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台湾の高齢化を支える「外国人による介護」は全体の約3分の1

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日本では、介護・福祉分野での人手不足は深刻になっています。この問題を改善するために処遇改善や、勤続している介護福祉士への給与の引き上げなどが行われており、外国人が日本で働けるような制度改正も少しずつ進んでいます。しかし、外国人による介護が占める割合は小さいです。

この深刻な人手不足を解決している国が、同じ東アジアにある台湾です。台湾では、インドネシアやフィリピン、ベトナムなどから家庭滞在型の介護人材を積極的に受け入れ、その数は約25万人です。

 

台湾の高齢化率は2017年現在でおよそ13%で、日本より遥かに低いですが(日本は27%)、高齢化が進むスピードが早いと予想され国内メディアも危機感を持っているようです。台湾には70万人前後の要介護者が存在しているので、約3分の1が外国人によって介護を受けている計算になります。

 

上記でも少し触れましたが、台湾で介護をする外国人は、家庭滞在型です。この背景には、

台湾の高齢者は老人ホームを強く拒む傾向があり、老人ホームに入れることは親不孝とされている社会的な文化があります。すると家庭で介護する必要がありますが、代わりに外国人労働者に介護をしてもらうということです。

 

外国人介護のメリットは、政府にとっても家庭にとっても大きいです。しかし、問題も少なくはありません。外国人の長時間労働や休暇不足の問題は深刻で、いい雇い主に当たるかどうかも運試しになります。労働基準法も適応外で、どうしても外国人の立場が弱くなってしまいます。

 

さらには、外国人の増加によって介護制度の発展を妨げているという面もあります。介護保険などの制度が整っていなくても、外国人に頼ることで介護が成り立ってしまうからです。台湾では、現在、介護制度の導入について国会で議論がされています。

 

日本は、台湾と全く逆のケースで、介護制度はある程度整っていますが、人材不足が深刻化しています。この人材不足を解消するために、外国人の雇用をさらに増やすということにも力を入れていくのでしょうか。

 

介護に関わる人、外国人、政府の三者がうまくバランスを取れるように制度を設計していくことが今後の日本での課題となっています。

この記事の監修者

いいケアネット事務局

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