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要介護1の認知症とは?状態や利用できる介護サービスについて解説

「親が認知症になり要介護1の認定を受けたが、どんな状態なのだろう?」

「一人で暮らしていくのは可能なのか?それとも介護が必要?」

など、親が認知症で要介護1と認定されてどう対応すればいいか悩んでいる方もいるでしょう。

認知症は要介護1に認定される原因の第1位です。日常生活に必要な動作はおおむねできるものの立ち上がりや歩行に一部見守りや介助が必要であったり、理解力の低下が見られたりします。

この記事では、要介護1の認知症の状態や要介護1の方が受けられる介護サービスや費用について解説しています。

要介護1の認知症の状態とは?

要介護1で認知症の状態は、日常生活に必要な動作はおおむね自分で行えるものの、理解力や判断力などの認知機能に低下が見られます。

ここでは、要介護1の状態や他の介護度との違い、要介護1で認知症がある方の一人暮らしは可能かどうかについて解説しています。これから親の介護をどうするか悩んでいる方は参考にしてください。

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目次

要介護1になる原因の第1位は認知症

要介護1になる原因の第1位は認知症です。次いで脳卒中、骨折と続きます。

要介護1では、認知症の初期症状による理解力・判断力の低下が見られますが、比較的症状は軽く日常生活に必要な動作は一人で行える場合が多いです。認知症の初期症状が要介護1の状態に該当するため、要介護1に認定される原因として多く見られます。

要介護1の状態とは?

要介護1とは、介護保険における要介護度の区分のうち、最も軽い段階です。日常生活を送るうえでは、おおむね自分で行えますが、部分的に見守りや介助が必要な状態です。

具体的には、食事や排泄などの日常生活動作はほとんど自分で行えますが、立ち上がりや歩行に一部介助が必要になります。また、理解力や判断力の低下が見られます。

要介護1と要支援の違い

要支援2は、日常生活はおおむね自分で行えるものの、時折介護が必要であり、立ち上がりや歩行に不安がある状態です。

要介護1と状態はあまり変わりがありませんが、要支援と要介護1の違いは、認知機能の低下やおおむね6か月以内に状態が変わる可能性があることです。

要介護1と要介護2の違い

要介護2は、要介護1よりも介護が必要な度合いが高い状態です。要介護2になると、日常生活に必要な動作に介護が必要であり、立ち上がりや歩行が難しくなり支えを必要とします。

また、理解力や判断力も要介護1の状態よりも低下している状態です。

関連記事:要介護認定を受けるには何が必要?申請先や具体的な方法を詳しく解説

要介護1で認知症の方の一人暮らしは可能?

要介護1であれば、まだ自分でできることも多く一人暮らしするのも不可能ではありません。

しかし、認知症の場合には、周りに家族がいない状態だと、症状が進んでいても気づかなかったり、何らかのトラブルに巻き込まれたりしてもわからない恐れがあります。

そのような事態を避けるためにも、認知症で要介護1に認定された場合には、必要な介護サービスの利用や場合によっては施設への入居を検討するのがよいでしょう。

関連記事:高齢者一人暮らし|限界を見極めるポイントは?対策や支援方法を解説

要介護1の方が受けられる介護サービス

介護サービス

要介護1の方が受けられる介護サービスは以下の5つです。

  • 自宅で受けられるサービス
  • 施設を利用して受けるサービス
  • 通い・訪問・宿泊を組み合わせて利用するサービス
  • 施設に短い期間宿泊できるサービス
  • 施設に入居して受けられるサービス

本章を参考にして本人の状態や生活状況に合った介護サービスの利用を検討してみてください。

自宅で受けられるサービス

自宅で受けられる介護サービスは以下です。

  • 訪問介護
  • 訪問看護
  • 訪問入浴介護
  • 訪問リハビリテーション
  • 夜間対応型訪問介護
  • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護

