「現在のケアマネージャーに不満があるけれど、変更する方法がわからない」「変更したいけれど、手続きが面倒そうで不安」と感じている方もいるでしょう。
実は、適切な手順を踏めば、ケアマネージャーの変更は容易に可能です。ただし、変更前にしておくべき内容もあるので、それらを踏まえてから変更に向けて行動するようにしましょう。
この記事では、ケアマネージャーを変更するための具体的な手続きや変更するときの注意点を解説しています。
ケアマネージャーの変更を考えている方は、ぜひ最後までお読みください。
【結論】ケアマネージャー変更はできる!
結論として、ケアマネージャーは自由に変更できます。利用者が介護サービスを選択するのは、当然の権利として認められているからです。
ケアマネージャーは、利用者やご家族の希望に沿った、ケアプランを作成する重要な役割を担っています。介護に関する専門家として、利用者がより良いサービスを受けられるように支援する立場です。
もし、現在の担当者との相性が悪い、または提供されるサービスに満足できない場合は、変更によって状況が改善する可能性があります。ケアマネージャーの変更は、決して後ろめたいことではありません。
大切なのは、利用者とご家族が安心して、介護サービスを利用できる環境を整えることです。そのためにも無理をせずに、ケアマネージャーの変更を検討しましょう。
ケアマネージャーを変更するための手続きの流れ
ケアマネージャーの変更には、手続きの流れをあらかじめ理解しておくのが大切です。それぞれの手順をしっかり踏むことで、スムーズな変更が実現するでしょう。ここでは、具体的な手順を3つに分けて解説します。
ケアマネージャーを紹介してくれた窓口に相談する
ケアマネージャーの変更を希望する場合、まずは最初に紹介してくれた窓口に相談します。具体的には、以下のとおりです。
- 現在契約している事業所
- 地域包括支援センター
- 居宅介護支援事業所
- 市区町村の介護保険課
以上の窓口に相談すると、変更についての助言や新しいケアマネージャーの紹介を受けられます。
地域のケアマネージャー情報に精通しているため、より希望に沿った担当者が見つかるかもしれません。
現在のケアマネージャーに抱いている不満を具体的に伝えれば、解決策が見つかる場合もあります。
新しいケアマネージャーと面談する
次に、紹介された新しいケアマネージャーと面談します。面談では、あなたの希望や状況を詳しく伝え、相手の人柄や専門性を見極めましょう。信頼関係を築くための大切な機会です。
面談の前には、以下の内容をリストアップしておくと円滑に進みます。
- 現在のケアマネージャーへの不満
- 新しいケアプランへの希望
- その他確認しておきたいこと
また、介護をする上で不安に感じていることを率直に伝えるのも大切です。
面談では、新しいケアマネージャーが信頼できる人物かどうかを判断します。面談の時点で、相性が良くないと判断したら、遠慮なく別のケアマネージャーを紹介してもらいましょう。
新しいケアマネジャーと契約する
新しいケアマネージャーに問題がないと判断したら、契約を締結します。契約により、正式にケアマネージャーの変更が完了します。
なお、必要に応じて、ケアプランの再作成をしなければなりません。ただし、同じ事業所内で担当者のみ変更する場合は、軽微な変更となるので再作成は不要です。
契約書は、サービス内容や費用について定めた重要な書類なので、利用料金や契約期間などをしっかり確認しましょう。
また、契約内容に不明点がある場合は、遠慮なく質問し、納得した上で署名・捺印してください。契約後は、新しいケアマネージャーが中心となってケアプラン(サービス計画書)の作成やサービス事業者との調整をサポートしてくれます。
ケアマネージャーを変更する前にやるべき2つのこと
ケアマネージャーの変更は、慎重に検討すべき重要な決断です。手続きを進める前に、これから説明する2つのポイントを確認しておきましょう。
現在のケアマネジャーとの関係修復を試みる
ケアマネージャーを変更する前に、可能であれば、現在の担当者との関係修復を試みましょう。率直な話し合いを通じて、誤解が解消され、状況が改善する可能性があります。まずは、じっくりと話し合う機会を設けましょう。
具体的には、不満に感じている点を正直に伝え、改善を求めてみてください。
それでも難しい場合は、事業所の管理者に相談するのもひとつの方法です。管理者同席のもとで、話し合いの場を設けてもらえれば、より思いや考えが伝わりやすくなります。
