「三世代で訪れやすい温泉地はないか」「関東近郊でおすすめの目的地はどこか」など、三世代での旅行を検討しつつ、どこに行けば良いのか迷っている方は多いでしょう。とくに、小さな子どもが一緒の場合は、利用できる宿泊先が限られてしまいます。
今回は、三世代旅行におすすめの関東近郊の温泉地をご紹介します。快適な三世代旅行を実現するために、ぜひ参考にしてみてください。
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三世代旅におすすめの温泉地6選
三世代旅行におすすめの関東近郊の温泉地について見ていきましょう。
- 那須温泉(栃木県)
- 草津温泉(群馬県)
- 箱根温泉(神奈川県)
- 万座温泉(群馬県)
- 仙石原温泉(神奈川県)
- 鬼怒川温泉(栃木県)
- 小湊温泉(千葉県)
- 秩父温泉(埼玉県)
それぞれの特徴や泉質、周辺の観光スポット、アクセスなどをまとめているので、旅行先選びの参考にしてください。
那須温泉(栃木県)
栃木県北部に位置する「那須温泉」は、避暑地としても有名な温泉地で、ゴールデンウィークには家族連れでにぎわいます。那須温泉地周辺には、多くのレジャースポットがあり、宝石探しや遊園地、プール、動物園など、温泉以外にも楽しめます。
また、那須は四季折々の自然が満喫でき、美しい景観を堪能しながら温泉に浸かれるのも魅力です。都内からのアクセスが良好で、車利用であれば約2時間、新幹線やバスなどの公共交通機関を利用しても約2時間半で到着します。
那須温泉は、「温泉に行きたいけれど、祖父母の体への負担が気になって遠出ができない」といった方におすすめです。
草津温泉(群馬県)
「草津温泉」は、豊富な湯量で知られています。掛け声をかけながら木の板で湯をかき混ぜる「湯もみ」を見られる温泉地としても有名で、国内外問わず多くの観光客でにぎわっています。草津温泉は群馬県に位置する温泉地で、都内からは車で約3時間とアクセスも良好です。
ちなみに、草津温泉の泉質は殺菌力が高いといわれています。あらゆる病を治すといわれるほどの強力な殺菌力であることから、病を抱えやすい祖父母との旅行にもおすすめです。質の良い温泉で、日々の疲れを癒してみてはいかがでしょうか。
箱根温泉(神奈川県)
1200年もの歴史を持つ「箱根温泉」は、都内からわずか車で1時間半ほどのアクセスの良さが魅力です。箱根温泉は、江戸時代から「温泉」として有名な観光地で、今もなお人気が衰えることなく、多くの観光客がおとずれる注目スポットになっています。
箱根の温泉地には、数多くの温泉宿が並んでいるため、家族に合った宿泊施設を選べるのもポイントです。温泉地を思わせる和室や、斬新なデザインの洋室などあらゆる温泉宿があり、なかにはお年寄りや子連れへのサービスが充実しているところもあります。祖父母や子どものために、サービスが行き届いた施設を選ぶのも良いでしょう。
ちなみに、箱根温泉は宿泊だけではなく「日帰り温泉」でも有名な温泉地です。「忙しくて宿泊する時間がとれない」「祖父母への負担が不安」などの悩みを抱えている方は、宿泊せずに日帰りで楽しむのもおすすめです。
万座温泉(群馬県)
「万座温泉」は、草津温泉同様に群馬県に位置しています。日本有数の高山温泉郷で白根山の麓、海抜1,800mの温泉が特徴です。一般的な温泉とは異なり、白く濁った濃厚なお湯が特徴で、代謝の促進効果が期待できるといわれています。
「肌のくすみ対策」「肌のシミ対策」「デトックス効果」などが得られるため、健康面に良い影響をもたらします。万座温泉は健康面に不安のある祖父母との三世代旅行で、おすすめしたい温泉地の一つです。万座温泉ならではの「山の景観」を楽しみながら、ゆっくりと温泉に浸かってみてはいかがでしょうか。
仙石原温泉(神奈川県)
