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親への仕送りは贈与になる?申告の必要性と注意点

親に仕送りしたいけれど、贈与になってしまわないか気になる…といった不安を抱えている方は少なくありません。
親の生活を援助したいから、と仕送りを検討するものの、贈与税の支払い義務がかかるのではないかと踏み出せずにいる方は多いものです。
実際のところ、仕送りは「贈与」としてみなされるのでしょうか。
本ページでは、親に仕送りしたら「贈与」と見なされるのか、申告の必要はあるのかなどについて解説します。

目次

仕送りは贈与になる?

仕送りは贈与として見なされるのでしょうか?
結論から言いますと、仕送りは贈与として見なされることはありません。あくまでも「必要な生活資金を送った」というだけですので、贈与として見なされることはなく、もちろん非課税です。
また、生活資金としてだけではなく、介護サービスの支払いのための費用や生活に必要なものを購入するための費用などを送った場合も「仕送り」となりますので、申告及び税金の支払いが不要です。

仕送りと贈与の違い

仕送りと贈与は、いずれも家族に送るお金であり、似たような意味を持ちます。
しかし、仕送りには税金が課せられない一方、贈与には「贈与税」が存在しているため、税金が課せられます。
ここからは、仕送りと贈与の明確な違いについて解説します。

仕送り

仕送りは、原則「生活費」の名目で送るお金のことです。例えば、食費やライフラインの支払い、家賃などの支払いに充てるためのお金であれば「仕送り」として見なされます。
ただし、「仕送り」として見なされるのは、あくまでも「別居している家族に送るお金」のことであり、同居している家族への送金は贈与となってしまいます。
ちなみに、親から子に仕送りをする場合は、生活費の他「教育費」も仕送りに含まれます。

贈与

贈与は、無償で一方に与えるお金のことであり、用途は生活費や教育費である必要はありません。
例えば、単純に「お小遣い」の感覚で送金したり、高額な買い物に充てるための費用のための送金の場合は、贈与として見なされます。
「仕送り」の名目で送金したとしても、上記のように使い道によっては「贈与」となり、贈与税が課されます。
なお、贈与として見なされるのは「投資目的の送金」「預金目的の送金」「不動産の購入費用のための送金」などが挙げられます。

仕送りの注意点

親に仕送りをする場合、いくつか注意点があります。思いがけず「贈与」として見なされないためにも、ここからの内容をしっかりとチェックし、理解しておきましょう。

用途によっては贈与となる

仕送りする場合の注意点として、まず挙げられるのが「用途によっては贈与となる」です。
仕送りの名目でお金を送っても、使い道が「家の購入」「株式購入」などの場合は、贈与と判断されます。
贈与でありながら、仕送りとして送金し、税金を免れようとすると罰則を科せられるため注意しなければなりません。
仕送りする際には、必ず親と「お金の用途」について話し合い、仕送りに該当するかを慎重に検討したうえで、送金しましょう。

金額が高すぎると贈与となる場合がある

仕送りとして送金する金額が高すぎると、贈与となる場合があります。
基本的に、仕送りは「生活に必要なお金」が該当します。しかし、生活に必要なお金を大きくかけ離れるような高額な送金は仕送りにはならないケースがあるのです。
そもそも、仕送りは「夫婦や親子、兄弟姉妹など、扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で通常必要と認められるもの(国税庁)」と定めているため、必要以上の送金は贈与と見なされるかもしれません。
仕送りとして送金したい場合は、親の実際の生活費を確認しておくことをおすすめします。

必要に応じて家族を「扶養」する

仕送りを送る場合は、必要に応じて別居している家族を「扶養家族」にすることをおすすめします。
親を扶養することで、所得控除が増えるため節税対策になるのです。また、親が医療機関に入院していたり、介護施設を利用していたりする場合は、自身の医療費で控除を受けられるため、経済的な負担を軽減することができます。
ただ仕送りするだけよりも、親も自身も経済的な負担を軽くなるため、可能であれば別居している親を扶養することをおすすめします。

おわりに

親への仕送りは子供にとって重要なことです。しかし、贈与と見なされて、贈与税の支払いが必要となってしまうのは避けたいのが事実。
とはいえ、現状は生活に必要なお金であれば、贈与と見なされることはないため、申告及び税金の支払いは必要ありません。
現在、親への仕送りを検討している方は、本ページを参考にしながら仕送りと贈与について、今一度理解を深めておきましょう。

この記事の監修者

いいケアネット事務局

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