すぐに変更を決断せず、まずは関係修復の可能性を探ることは、お互いにとって良い方向に進むでしょう。
ケアマネージャーの変更理由を明確にする
ケアマネージャーの変更にあたり、変更理由を明確にしておくのも重要です。問題が不明確なままだと、ケアマネージャーが交代しても、同じ問題が起こる可能性があります。
変更理由を明確にしておくと、新しいケアマネージャーに求める条件もはっきりします。まずは、現在のケアマネージャーに対する不満や問題点を、紙に書き出してみましょう。以下はリストアップされる内容の一例です。
- 連絡が取りづらい
- 提案されるプランが適切でない
- 話を親身に聞いてくれない
書き出したら優先順位をつけておくと、変更のときにスムーズに要件が伝わります。
変更を検討する前には、交代してほしい理由を明確にしておきましょう。
新しいケアマネージャーに変更するときの3つの注意点
新しいケアマネージャーに変更する際には、いくつか注意点があります。具体的には以下のとおりです。
- 変更に伴うデメリットを理解しておく
- 利用中のサービス継続有無を伝えておく
- 新しい担当ケアマネジャーが自分に合わない可能性もある
以上の内容を意識すれば、変更に伴うリスクを最小限に抑えられるでしょう。
変更に伴うデメリットを理解しておく
ケアマネージャーの変更には、メリットだけでなくデメリットも存在します。変更にともない、ケアプランの調整をはじめとして、一時的にサービス利用がスムーズにいかなくなる可能性もゼロではないためです。新しいケアマネージャーとの関係構築には、ある程度の時間が必要となります。
新しいケアマネージャーが、あなたの状況を完全に把握するまでは、多少の行き違いが生じる可能性もあるでしょう。
また、新しい事業所を利用する場合においても、サービスの利用方法が以前と異なるケースもあります。デメリットを事前に理解し、心の準備をしておくのが大切です。
利用中のサービス継続有無を伝えておく
ケアマネージャーを変更する際、現在利用中のサービスの継続有無を伝えておきましょう。きちんと伝えておくことで、ケアマネージャー交代後も滞りなくサービスを利用できるようになります。
一方で、引き続きサービス利用するかどうかを伝えておかないと、必要なサービスが一時的に受けられなくなるかもしれません。新しいケアマネージャーは、現在利用中のサービス内容や利用する理由まですべて把握しているわけではないためです。
利用中のサービスと利用する理由までをすべてリストアップし、新しいケアマネージャーに伝えましょう。サービス利用の頻度や時間帯などの希望も詳細に伝えるとスムーズに始められます。
また、訪問介護やデイサービスなどの現在利用しているサービス事業者に、担当ケアマネージャーが変更すると伝えておくのも重要です。事前に情報共有しておくと、不要なトラブルを避けられます。
新しい担当ケアマネジャーが自分に合わない可能性もある
ケアマネージャーを変更したからといって、必ずしも新しい担当者との相性が良くなるとは限りません。新しいケアマネージャーに変更してみたものの「以前のケアマネージャーのほうが良かった」と後悔する可能性もゼロではありません。
たとえば、以下のようなケースが考えられます。
- 連絡が遅いなどコミュニケーションに問題を感じる
- 提案されるケアプランの内容がイマイチである
- こちらのニーズを汲み取ってくれない
ケアマネージャーは一度変更すると、再変更には手間がかかります。一方で、新しいケアマネージャーとの相性が必ずしも良いとは限らない点は頭に入れておきましょう。
ケアマネージャーに不満があるなら変更を検討しよう
現在のケアマネージャーに不満があるならば、思い切って変更を検討するのもひとつの手です。不満を抱えながらサービスを利用し続けることは、介護を受けているご家族にとっても良い状態とはいえません。
不満を放置するのは、介護の質にも影響します。現在の担当者に、必要なサービスを提案してもらえないと状況は悪化する一方でしょう。
また、相談がしづらいといった不満は、ストレスにもつながります。介護者と利用者の双方にとってストレスなく、毎日を送るには信頼できるケアマネージャーの存在が不可欠です。
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この記事の監修者
いいケアネット事務局
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