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特定疾病ってどんな病気?【PART1】~16特定疾病について解説!~

前回のコラム訪問看護のしくみ【PART2】~別表7の特例、別表8、別表8の特例とは~では「特定疾病(16特定疾病)」に該当する疾病の名称を挙げましたが、今回はそれぞれの疾病が具体的にどの様なものなのかお伝えします。
今回は「がん(末期がん)」「関節リウマチ」「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」「後縦靭帯骨化症」「骨折を伴う骨粗鬆症」の5つの疾病についてご紹介します。

目次

がん(末期がん)について

がんの中でも特定疾病と認められるのは「医師が進行性かつ治癒が困難であると判断した末期がん」になります。
治癒が困難というのは、余命6カ月程度の状態です。抗がん剤などの治療が行われている場合で、直接の治癒ではなく、症状の緩和を目的としている場合は、治癒困難な状態とみなされます。

関節リウマチについて

関節リウマチとは、免疫の異常により関節に炎症が起こり、主に手足の関節が腫れたり痛んだりする病気です。
進行すると骨や軟骨が壊れて関節が動かせなくなり、日常生活が大きく制限されます。
また炎症は関節だけでなく、肺や目などの全身に拡がる場合もあります。
リウマチの自覚症状としては、体がだるい、熱っぽい、食欲が無いなどの症状が続いたり、朝方に関節の周囲がこわばることがあります。
その後小さな関節が腫れ、やがて手首、肘、肩、足首、膝、股関節など全身の関節に拡がっていきます。
原因は不明ですが遺伝的要因、喫煙、歯周病など環境要因の関与が指摘されています。関節リウマチが特定疾病に該当するかは、臨床検査や自他覚症状など総合的な結果をもとに判断されます。

筋萎縮性側索硬化症(ALS)について

筋委縮性側索硬化症(ALS)とは、手足、喉、舌の筋肉、呼吸に必要な筋肉がだんだん痩せて力が無くなっていく病気です。
しかし筋肉そのものの病気ではなく、筋肉を動かし、かつ運動をつかさどる神経(運動ニューロン)だけが障害を受けます。
その結果、脳から「体を動かせ」という指令が伝わらなくなることにより力が弱まり筋肉も痩せていき、うまく言葉を発せられなくなる、食べ物が飲み込みづらくなるといった症状が現れます。
進行すると呼吸筋が弱まり呼吸困難になり、人工呼吸で生命を維持することになります。
その一方で視力、聴力、内臓機能、体の感覚などは保たれ、末期になるまで眼球運動障害、感覚障害、膀胱や直腸の障害等が認められない特徴もあります。

縦靭帯骨化症(こうじゅうじんたいこっかしょう)について

後縦靭帯骨化症とは、背骨の中を縦に走っている後縦靭帯と呼ばれる靭帯が骨になる(骨化する)病気です。
背骨の動きが悪くなるため、足が思う様に動かない、体が硬いと感じる、背中に痛みを感じるなどの症状が現れます。
また骨化することにより脳から繋がる中枢神経である脊髄の通り道である脊柱管が狭くなると、脊髄や神経根などの神経が圧迫され、手足の痺れや運動麻痺、感覚障害などが出現することがあり、進行すると立ち上がることや歩くことが困難になるといった症状が現れます。

骨折を伴う骨粗鬆症について

骨粗鬆症とは骨の量(骨量)が減少し骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。
骨粗鬆症になっても痛みなどの自覚症状は無いですが、転ぶ等のちょっとしたはずみで骨折しやすくなります。
骨折を生じやすい部位は、手首の骨(橈骨遠位端骨折)、背骨(脊椎の圧迫骨折)、太ももの付け根の骨(大腿骨頚部骨折)などです。
また進行して骨折すると腰や背中の骨の変形や身長が縮む等の症状も見られるようになります。
加齢等による骨量の減少、運動栄養不足等が主な原因とされています。
また閉経後のホルモンバランスの変化も影響していると考えられています。
特定疾病と認められるのは骨折を伴う骨粗鬆症で、低骨量とみなされる骨密度、事故等の大きな力が加わった骨折、骨粗鬆症以外で骨がもろくなる疾患等の場合は該当しません。

まとめ

これらの疾病に罹患された場合、自宅や老人ホームなどで日常生活を送る際にも様々な支障が出てきます。
今回お伝えした内容は基本的な知識ですが、日頃からフレイル対策としても健康な体を維持できるよう、適度な運動、バランスの良い食事の摂取など心掛けていきましょう。
次回は、特定疾病(16特定疾病)に該当する残りの疾病について順にお伝えします。

※フレイルとは加齢により心身が老い衰えた状態のことを言います。

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この記事の監修者

いいケアネット事務局

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