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障がい者が入れる老人ホームとは?費用・種類・選び方を紹介

老人ホームへの入居を考えてはいるものの「高齢の障がい者が入れる老人ホームはあるのか?」「どうやって選べばいいか?」などの疑問をもっている方も多いのではないでしょうか。

結論からいえば、「介護保険サービスを受けられる老人ホーム」であれば、障がいのある高齢者でも利用が可能です。

具体的には、特別養護老人ホームや有料老人ホーム(住宅型・介護付き)などが該当します。

本記事では、障がい者が入れる老人ホームの種類や選び方、入居のメリットなどを詳しく解説しています。

内容を理解することで、障がい者でも入れる老人ホーム探しをスムーズに進められるでしょう。

「介護保険サービスを受けられる老人ホーム」なら障がい者も利用できる

障がい者が入れる老人ホームとは「介護保険サービスで利用できる施設」を指します。

障がいを持つ方が高齢者になった場合は、原則として介護保険サービスを利用できるからです。

「介護保険サービス」とは、高齢者や要介護者が日常生活を安全かつ快適に送るため、公的介護保険制度に基づき、必要な支援・ケアを受けられるサービスです。

介護保険サービスの概要 詳細
対象 高齢者・要介護者
サービスの内容 日常生活の支援や介護

  • 在宅介護サービス(訪問介護、訪問リハビリテーションなど)
  • 施設・居住系サービス(通所介護、通所リハビリテーションなど)
自己負担額 原則1~3割(残りは公的保険で補助)
利用条件 市区町村に申請をおこない、要支援・要介護認定を受けた人

介護保険サービスのひとつ「施設サービス」には特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院が該当します。

介護保険で必要なサービスを受けられない場合は、障害者総合支援法による福祉サービスを受けることもできます。

障がい者でも入れる老人ホームへの入居を検討する際は、まずは介護保険の手続きを進めましょう。

また、共生型サービスに該当する障害福祉サービスであれば、事業所を変えずに継続利用できるケースもあります。

障がい者が入れる老人ホームの選択肢

障がい者が入れる老人ホームは「公的施設」と「民間施設」に分けられます。本章を参考に、希望や条件に合ったタイプの入居先を検討してみてください。

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目次

公的施設

公的施設は国や自治体が管轄する施設で、主に社会福祉法人や医療法人などが運営しています。

公的施設には、主に以下の3種類があります。

種類 特別養護老人ホーム 介護老人保健施設 介護医療院
(介護療養型医療施設)
費用 約7万円~15万円 約7万円~20万円 約10万円~20万円
入居条件
  • 65歳以上で要介護3以上の方
  • 40歳~64歳で特定疾病が認められた要介護3以上の方
  • 特例により入居が認められた要介護1~2の方
  • 65歳以上
  • 要介護1以上
  • 40歳以上64歳以下の場合でも、特定疾病により要介護認定を受けている方
  • 要介護認定1〜5を受けた65歳以上
  • 40~64歳で、初老による認知症や関節リウマチなど、16種の特定疾病による要介護認定を受けている
特徴
  • 長期間入所して生活できる
  • 終身利用が可能
  • 在宅復帰を目指す施設
  • 入所期間は3~6か月程度
  • 介護を必要とする高齢者が、退院後の在宅復帰を目指すためのリハビリを受けられる
  • 医療と介護を一体的に提供している
  • 医療的ケアが必要な要介護者の長期医療・生活支援を目的としている

参考:
健康長寿ネット|介護老人保健施設(老健)とは
厚生労働省|介護医療院とは

公的施設の中でも終身利用が可能な特別養護老人ホームに入るポイントを知りたい人は下記記事もチェックしてください。
関連記事:特養に早く入れる方法【9選】施設選びのポイントから入居待ちの対処法まで解説

民間施設

一方、民間の事業所が運営する施設を民間施設と呼びます。民間施設には、主に以下の3種類があります。

種類 有料老人ホーム サービス付き高齢者住宅 グループホーム
住宅型 介護付き
費用 入居金あり

約15万円~30万円

入居金あり

約13万円~20万円

入居金あり

約15万円~20万円

入居条件 原則65歳以上の自立~要介護度が低い人 原則65歳以上の要支援1~要介護5の要介護認定
  • 60歳以上の高齢者
  • 要介護者認定を受けた60歳未満
認知症と診断された65歳以上
特徴
  • 自立された方から要介護の方まで幅広く受け入れ可能
  • 状態に合った介護サービスを必要な分だけ選べる
  • 介護専用型・混合型などがある
  • 要介護度により必要な介護サービスが定額で提供される
  • 高齢者が安心して自立した生活を送れるよう設計されたバリアフリー対応の賃貸住宅
  • 厳密には介護施設ではなく賃貸住宅に該当するため、生活の自由度が高い
  • 認知症の高齢者が少人数で共同生活を送りながら、専門スタッフのサポートを受けられる
  • スタッフの支援を受けながら少人数で共同生活を送ることを目的としている