箱根二十湯の一つである「仙石原温泉」は、自然豊かでリゾート地としての人気も高い温泉地です。乳白色のお湯が特徴で、体を深部までしっかりと温めます。仙石原温泉では、数多くのリゾート地が営業していて「非日常体験」ができるのが特徴です。美しい自然を満喫しながら、日々の喧騒を忘れられます。
仙石原温泉ならではの、ゆったりと落ち着いた雰囲気は、祖父母にも喜ばれること間違いなしです。三世代旅行の行き先として検討してみてください。
鬼怒川温泉(栃木県)
観光地「日光東照宮」の近隣に位置するのが「鬼怒川温泉」です。鬼怒川の渓谷沿いには、大規模な宿泊施設が立ち並び、鬼怒川の街並みとして広く知られています。
鬼怒川温泉はアルカリ性単純泉で、刺激が少なく、肌にやさしいのが特徴です。そのため、小さな子どもやお年寄りでも安心して入れます。肌への普段が少ないものの、お肌をツルツルにしてくれる効能があり、ママにも嬉しいおすすめの温泉です。
都内からは、電車で1本のアクセスの良さが魅力です。約2時間で到着するため、ちょっとした日帰り旅行としてもおすすめです。
小湊温泉(千葉県)
千葉県鴨川市に位置する「小湊温泉」は、太平洋を一望できる開放感あふれるロケーションが魅力の温泉地です。周辺には「鴨川シーワールド」や「誕生寺」といった観光地もあり、子どもから大人まで楽しめるスポットが充実しています。季節によっては菜の花やアジサイ、紅葉など自然の美しさも感じられ、心身ともにリフレッシュできるでしょう。
代表的な泉質は塩化物泉で、保温効果が高まるほか、筋肉や関節の慢性的なこわばりや冷え性などにも効果があります。
海岸沿いに立ち並ぶ温泉宿の多くには、海を見渡せる露天風呂もあります。また、地元で獲れた新鮮な海の幸をふんだんに使った料理も旅の楽しみの一つです。
都内からは車で約2時間、電車でも約2時間とアクセスも良好なので、週末の気軽な三世代旅行としてもおすすめの場所です。
秩父温泉(埼玉県)
「秩父温泉」は埼玉県西部の山々に囲まれた自然豊かなエリアに位置しており、首都圏に近い温泉地の一つとして知られています。春には芝桜の名所「羊山公園」、夏は川遊びやホタル観賞、秋は「三峯神社」周辺の紅葉、冬は「夜祭」など、年間を通じて楽しめるイベントや観光地が豊富です。
秩父の温泉はアルカリ性単純泉や炭酸水素塩泉など、肌にやさしい泉質が多いのが特徴です。温泉宿も旅館からホテル、民宿までバリエーション豊かで高齢者に配慮された設備が整っているところもあります。
都心からは車で約1時間半、電車を利用しても約2時間とアクセスも良好です。自然と温泉を同時に楽しめる秩父温泉は、三世代旅行の行き先として魅力的な温泉地です。
三世代旅行を計画する際のポイント
充実した三世代旅行を実現するためは、以下の6点を押さえ、無理のない計画を立てるようにしてください。
- アクセスが良い場所を選ぶ
- 幅広い年代が楽しめる行き先を選ぶ
- 着席スタイルの食事ブランにする
- プライバシーに考慮して部屋割りする
- 予算やお金の使い道をすり合わせる
- 必要に応じて介護旅行サービスを利用する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.アクセスが良い場所を選ぶ
三世代旅行の行き先を決めるときは、アクセスが良い場所を選ぶのがおすすめです。祖父母がいる場合、長時間の移動は大きな負担になりかねません。
家族の健康状態にもよりますが、2〜3時間以内でアクセスできる場所を目安に選ぶと良いでしょう。
たとえば、高速道路のインターチェンジに近い温泉地であれば、車でのアクセスがスムーズです。また、新幹線や特急電車の停車駅に近い観光地なら、公共交通機関を使ってもアクセスがしやすく便利です。なかには、バス送迎している宿泊施設もあるので、確認してみてください。
2.幅広い年代が楽しめる行き先を選ぶ
