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特定疾病ってどんな病気?【PART2】~16特定疾病について解説!~

今回は前回に続き、特定疾病(16特定疾病)に該当するそれぞれの疾病が、具体的にどの様なものなのかお伝えします。
今回は「初老期における認知症」「パーキンソン病関連疾患」「脊髄小脳変性症」「脊柱管狭窄症」の4つの疾病についてです。

目次

初老期における認知症について

認知症の中でも65歳未満で発症する認知症を「若年性認知症」と呼びます。
この内40歳~64歳未満の初老期における方が認知症を患った場合で、記憶障害や認知機能障害により様々な障害が出ている場合は特定疾病の対象となります。
しかし認知症を患った原因が外傷性疾患、内分泌疾患、中毒性疾患、栄養障害などの場合は、特定疾病の対象外となります。

パーキンソン病関連疾患について

パーキンソン病、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症は、いずれも発症すると手足の筋肉がこわばる筋固縮、身体のバランスが取れず、倒れやすくなる姿勢反射障害、手足が震える振戦、動きが鈍くなる無動など、パーキンソン病と似た症状が現れ、パーキンソン病関連疾患と呼ばれています。
いずれも脳の神経細胞の減少によって引き起こされる病気ですが、発症の原因は不明です。

パーキンソン病

私たちが体を動かそうとする場合、脳の大脳皮質から全身の筋肉に運動の指令が伝わります。
この時私達の意図通りに体が動くように運動の調節を指令しているのが神経伝達物質のドパミンであり、脳の奥の黒質にあるドパミン神経で作られています。
パーキンソン病を発症すると、このドパミン神経が減少しドパミンが十分に作られなくなります。
その結果、パーキンソン病の特徴である身体のバランスが取れない姿勢反射運動、手足が震える振戦、手足の筋肉がこわばる筋固縮、動作が遅くなったり小さくなる無動など障害が現れます。

進行性核上性麻痺

脳の中の大脳基底核、脳幹、小脳といった部位の神経細胞が減少することで転びやすくなる、喋りにくい、飲み込みにくい、下の方向を見る事が出来ないなどの症状が現れます。
パーキンソン病にもよく似た症状があるため区別がつきにくいこともありますが、パーキンソン病の治療薬があまり効かず、効いたとしても一時的な事が多いです。またパーキンソン病より症状が早く進む傾向があります。

大脳皮質基底核変性症

筋肉の硬さ、歩行障害、運動動作の遅さなどのパーキンソン病の症状と、手が思うように動かない、動作がぎこちないなどの大脳皮質症状が同時にみられる病気です。
身体の右と左のどちらか一方に症状が強く出るのが特徴です。典型的な症状に乏しく、診断が難しい場合があります。

脊髄小脳変性症について

後頭部の下側にある小脳の障害によって生じる疾病の総称のことを言います。
脳から筋肉にうまく指令を送ることができず、思うように体を動かせなれない運動失調を引き起こします。
発症初期は手の震え、細かい動作がとりにくい、呂律が回らない、歩行時のふらつきなどの症状が現れます。
発症の原因は遺伝性と非遺伝性であり3割程度が遺伝性と言われています。
症状の進行は非常にゆっくりしている特徴があります。特定疾病であるかは、症状や画像の所見などから総合的に判断します。

脊柱管狭窄症について

脊椎にある脊柱管が狭くなり神経が圧迫されて、痛みや痺れを引き起こす病気を言います。
歩行時にだんだん足の痺れや腰痛などの症状が現れ、少し休むと回復する間欠性跛行(かんけつせいはこう)になる特徴があります。
また排尿・排便障害や運動障害・筋力低下などの症状も見られます。
発症原因としては加齢・労働・背骨の病気の影響で、椎間板、靭帯、背骨の変形などがあります。
特定疾病の対象となるのは、腰椎、頚椎、胸椎の内いずれか一つ以上に脊柱管の狭窄症化が認められるか、画像所見と症状に因果関係が認められるものに限られます。

まとめ

これらに羅患された場合、日常生活に大きな支障が出てきます。自宅や老人ホームなど住み慣れた環境での生活を継続するためにも、活用できるサービスの情報を早めに集め、安心できる環境整備に努めることも大切です。
次回も引き続き、特定疾病(16特定疾患)に該当する他の疾病についてお伝えします。

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この記事の監修者

いいケアネット事務局

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