参考:

厚生労働省|有料老人ホームの概要
厚生労働省|サービス付き高齢者向け住宅について
厚生労働省|認知症対応型共同生活介護 (認知症グループホーム)

民間施設の住宅型有料老人ホームのことを詳しく知りたい人は下記記事もチェックしましょう。

関連記事:住宅型有料老人ホームとは?サービス内容やほかの施設との違いも解説

共生型サービスを利用できる施設・事業所

共生型サービスは障がいを持つ方が65歳以上になっても、今まで利用してきた障害福祉サービスを継続して利用できるよう、平成30年4月より設けられた制度です。

従来は障がいのある人が65歳以上になると、今まで利用していた障害福祉サービスを提供する施設から、介護保険サービスを受けられる施設に移る必要がありました。このような問題を解決してくれるのが共生型サービスです。

65歳を迎えても慣れ親しんだ環境で生活を続けることで、同じ施設にいる人や施設スタッフとの信頼関係を維持し、生活環境の変化によるストレスを軽減できる点が大きな利点です。

新しい施設を探す手間が省けるため、家族にとってもメリットが大きいといえるでしょう。

同じ施設での生活を続けられることで、本人も家族も精神的な安定が得られ、より充実した生活を送ることが期待できます。

共生型サービスは、訪問介護・デイサービス・ショートステイなどが対象です。また共生型サービスとして継続利用するためには、障害福祉サービス事業所が共生型サービスの指定を受けている必要があります。