三世代旅行は、世代を問わず楽しめる行き先を選びましょう。それぞれの年代にあわせた観光スポットがあれば、旅の満足度が向上します。
たとえば、祖父母には、神社仏閣や自然公園、足湯スポットなどがおすすめです。一方、小さな子どもがいる場合は、水族館や動物園、体験型施設などが近くにあると喜ぶでしょう。また、雨でも楽しめる屋内施設もリストアップしておくと安心です。
▼ 高齢者と子どものふれあいの効果については、以下の記事を参考にしてください。
高齢者と子どもが交流できる遊び10選!盛り上がるゲームやふれあいの効果も解説
3.着席スタイルの食事プランにする
三世代旅行のときは、着席スタイルの食事プランがおすすめです。ビュッフェ形式だと何度も立ち上がって移動する必要があるため、疲れたり落ち着いて食事ができなかったりする可能性があります。
旅館やホテルの部屋食や、個室会場を利用できる食事プランだと安心です。また、家族の健康状態によっては、柔らかい食事や減塩メニューへの対応可否も確認してみてください。子ども用の食事メニューを用意している旅館やホテルもあるので、必要に応じて依頼しましょう。
▼ 減塩対策のポイントについては、以下の記事を参考にしてください。
4.プライバシーに考慮して部屋割りする
三世代旅行を計画する際は、プライバシーに考慮した部屋割りも大切です。祖父母と子どもが一緒に過ごす時間も大切ですが、それぞれが適度にくつろげる空間を確保すると旅の満足度が高まります。
たとえば、コネクティングルームや和洋室2間続きの部屋を利用したり、宿泊先によっては家族ごとに別室を予約するといった選択もおすすめです。また、祖父母のためには静かで落ち着いた部屋を用意するといった配慮もできると良いでしょう。
5.予算やお金の使い道をすり合わせる
人数が多い三世代旅行では、旅行費用の分担や使い方について事前にすり合わせておくと、トラブルの回避につながります。宿泊費や交通費、食費のほか、観光にかかる費用なども含めておおよその予算を決めておきましょう。
たとえば、状況に応じて祖父母が旅費を負担するパターンもあれば、子どもの親世代が調整して費用を分担するケースも考えられます。行き先や宿泊先を選ぶ段階から、「一人あたりの予算はいくらか」「旅先では何を重視したいか」などを話し合ってみてください。
6.必要に応じて介護旅行サービスを利用する
車いすの利用や入浴のサポートを必要とする方がいる場合は、専門サービスの利用がおすすめです。必要なサポートを受けられると、その分、家族みんなで安心して旅行が楽しめます。必要に応じて、入浴介助や移動のサポートがある「介護付き旅行プラン」も検討してみてください。
また、宿泊先を選ぶ際は、エレベーターや介護リフトの完備、手すり付きトイレ、段差が少ない客室など、バリアフリー対応の旅館やホテルを選ぶこともポイントです。
なお、大阪を中心に、多数の高齢者向けの介護施設の情報を掲載する「いいケアネット」では、老人ホームに関する疑問やまつわる情報を「いいケアジャーナル」で随時更新中です。
関東エリアでの三世代旅行なら温泉地がおすすめ【まとめ】
今回は、三世代旅行におすすめの関東近郊の温泉地を紹介しました。
たまには、親子だけではなく、祖父母も一緒にゆっくりと旅行を楽しみたいものです。三世代旅行を計画する際は、アクセスが良い場所や幅広い年代が楽しめる観光スポットがある行き先を選ぶのがおすすめです。
三世代旅行の行き先に悩んでいる方や、祖父母の体への負担に不安がある方は、今回の記事を参考にしながら、家族にピッタリの温泉地へのお出かけを検討してみてください。
監修者 一般社団法人全国介護事業者連盟 理事長会 斉藤 正行
一般社団法人全国介護事業者連盟理事長。立命館大学卒業後、複数の介護関連企業で要職を歴任し、日本介護ベンチャーコンサルティンググループを設立。講演活動やメディア出演も多数。