「高齢の親をサポートしたいが、何をすればいいかわからない」
「高齢者をサポートしてくれるサービスがあるのか知りたい」
このようなお悩みを抱えていませんか?
高齢者は年齢を重ねるにつれて、買い物や通院、日常生活の中でも支援が必要な場面が少しずつ増えていきます。とはいえ、家族だけで支えるのには限界があるため、適切な支援制度を知っておくことが重要です。
本記事では、高齢者を支えるために利用できる自治体の相談窓口や、介護保険サービスの種類、相談の流れについて詳しく解説します。どこに相談すればいいのかわからないと悩んでいる方は、参考にしてみてください。
高齢者が日常生活で困っていてサポートしてほしいこととは?
高齢者になると加齢に伴い身体機能が低下してしまうため、日常生活のあらゆる場面で困難を感じるようになります。
以下は高齢者が日常生活で困っている場面の一例です。
- 重たい荷物を運ぶのが難しくなる
- 入浴や衣類の着脱に時間がかかるようになる
- 会話の機会が減り、孤独感を覚えるようになる
- 掃除や洗濯、料理などの家事全般が負担に感じる
- 椅子からの立ち上がりや階段の上り下りがつらくなる
動作や作業に時間がかかっていても、自分でやりたいという気持ちを持つ高齢者は多いです。
そのため「困っていることがあったら言ってね」と声をかけたり、さりげない手助けにとどめたりして、個々に合ったサポートを心がけましょう。
高齢者をサポートする自治体・地域の窓口3選
高齢になると、介護や生活の悩みなどを抱えても「どこに相談すればいいかわからない」と感じる方も少なくありません。相談先に悩んだ場合は、身近な地域の公的な窓口を利用するのがおすすめです。
高齢者をサポートする自治体や地域の窓口は、以下の3つです。
- 地域包括支援センター
- 市町村の高齢福祉課
- 社会福祉協議会
窓口を上手に活用すれば、高齢者本人はもちろん、支える家族も安心して生活を続けられます。各窓口の役割を解説していきます。
地域包括支援センター
地域包括支援センターとは、高齢者とその家族の生活支援を目的に設置されている機関です。要介護などの認定の有無に関わらず、65歳以上であれば利用可能な機関で、高齢者を手厚くサポートしてくれるのが特徴です。
地域包括支援センターの役割は、以下の4つです。
業務内容 |
詳細 |
介護予防ケアマネジメント | 介護予防サービスの紹介やケアプラン作成を行い、自立支援を目指す |
総合相談 | 介護や暮らしの悩みを聞き、必要な制度やサービスにつなげる総合的な相談窓口 |
権利擁護 | 金銭的トラブルや虐待を防ぐために、成年後見制度の利用支援や権利侵害の早期発見・対応を行う |
包括的・継続的ケアマネジメント | 地域の専門職や住民と連携し、高齢者が安心して暮らせるようケアマネージャーが支援体制を整える |
地域包括センターは保健師や社会福祉士、ケアマネージャーが連携して支援を実施するため、介護・医療・福祉の面から一体的なサポートを受けられます。
市町村の高齢福祉課
市町村の高齢福祉課は高齢者に関するさまざまな手続きを扱っており、介護保険の申請や保険料の支払い、サービスの利用相談などに対応しています。高齢者を支える公的な支援には、自治体ごとに取り組み内容が異なります。
取り組み内容の一例は、以下のとおりです。
役割 |
支援内容 |
支援係 | 高齢者からの総合相談対応、権利擁護や虐待防止に関する業務、生活支援体制の整備などを担当 |
在宅福祉係 | 在宅医療や認知症対策、シルバー人材センターの運営支援など、高齢者が自宅で安心して暮らせるための支援を実施 |
介護予防係 | 介護予防ケアマネジメントの支援や、生活支援サービスの充実に関する業務を担当 |
参考:常総市「高齢福祉課(業務内容)」
市町村の高齢福祉課では、さまざまな方面から高齢者を支える体制が整えられています。支援内容は地域によって異なるため、お住まいの自治体のホームページなどで確認しましょう。
社会福祉協議会
高齢者福祉の現場では、制度やサービスの充実に加え、地域全体で高齢者を支える体制づくりが求められています。
社会福祉協議会の取り組みは、以下の5つです。
- 地域包括・在宅介護支援センターの機能強化への取り組み
- 福祉的な視点からのケアマネジメントの普及
- 社会福祉協議会における在宅サービスの推進
- 地域の支え合い・助け合いの活動支援に向けた関係団体との連携
- 「老人の日・老人週間」キャンペーン活動の推進
