介護が必要になったとき必ず用意しなければならない介護ベッドですが、種類が多いことからどれを選べばいいのか悩んでしまうこともあるのではないでしょうか。
今回は、介護ベッドを購入するときに注目すべきポイントを中心に、最適な選び方のポイントをご紹介していきましょう。
ベッドの幅を選択する
まず、選ばなければいけないのはベッドの幅です。
介護ベッドの幅は一般的に、83cm、91cm、100cmの3種類で展開されています。
どれもあまり違いがないように思えるかもしれませんが、ベッドの幅が変わると寝返りのしやすさや介護のしやすさが変わってしまうため、最適なサイズを選びましょう。
まず、83cmのベッドは比較的小さめに作られていることから、介護ベッドを置くスペースが限られている環境でも使えます。
身体を抱えたり手を貸したりする際にも、身体を近づけやすいという魅力があります。
一方で、自力での寝返りが問題なくできる人の場合には、寝返りの際にやや狭く感じられるというデメリットもあります。
91cmは、一般的なベッド幅として広く親しまれているスタンダードなサイズです。
身体が大きすぎることも小さすぎることもない人であれば、問題なく使えるでしょう。
100cmになると、大きめサイズであることから身体が大きい人でも心地よく使えることが魅力です。
一方で、設置の際にスペースが必要になるほか、ベッドの外から身体を寄せにくいため介護もややしにくくなる可能性があります。
ベッドの長さを選択する
幅に続いて、介護ベッドの長さもしっかり選ぶ必要があります。
一般的には180cm、191cm、205cmという3パターンで展開されていますので、身長を参考にしながら最適なベッドを選びましょう。
身長が150cm未満であればもっとも小さい180cmタイプがおすすめです。
反対に、175cm以上ある高身長な人なら200cm以上のタイプを選びましょう。
150cmから175cmのあいだに当てはまる人であれば、もっともスタンダードなサイズで問題ないでしょう。
マットレスを選ぶ
ベッドの幅と長さが決まったら、それを参考にマットレスを選んでいきましょう。
スタンダードなベッドよりも小さい、もしくは大きいベッドを選ぶ場合には、マットレスのサイズと合わない可能性があるため慎重にサイズ選びをしてください。
あわせて確認したいのが、マットレスの硬さや素材です。
硬すぎるマットは身体を圧迫しすぎる可能性がありますが、柔らかすぎると自力での寝返りをしにくくなってしまいます。
できれば、実際に触ってみたり、横になってみたりしながら本人が心地よいと思えるマットレスを探したいものです。
素材には、空気で膨らませるエアータイプ、ウォータータイプなどがあります。
これらのベッドは空気や水の力で身体を浮かせることで、体圧を分散してくれます。
さらに、ウレタンやゲルが入っているタイプは身体にしっかりフィットしてくれるため、寝返りをサポートしてくれるでしょう。
モーターを選択する
介護ベッドならではの選び方のポイントとなるのが、ベッドに搭載されているモーターです。
モーターによって、立ち上がったり座ったりという動作をサポートする「高さ調節機能」、起き上がりをスムーズにする「背上げ機能」、座り姿勢を快適にする「膝上げ機能」などが使えるようになります。
1モータータイプなら、簡単な操作で背中を預ける部分や足部分の角度を調整できるようになります。
それに対し2モータータイプでは、高さや角度を別々に操作し、設定可能です。
日常生活にあまり支障がない人や、ベッドに身体を預けていれば自分の力で座っていられるという人なら、1モータータイプや2モータータイプで問題ないでしょう。
3モータータイプでは、高さのほかにも背もたれの角度や足の角度などをさらに細かく調整できます。
身体がなかなか動きづらい人でも、それぞれのパーツを細かく調整できる3モータータイプなら、楽な姿勢をキープしやすくなります。
本人の身体の状態や、どのくらい座位保持ができるかを考慮しながら、ぴったりな介護ベッドを選びましょう。
組み合わせるテーブルを選ぶ
介護ベッドには、多くの場合ベッドサイドテーブルを組み合わせます。
そのため「柵のあるベッドを選ぶとテーブルと組み合わせづらい」、「落下防止を重視したいから柵は外せない」など、テーブルとの相性も踏まえて介護ベッドを選ぶ必要があります。
テーブルにはベッドをまたぐように配置できるアーチタイプのものや、ベッドの背もたれを起こした状態でも使えるコの字タイプのものなどもあります。
使いたいテーブルタイプが決まっている場合には、組み合わせることを前提に介護ベッドを選びましょう。
まとめ
種類豊富に展開されている介護ベッドだからこそ、一人ひとりにあった製品を選ぶことができます。
介護ベッドを選ぶときには本人の目線はもちろん、介護をする人の目線も踏まえて使いやすいものを探してみましょう。
この記事の監修者
いいケアネット事務局
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