移動を支える |
連続手すり | 階段に全体的に設置する |
階段では転倒リスクが高まるため、滑りにくく握りやすい手すりが選ばれます。木製、金属製、樹脂製などがあります。
浴室
浴室に設置する手すりの費用相場は、以下の表のとおりです。
費用 | 2万~3万円程度 |
保険適用後 | 数千円程度 |
浴室には、以下の種類の手すりがよく使われます。
- 水平型手すり
- I字型手すり
- L字型手すり
- 逆T型手すり
- 可動式手すり
可動式手すりは、使うときだけ広げる折りたたみ式で省スペースですが、他の手すりよりも高価になる傾向です。
浴室は滑りやすく、転倒リスクが高まるため状況に応じて適切な手すりを選びましょう。
トイレ
トイレに設置する手すりの費用相場は、以下の表のとおりです。
費用 | 3万~10万円程度 |
保険適用後 | 数千円~3万円程度 |
トイレには、以下の種類の手すりがよく使われます。
- I字型手すり
- L字型手すり
- 可動式手すり
トイレでは立ち座りだけなのか、車椅子からの移動もあるのかどうかで、選ぶ手すりは変わります。
個室内の動き方に対して、複数個所に設置したが良いのか、スペースは取れるかなど計画した上で取り付けましょう。
「生活リハビリ」の意味と具体的な方法、リハビリを続けるコツを紹介!
置き型
置き型は床に置いて使用する手すりで、工事をせずに設置でき以下のような特徴があります。
- 壁や床への固定が不要
- 高さ調整や移動が可能
- ベッドや椅子の近くなど使用パターンが自由
レンタル費用の相場は、以下の表のとおりです。
費用 | 4,000~8,000円程度/月 |
保険適用後 | 数百円程度 |
置き型手すりのレンタル費用は、介護保険の福祉用具貸与の対象となる場合があります。
手すりの費用にかかる介護保険の適用条件
手すりの費用に介護保険が適用されるための主な条件は、以下のとおりです。
- 介護保険の認定を受ける
- 自宅の改修をする
- 手すりをレンタルする
順番に見ていきましょう。
介護保険法をわかりやすく解説|目的や制度の仕組み、最新の改正まで
介護保険の認定を受ける
介護保険の認定を受けるためには、まず自治体の窓口で申請する必要があります。市町村担当課、もしくは地域包括支援センターに相談してください。
後日、担当者が訪問調査に来て、自宅や生活導線、心身の状態などをチェックする認定調査がおこなわれます。
その後、介護認定審査会を経て「要支援」「要介護」が認定となります。なお、支給内容は要支援1と2については「予防給付」要介護1〜5については「介護給付」です。
申請から認定の通知までは、原則として30日以内におこなわれます。
要介護認定までの流れ、介護保険制度、要支援と要介護の違いについて | 有料老人ホーム・介護施設を探すなら【いいケアネット】公式
自宅の改修をする
介護保険では、手すり設置のために自宅の改修をすると、住宅改修のためのお金として支援を受けられます。
ただし、住宅改修にかかった費用を全て、介護保険で賄えるわけではありません。手すりの設置といった小規模であれば、改修にかかった費用の8〜9割が介護保険でカバーできるものの、支給金額には上限があります。
介護保険として支給される金額は20万円が上限です。つまり、住宅改修が20万円程度であれば自己負担額は2万円です。
(自己負担額1割の場合)万が一、住宅改修に25万円かかってしまったら、上記の2万円に加え超過分の5万円も支払わなければならず、合計して7万円の出費となってしまいます。
なるべく自己負担額を減らしたいと考えているのであれば、介護保険の支給上限額以下の改修を計画しましょう。
手すりをレンタルする
手すりをレンタルすると「福祉用具貸与」として、介護保険の補助を受けられます。
保険の適用条件は、要支援1・2または要介護1〜5の介護認定です。レンタルの前にケアマネジャーに相談し、ケアプランを作成してもらう必要があります。
万が一、ケアプラン作成の前に自分で手配してしまうと、介護保険が適用されない可能性もあります。
無事に申請が下りれば、レンタル費用の7割〜9割を負担してもらえます。
介護保険で手すりをつける際の補助金の申請方法
介護保険で手すりをつける際の補助金は、以下のステップで申請します。
- 要介護認定を受ける
- ケアマネジャーに相談する
- ケアマネジャーや住宅改修事業者と住宅改修プランを作成する
- 自治体の窓口に、事前申請する
- 自治体の審査・承認通知を待つ
- 手すりの取り付け工事をする
- 施工業者に工事費用を全額支払う
- 自治体の窓口に書類を提出し、事後申請する
- 介護保険の給付金が振り込まれる
ケアマネジャーへの相談や、事前承認前に工事を開始すると、介護保険の給付対象外となってしまう点に留意しましょう。
介護保険で「手すり」を設置する際の注意点
介護保険で自宅を改修して「手すり」を設置する際には、以下のような注意点があります。
- 介護保険は工事の前に申請する
- 支給の対象とならない「手すり」もある
- 介護保険以外の補助金制度もある
思わぬトラブルに悩まされないためにも、住宅を改修する前にチェックしておきましょう。
介護保険は工事の前に申請する
補助金の申請方法で紹介したように、介護保険は工事の前に申請が必要です。
手すりの工事だけであれば、比較的安価なため介護保険を利用しないまま工事を始めるケースがあります。
しかし、後から介護保険を利用しても、改修が済んでしまっていると、支給を受けられないケースがほとんどです。
そのため、介護保険の利用を検討しているのであれば、改修前に申請して支給確定を待たなければなりません。
支給の対象とならない「手すり」もある
介護保険では手すりの設置に対して、一定額の費用を支給していますが、中には支給対象外となる手すり設置もあります。
それが「工事を伴わないもの」です。
トイレの便器周辺に据え置いて使うような手すりは、工事をしないため介護保険が適用されません。
あくまでも「改修費用」に介護保険が適用するため注意しましょう。
介護保険以外の補助金制度もある
自治体によっては、独自に介護関連の給付をおこなっているところもあります。
要介護や要支援認定を受けている高齢者のために、手すりを設置する場合、介護保険以上の金額が支給される、対象となる範囲が介護保険より広いなどの補助金制度が利用できる場合もあります。
介護保険を活用する前に、自治体などの制度や保険内容をチェックしてみると良いでしょう。
介護保険の補助金や手すりの費用を把握して設置を検討しよう【まとめ】
住宅への手すりの取り付け工事または、手すりをレンタルする場合には、条件を満たせば介護保険の適用が受けられます。
手すりの費用に介護保険の補助金を申請するには以下の条件を満たす必要があります。
- 介護保険の認定を受ける
- 自宅の改修をする
- 手すりをレンタルする
階段の上り下りや、浴室・トイレなど住宅内での転倒リスクを軽減するために必要とみなされれば、介護保険で安価に手すり設置ができます。
補助金を申請するステップどおりで設置しなかった場合、全額実費で負担するケースもあります。
現在、手すりの設置を始めとした、高齢者のための住宅改修を検討している方は、本記事を参考にしてみてください。
大阪を中心とした高齢者向けの介護施設の情報を多数掲載する「いいケアネット」では、介護保険や介護サービスの情報を「いいケアジャーナル」で随時更新中!

この記事の監修者
いいケアネット事務局
突然倒れた、転んで頭を打ったなど、ご自身やご家族の介護を身近に感じるきっかけはそれぞれです。 いいケアネットでは、いざという時のために役立つ介護の知識や介護施設についてご紹介します。