前回、口腔内を清潔に保つことは、摂食・嚥下障害による誤嚥性肺炎の予防になることをお伝えしました。
さらに、糖尿病、腎臓病、心筋梗塞、認知症など全身の病気に深く関係していることが、最新の研究で明らかになってきたそうです。
今回は、健康維持に欠かせない口腔ケアについてより詳しくお伝えしていきます!
目次
口の中は菌にとって快適な場所
口は食べ物の入り口なので、常に栄養が豊富であり、常に唾液で濡れていることから、
微生物にとって快適な場所といえます。
ひとたび、口腔の清掃を怠たると、悪玉菌ともいえる病原性の高い微生物の数が一気に増えます。
これらの悪玉菌は、抵抗力が弱まった時に重大な病気を引き起こします。
口腔ケアに必要なポイントは2つです
-
- 1.細菌の塊であるバイオフィルムを破壊する。
- 2.破壊したバイオフィルムを除去する。
1.バイオフィルムの破壊とは?
細菌の塊であるバイオフィルムは、強い粘着性を持って歯や義歯、口腔粘膜に付着しています。
このバイオフィルムの破壊には、歯ブラシや、スポンジブラシ、ガーゼなどを用います。
バイオフィルムの破壊には、物理的な破壊をすることが必要で、うがいでは破壊することはできません
2.破壊したバイオフィルムの除去とは?
壊されたバイオフィルムはバラバラになり、多くは口の中に落ち唾液に溶け込みます。
うがいをすることで、唾液や口の中に落ちたバイオフィルムは排出されます。
しかし、うがいができないなど、破壊後の回収除去が不十分だと、肺炎予防のため口腔ケアをすることが、
反対に肺炎を発症するといった「口腔ケア関連性肺炎」を引き起こしてしまいます。よって、
破壊したバイオフィルムが喉の奥に落ち込まないよう気を付け、速やかに口腔外に排出させる必要
があります。
口腔ケア関連性肺炎を引き起こさないために
1.多くの水や洗浄剤を使用しない
嚥下機能が低下すると、口の中に水をためていることが苦手になります。
口腔ケアを行う時に、水分の多いスポンジブラシや綿棒を使用したり、洗浄のため多くの水や
洗浄剤を使用すると、水分がのどに落ち込み、そのまま、誤嚥してしまう恐れがあります。
2.頸部を前屈させて咽頭に流入しないように配慮する
頸部を前屈すなわち、顎を引く姿勢は、口の中に水をためていられやすい姿勢です。
この姿勢によりのどの中に汚れた水を落とし込まないようにします。
3.しっかり歯ブラシを洗いながら、ふき取りながらケアをする。
歯ブラシやスポンジブラシには、口腔ケアの過程で多くの汚れが付着します。
それをコップに入れた水などでしっかりとすすぐことで、なるべくきれいにして口に戻すようにし
ます。 歯ブラシをある程度したら、口腔ケア用のウェットテッシュなどで、丁寧に粘膜をふき取り
ながら口腔ケアを行うことも重要です。
引用:テーマパーク8020 https://www.jda.or.jp/park/dentistwork/carerecipients.html
口腔ケア用品の種類
うがいができない方に使いやすい、ジェルで汚れを軟化させて、スポンジブラシなどで汚れをから
めとる「水を使わない口腔ケア」用品も発売されています。
他にも、口腔ケア用品はたくさん発売されていますので、リハビリ科の言語聴覚士に相談したり、
訪問歯科を利用しお口の状態を診てもらい、個人にあった口腔ケア方法を教えてもらいましょう。
いいケアネットでは、全て無料で、老人ホーム選びのご相談を承りお手伝いをさせていただきます。
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この記事の監修者
いいケアネット事務局
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