自宅に介護士や看護師が訪問し必要なケアを行ってくれます。要介護1では自分でできることも多いため、自宅で受けられる介護サービスを利用する方も多いです。

施設を利用して受けるサービス

施設に通所して受けられるサービスは以下です。

  • 通所介護
  • 通所リハビリテーション
  • 療養通所介護
  • 認知症対応型通所介護
  • 地域密着型通所介護

介護施設に通所し必要な介護サービスを受けます。施設に通ってサービスを受けるため、介護者の負担軽減にもつながります。

通い・訪問・宿泊を組み合わせて利用する介護サービス

通い・訪問・宿泊を組み合わせて利用する介護サービスは以下です。

  • 小規模多機能型居宅介護
  • 看護小規模多機能型居宅介護

介護が必要な方ができるだけ自宅で過ごしながら必要な介護サービスが受けられます。自宅を離れることなく必要な介護サービスを組み合わせて利用できます。

施設に短い期間宿泊できる介護サービス

施設に短期間宿泊できるサービスは以下です。

  • 短期入所生活介護
  • 短期入所療養介護

短期間において施設に宿泊して利用できる介護サービスです。日常生活を送るうえで必要な介護のほか、レクリエーションやリハビリなども受けられます。

また、短期入所サービスは連続して30日利用可能になっています。

施設に入居して受けられる介護サービス

要介護1の方が施設に入居して受けられるサービスとしておすすめなのは以下です。

  • サービス付き高齢者住宅
  • 介護付き有料老人ホーム
  • 認知症対応型共同生活介護

サービス付き高齢者住宅は、比較的自立した高齢者向けで生活の自由度が高いです。

介護付き有料老人ホームは、日常生活に必要な介護を受けられるだけでなく、イベントやレクリエーションなども充実しています。

認知症対応型共同生活介護は、認知症のある方が少人数で共同生活しながら必要な介護サービスを受けられる施設です。

要介護1でレンタルできる介護用品

家族 手のひら

要介護1でレンタルできる介護用品は以下の通りです。

種類 要介護1でレンタルできる介護用品
移動に関わる介護用品
  • 手すり(取付け工事が不要なもの)
  • スロープ
  • 歩行器
  • 歩行補助杖

要介護1では、原則として車いすや介護ベッドのレンタルはできませんしかし、状態によっては例外的に認められる場合があります。

介護保険制度でレンタルできる福祉用具については、以下の記事でも詳しく紹介しています。介護用品の購入費用に悩んでいる方や、レンタルを検討している方はチェックしておきましょう。

関連記事:介護保険で貸与(レンタル)できる福祉用具13種目

要介護1で介護にかかる費用

老人ホーム 費用

要介護1と認定されている場合の介護保険による限度額は、167,650円です。

この限度額を超えた場合は、1割(一定以上の所得がある場合は、2割~3割)の自己負担が発生します。

ここでは、自宅で介護する場合と施設に入居した場合の費用負担の一例を紹介します。介護サービスの利用を検討するうえで参考にしてください。

自宅で介護する場合

自宅で介護する場合にかかる介護サービスの費用について例を挙げて解説します。

以下のケースで介護にかかる費用

訪問介護:週3回

訪問看護:週2回

訪問リハビリテーション:週1回

デイサービス:週2回

介護サービスの内容 回数/月 月の費用額
訪問介護 12回 41,040円
訪問看護 8回 41,680円
訪問リハビリテーション 4回 13,360円
デイサービス 8回 57,840円
介護レンタル(杖) 8,060円
合計 16万1,980円
自己負担額(1割負担の場合) 16,198円

(参照:厚生労働省|介護サービス概算料金の試算

自宅で介護サービスを受ける場合には、住み慣れた家を離れることなく必要な介護サービスを受けられるでしょう。

施設に入居する場合

認知症対応型共同生活介護に入居する場合にかかる費用の一例を紹介します。

介護サービスの内容 費用
介護サービス費用 2万7,148円
食費・居住費など 約10万~約18万
合計 約12万円~約20万

施設に入居する場合には、介護サービス費用のほかに食費や居住費が別途かかります。

費用面の負担は大きくなりますが、家族が十分な支援ができない場合などに介護者の負担を軽減できます。

(参照:厚生労働省|介護サービス概算料金の試算

まとめ|認知症がある場合は介護サービスを受けよう

老人リハビリ

要介護1で認知症があると、日常生活に必要な動作はおおむね自分で行えますが、立ち上がりや歩行に見守りや介助が必要であったり、認知機能の低下が見られます。

まだ自分で行えることも多く一人暮らしは不可能ではないでしょう。しかし、認知症の症状が進行していても気づけない、高額商品の購入などのトラブルに巻き込まれる可能性も十分考えられます。

要介護1でも認知症がある場合には、必要な介護サービスを受けるのがおすすめです。症状が悪化している場合には施設への入居を検討してみるのもよいでしょう。

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要介護1の認知症でよくある質問

要介護1で認知症の方はどんな状態ですか?

要介護1で認知症のある場合の状態は、日常生活に必要な動作はおおむね自分で行えるものの、理解力などの認知機能の低下が見られます。また、立ち上がりや歩行に見守りや介助が必要な場合もあります。

要介護1で利用できる介護サービスは何ですか?

要介護1で利用できる介護サービスは以下の通りです。

  • 自宅で受けられるサービス
  • 施設を利用して受けるサービス
  • 通い・訪問・宿泊を組み合わせて利用するサービス
  • 施設に短い期間宿泊できるサービス
  • 施設に入居して受けられるサービス

この他にも、手すりや歩行器、歩行補助杖などの介護用品をレンタルできます。

この記事の監修者

いいケアネット事務局

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