老人ホームの入居後に、本人とどのように関わるべきか悩む方は多いのではないでしょうか。施設での生活に慣れるまでは、孤独感や疎外感を感じてしまうことも有ります。そこで今回は、老人ホーム入居後の本人と家族の関わり方について詳しく解説します。
入居から3ヶ月は頻繁に訪問する
老人ホームの入居によって生活環境が一変すると、本人は大きな不安を感じることになるでしょう。初めて接する人に囲まれ、その人達に介護されるのは本人でなければわからない大きな負担になるはずです。また、自分の部屋や共有スペース、浴室などの生活空間の利用にも慣れていません。
本人の性格や経験によって異なりますが、入居してしばらくは自宅が恋しくなったり気疲れしたりすることもあります。一般的に老人ホーム側も新しい入居者に対しては早く溶け込んでもらえるよう特に配慮してくれますが、家族も出来る限りのサポートをしましょう。そのため、老人ホームの入居から3ヶ月後までは頻繁に訪問した方がよいでしょう。
3ヶ月以降はお互いのペースで訪問する
老人ホームの入居から3ヶ月が過ぎたら、家族の事情を考慮して定期的に訪問したり、誕生日に訪問したりしましょう。面会や差し入れに訪れることで訪問が極端に減ってしまい、本人の不満や淋しさが大きくならないようにしましょう。
意見や希望、不満などは本人に代わって家族が伝える
老人ホームに入居して間もない頃は、さまざまなことが目について不満を感じたり意見を伝えたくなったりするものです。他の入居者との人間関係を築くことができれば、不満や意見を言い合うことで心の充実度を保てる可能性があります。しかし、そうではない場合は不満が溜まってしまい、自宅に戻りたい気持ちが強くなるでしょう。
そのため、どのような些細なことでも家族が本人の代わりに施設やに意見や希望、不満を伝えることが大切です。ただし、本人が不満を言っているなどと直接的に伝えるのではなく、相談するイメージで伝えましょう。そうすれば、本人にとってどうすれば過ごしやすくなるのか一緒に考えてくれます。
本人の情報を伝えて過ごしやすい環境作りをサポートする
老人ホームには複数人が入居しているため、個々の全ての要望に応えることはできません。しかし、本人の性格や様子、普段の行動などをスタッフに伝えておくことで、なるべく居心地がよい環境づくりに努めてくれるでしょう。
また、スタッフとしても本人の情報は多い方が今後の対応や環境づくりに役立てられます。介護のケアプランも同様に、家族が本人の状況を把握したうえで、より良いものに改善できるように施設の管理者やスタッフ、ケアマネージャーに意見を伝えましょう。
運営懇親会に参加する
運営懇親会とは、入居者やその家族、施設側が意見交換する場です。サービスに対する意見や改善策などを話し合い、より良い環境をつくることを目的としています。また、民生委員や学識経験者などが中立な立場で参加するケースもあります。
運営懇談会に参加することで意見を伝えやすくなったり、他の入居者やその家族の意見をもとに改善策を考えたりできるようになるため、可能な限り参加しましょう。運営懇親会の開催は基本的に年に1回の為、あらかじめ確認したうえで意見をまとめておくことが大切です。
イベントには積極的に参加する
クリスマスや夏祭りなど、季節のイベントにはなるべく参加しましょう。施設によっては、家族はもちろん地元住民も参加できます。さまざまな人との交流の中で本人がどのように過ごすのかを見ることで、施設での暮らしをイメージしやすくなります。例えば、スタッフと楽しそうに話している場合は、普段も同じようなコミュニケーションを取れていると考えられます。
老人ホームに対するネガティブな発言を控える
老人ホームへの入居に対してネガティブな感情を持っていた本人が、入居しばらくしてポジティブな感情を持てるようになる場合があります。同じ境遇の人に囲まれてコミュニケーションの絶えない日々を過ごすことで、精神的な安定を得られるケースが少なくありません。
本人を老人ホームに入居させることに申し訳なく思っていると、老人ホームに対してネガティブな発言をしがちです。本人がそのような発言に気持ちが引っ張られ、本当に老人ホームが嫌いになってしまう恐れもあります。老人ホームに対するネガティブな発言はなるべく控えましょう。
まとめ
老人ホームへの入居後は、本人の精神的なケアが欠かせません。3ヶ月頃までは頻繁に訪問して、環境に慣れるまでサポートしましょう。3ヶ月以降も定期的に訪問して、孤独感や疎外感に悩むことがないように対応することが大切です。また、少しでも良い環境で過ごせるように、施設の管理者やスタッフ、ケアマネージャーに本人の意見や希望、不満を伝えてみてください。より良い生活を実現するために、施設の管理者やスタッフ、ケアマネージャーと協力関係を築くようにしましょう。
この記事の監修者
いいケアネット事務局
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