社会福祉協議会では、高齢者の生活支援や相談対応、在宅サービスの提供などを通じて、地域全体で高齢者を支える活動を行っています。
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高齢者をサポートする3分野の介護保険サービス
介護保険サービスを活用すると、住み慣れた地域や自宅での生活を可能な限り続けられます。専門家による質の高いサービスを受けられるため、積極的に活用しましょう。
以下の3つが、高齢者をサポートする介護保険サービスの種類です。
- 自宅で利用するサービス
- 宿泊するサービス
- 施設に入居するサービス
必要なサービスを的確に活用すれば、高齢者本人の生活の安定はもちろん、家族や周囲にとっても安心感のある暮らしが実現します。どのようなサービスなのか、詳しく解説していきます。
関連記事:介護保険サービスで「できること」・「できないこと」
自宅で利用するサービス
高齢者が住み慣れた自宅で生活を続けながら支援を受けられるのが、自宅で利用する介護保険サービスです。身体状況や生活環境に合わせて必要な支援を組み合わせることで、日常生活を送れます。
代表的なサービスは、以下の4つです。
サービスの種類 |
特徴 |
訪問看護 | 看護師が自宅を訪問し、治医の指示に基づいて療養上の世話や診療の補助を行う |
訪問入浴 | 看護職員と介護職員が利用者の自宅を訪問し、持参した浴槽で入浴介護を行う |
訪問介護 | 訪問介護員が自宅へ訪問し、身体介助や生活援助を行う |
訪問リハビリ | 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などが利用者の自宅を訪問し、リハビリを行う |
自宅で利用するサービスを適切に利用すれば、高齢者本人の自立支援と家族の負担軽減の両立が可能です。ケアマネージャーと相談しながら、必要な支援を取り入れていきましょう。
関連記事:
訪問看護を受けるには手続きが必要?相談先や利用の流れを解説
高齢者が利用できる訪問サービスとは?仕事内容や利用料金を解説
宿泊するサービス
自宅での介護が一時的に難しいときに利用できるのが、宿泊するサービスです。短い期間でも施設に入所すると家族の負担が軽くなり、本人も安心できる環境で支援を受けられます。
宿泊するサービスは、以下の2つです。
サービスの種類 |
特徴 |
短期入所生活介護 (ショートステイ) |
介護が必要な方の短期間の入所を受け入れ、日常生活の支援や機能訓練を行う |
短期入所療養介護 | 療養生活の質の向上及び家族の介護の負担軽減などが目的で、医療や看護、機能訓練を行う |
宿泊するサービスは、原則として連続で利用できるのは30日までとされています。短期入所施設は事前に予約を取らないと利用できないケースが多いので、ケアマネージャーと相談し、計画的に利用しましょう。
施設に入居するサービス
介護が必要な高齢者の中には、在宅での生活が難しい方もいます。自宅での生活が難しい場合、介護施設への入居という選択肢もあります。日常生活の支援を受けながら、必要に応じて医療や介護のサービスを受けられます。
以下は、入居可能な介護施設の一例です。
サービスの種類 |
特徴 |
特別養護老人ホーム | 入所者を養護することを目的とする施設 |
養護老人ホーム | 自立した生活を営みつつ、必要な指導や支援を行うことを目的とする施設 |
有料老人ホーム | 食事・掃除・洗濯などの生活支援や健康管理サービスを提供 |
サービス付き高齢者向け住宅 | 状況把握・生活相談などのサービスを提供 |
認知症高齢者グループホーム | 認知症の方が家庭的な環境で生活できるよう支援する住居 |
施設ごとに利用できる介護保険や対象者、支援内容が異なるため、本人の状態や家族の状況に応じてサービスを選びましょう。
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高齢者をサポートできる窓口やサービスを知って困っていることから助けよう
高齢になると健康問題や家事、日常生活で困る場面が増え、サポートが必要な場面が出てきます。
どこに相談すればいいかわからないときは、まず身近な相談窓口に連絡することが問題解決につながります。
サポートが必要だと感じたら地域包括支援センターや市町村の窓口に相談し、必要であれば介護保険のサービスの利用も検討してみてください。
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