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老老介護とは?知っておくべき原因や問題点、解決策について

超高齢社会が叫ばれる日本において、「老老介護」が多いことをご存じでしょうか。
老老介護は、決して珍しいことではありませんが、将来的に見て大きなリスクを抱えている事態でもあるため、問題視されている状況です。場合によっては深刻な事態に陥ることもあるかもしれません。
そこで、今回は老老介護の概要や原因、問題点、解決策に至るまで幅広く解説します。

目次

老老介護とは


老老介護は、一言でいうと「高齢者が高齢者を介護している状況」です。具体的には、65歳以上の高齢者を、65歳以上の高齢者が介護している状況を指します。
高齢社会や、親子の別居などさまざまな背景により、在宅介護での老老介護は年々増加しています。
なかでも、高齢者が2人で暮らしている世帯に多く、高齢社会の日本において深刻な問題です。
ちなみに、さらに深刻な在宅介護に「認認介護」があります。高齢者自身がお互いに認知症であることに気が付かないまま、介護しているケースです。事件や事故に陥る可能性もあるため、老老介護同様もしくはそれ以上に深刻な事態といえます。

老老介護の原因

老老介護の原因は、以下の点が挙げられます。

・経済力が低く高齢者施設を利用できない
・事情により親族への介護のお願いが難しい
・他人にサポートしてもらうことに抵抗を感じる

上記の3つは、老老介護において大きな原因の一つです。しかし、老老介護は上記の原因だけではなく、現代の日本ならではの背景も影響しています。
現在、日本は世界でもトップクラスを誇る長寿大国です。平均寿命が延びたことにより、65歳以上の高齢者は非常に多い状況。そのため、今後も老老介護の世帯は増加していくことが考えられるのです。
ちなみに、平均寿命は男性が72.14歳、女性が74.79歳。仮に被介護者が平均寿命まで生きるとすれば、10年前後の老老介護が必要となるのです。

老老介護の問題点

老老介護にはさまざまな問題が隠れています。具体的にどのような問題点が挙げられるのか、以下をご覧ください。

介護者の体力面の問題

高齢者同士の介護であれば、当然介護者の体への負担は多いものです。とくに、被介護者が自分で身の回りのことができない場合、介護者が生活の大半をサポートしなければなりません。
介護者は自分の健康に目を向けている余裕がなく、体力的に追い込まれてしまうことが考えられます。

介護者の精神面の問題

介護は想像以上に精神的な負担が大きいのが事実です。2人きりの環境で老老介護が続いている場合、精神的限界を迎えてしまうかもしれません。結果的に認認介護を引き起こすことにもなりかねないでしょう。
また、介護者が精神的な負担を抱えることで、思わぬ事故や事件を招くリスクもあります。

認認介護に気が付きにくい

老老介護において、問題であるのが「認認介護に至った場合に気が付きにくい」です。
介護がスタートした段階では、老老介護であったとしても、次第に認知力などが低下し、いつの間にか認認介護に至っているケースは珍しくありません。
認認介護は非常に危険な状態であるため、必ず専門の施設を利用したり、他の親族のサポートを受ける必要があります。しかし、現状としては認認介護に陥っても本人たちに自覚がない場合がほとんど。自覚がなければ専門機関を受診する機会もほとんどないため、周囲が認認介護の状況に気が付いたときには、すでに事態が深刻化していることもあります。

老老介護の解決策

老老介護は現代の日本において非常に深刻な問題であり、なおかつ今後も増加することが予測されます。
もし、自分や家族が老老介護を迫られるとしたら、どのような解決策を取り入れればいいのでしょうか。

ケアシステムを利用する

老老介護が迫られる場合、まずはケアシステムの利用を検討してみてください。
日本では、高齢社会の状況を踏まえ地域ごとに高齢者の包括ケアシステムを展開しています。介護や医療面などのサポートはもちろんのこと、住まいに関わることや、生活に関わることなど、ケアサービスの対象は多岐に渡るため非常に便利です。

老老介護をサポートするサービスを利用する

数ある介護サービスのなかには、老老介護をサポートするサービスがあります。
一般的な介護サービスとは異なり、基本的には利用者の意思を尊重しながら部分的にサポートすることになるため、「なるべく他人のサポートを受けたくない」という利用者でも安心です。
なお、被介護者が「要介護」の認定を受けている場合には、介護保険が適用される場合があります。

福祉施設を利用する

老人ホームや介護施設、デイケアサービスなど、福祉施設を利用することで、老老介護の問題を根本から解決することにつながります。
高齢者のなかには「施設を利用するくらいなら自分たちで介護をしたい」と考える方もいますが、安全面から考えると、やはり福祉施設を利用したほうが賢明です。
福祉施設を利用する場合、施設ごとに特徴やサービス内容が異なるため、複数の施設を比較したうえで検討してください。

おわりに

本ページでは、老老介護についてご紹介しました。高齢社会である日本において、老老介護は決して他人事ではありません。自分の家族はもちろんのこと、将来的には自分自身が老老介護の当事者となることも考えられます。
ぜひ、これを機に老老介護の問題点について理解を深め、きちんと老後の計画を立てておきましょう。

この記事の監修者

いいケアネット事務局

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