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手動車いすのフットサポートの構造上の工夫、カバー取り付けを提案―消費者安全調査委員会

JP139_72A消費者安全調査委員会はこのほど、「手動車いすのフットサポート」の事故に関する情報提供をレポートとして公表した。同委員会は、手動車いす移乗の時の介助者の足がフットサポート(足を乗せる板)の裏側に接触する事象が24件(1ヶ月)発生しており、うち2件が皮膚損傷となっていることを、病院関係者から申し出を受け、情報収集、整理、分析を実施した。

ポイントとしては、フットサポートのプレートの裏側は跳ね上げた際、直接身体に振れる面になることを前提として、製造業者はリスクアセスメントを実施して、裏を平滑にするなど、接触しても皮膚損傷が生じないような構造上の工夫を行う必要がある。また、すでに利用されている車いすについては、覆う補助具(カバー)を取り付けることや、利用時に皮膚を保護することが重要である。

そのほかでは、事故情報、ヒヤリハット情報及び製品情報などが一元化され、すべての関係者間で共有され、事故予防のために活用されることも大事である。

身体障がい者を対象として製造された手動車いすは、介護保険制度を導入した平成12年4月ごろから、高齢者の生活支援、介助用具として、広く使われるようになり、現在では量産型の製品が多く流通しているため、個人購入、レンタルだけでなく、商業・公共施設などにおいての一時的な貸し出しなど、不特定多数の者が容易に利用できるようになっている。

一方で、事故情報、ヒヤリハット情報は関係者に十分、認知されていない。こうした状況を踏まえ同委員会は、製造業者、利用者などすべての人に広く周知し、再発防止に向けた取り組みを促進させることを目的としてレポートを取りまとめ、消費者庁、厚生労働省、経済産業省に対して情報提供を行った。
※詳しくは消費者庁HPを参照
http://www.caa.go.jp/policies/council/csic/information/

この記事の監修者

いいケアネット事務局

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