なじみのある障害福祉サービスを続けて利用したい場合は、今まで利用してきた事業所が共生型サービスの指定を受けているか確認しておきましょう。

【障がい者向け】老人ホーム選びのポイント

障がい者が入れる老人ホームの選び方として確認するポイントは、以下の5つになります。

  • 入居する目的
  • 費用・予算
  • 入居時期・退去時期
  • 施設の立地
  • 老人ホームの種類

それぞれ詳しく解説していきましょう。

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入居する目的を明確にする

老人ホームを選ぶ際、まず重要なのは「入居する目的」を明確にすることです。

たとえば、日常生活の介助が必要なのか、医療ケアを重視するのか、リハビリを中心とした支援が必要なのかによって、選ぶ施設の種類が異なります。

また、入居者である高齢者自身が「同じ境遇の人と交流したい」「コミュニティに属したい」といった意思がある場合は、施設内での交流・活動の充実度も重視しましょう。

目的がはっきりしていれば、家族や専門家ともどのような施設を選ぶべきか相談しやすく、適切な入居先を見つける近道となります。

予算に合った老人ホームを選ぶ

老人ホームを利用する際には必ず費用がかかります。

「入居時にいくら用意できるのか」「毎月の費用は年金で賄えるのか」といった予算を決めておきましょう。

老人ホームにかかる費用は、基本的に「入居一時金」と「月額利用料」に分かれます。

入居一時金とは、入居時に施設へ支払う初期費用のことで、施設によっては不要な場合もあるので入居前に老人ホームへ確認しておきましょう。

月額利用料には、生活費や介護サービス費などが含まれます。

施設によって必要な費用は変わるため、経済状況に合わせた老人ホームを選びましょう。

入居時期・退去時期を決めておく

老人ホームの入居時期と退去時期をあらかじめ明確にしておくことは非常に重要です。

「一時利用か終身利用なのか」「入居の緊急性が高いのか、それとも待てるのか」など、利用したい期間や現在の状況によって、選択する老人ホームは異なります。

身体状況や生活環境の変化に応じて柔軟に対応できる計画が必要です。

計画的に入居時期と退去時期を決めておくことで、障害者の方やそのご家族が安心して暮らせる環境にできます。

柔軟な計画を立て、状況に応じて見直しをおこなうことが、より良い生活への鍵となります。

自宅からの通いやすさを重視する

立地条件の大前提として、入居者本人が住みたいと思える老人ホームを選びましょう。

本人の意向を無視して老人ホームを決めてしまうと、ストレスがたまり本人の体調不良の原因にもなりかねません。

また、自宅から近い立地を選ぶことで「会いに行きやすい」「緊急時にすぐに駆けつけられる」といったメリットがあります。

家族が近くにいることで、入居者本人も安心できます。

もし、やむを得ず近くで施設が見つからない場合は、どこまでなら通えるかを考慮して、老人ホームを探す範囲を決めておきましょう。

入居者の要望や必要なサービスに合った施設を選ぶ

ここまで解説した4つのポイントを踏まえて、希望する介護サービスを受けられる老人ホームの種類を決めましょう。

たとえば、終身利用なら特別養護老人ホーム、退院後のリハビリ目的なら介護老人保健施設といったように、方向性を決めておくとよいでしょう。

そのためには、入居者本人の身体状況や、どんな生活を送りたいかなどの要望をしっかり把握しておくことが大切です。

障がい者が老人ホームに入居するメリット

入居するメリットとしては、主に以下の3つがあります。

  • 他者との交流・社会参加ができる
  • 専門的なケア・サポートが受けられる
  • 食事や家事の心配がいらない

老人ホームでは、同じような立場の他の入居者と交流する機会が増えます。

障がい者が孤立することなく、他の入居者と共に社会的なつながりを築け、精神的な支えとなることが多いです。

また、施設内ではさまざまなイベントや活動がおこなわれるため、日常生活に楽しみが加わります。

障がいを持つ方々は、日常生活においてさまざまなサポートが必要です。

老人ホームでは、食事、入浴、排泄などの基本的な介護が提供されるため、家庭での介護負担が軽減されます。さらに、専門のスタッフが常にサポートすることで、身体的なケアを受けやすくなり、生活の質が向上します。

老人ホームでは毎日バランスのとれた食事が提供され、掃除などのサービスもあるので家事の心配もありません。

障がい者が老人ホームに入居するデメリット

一方、デメリットとしては、主に以下の3つがあります。

  • 自由度が制限される
  • 集団生活になる
  • 家族と会う機会が減る

施設にもよりますが、起床・就寝時間、食事や入浴の時間が決まっているため自由度が制限されてしまいます。

また、基本的には集団生活になるので、人と関わるのが苦手な方は慣れるまで時間がかかる可能性もあるでしょう。家族と会う機会が減ってしまうため、寂しく感じてしまうことがあるかもしれません。

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【まとめ】障がい者が入れる老人ホームを適切に選ぼう

今回は、障がい者が入れる老人ホームの種類や選び方、入居のメリット・デメリットなどを解説してきました。

「介護保険サービスを受けられる老人ホーム」であれば、障がいを持つ高齢者でも利用が可能です。

障がい者が入れる老人ホームの探すときは、入居する目的や費用、入居時期だけでなく、通いやすさや希望するサービスを受けられるかをチェックしましょう。

地域包括支援センターや役所の福祉課などに相談して、介護保険サービスを利用するための手続きから始めることをおすすめします。

大阪を中心に、多数の高齢者向けの介護施設の情報を掲載する「いいケアネット」では、老人ホームに関する疑問やそれにまつわる情報を「いいケアジャーナル」で随時更新中!

障がい者が入れる老人ホームに関するQ&A

特別養護老人ホームに入るには障害者手帳が必要ですか?

特別養護老人ホームに入るときに、障害者手帳は必須ではありません。

ただし、障害者手帳を持っている場合は、それによって利用可能な補助や支援が変わるケースもあります。

障害者手帳を持っている場合、自治体によっては介護サービス料の一部が減免されるなどの特典が受けられることもあるため、事前に確認しておきましょう。

障がい者が入れる老人ホームでは障害者控除がありますか?

障がい者が老人ホームに入る際、障がい者控除を受けるには、下記のような条件を満たす必要があります。

  • 障害者手帳を持っている
  • 要介護認定において、介護保険の「要介護認定調査票」で認知機能や日常生活能力が一定以下と判定
  • 65歳以上で市区町村長の認定を受けた「特別障害者」

障がい者が老人ホームに入居する場合、条件を満たせば障害者控除を受けられます。控除額は障害の程度によって異なり、申請には証明書類が必要です。

入居を検討する際は、老人ホームの担当者や税務署に詳細を確認し、税負担を軽減できる制度を活用しましょう。

老人ホームで受けられる医療費助成について詳しく知りたい人は、下記記事もチェックしてみてください。

関連記事:老人ホームの利用で適用される控除「介護保険施設の医療費控除)について

この記事の監修者

いいケアネット事務局

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