家族に高齢者がいれば、何かと健康の心配がつきものです。病気やケガは高齢者にとって致命的なトラブルになることが少なくありません。だからこそ、高齢者には有酸素運動がおすすめです。
そこで、今回は高齢者における有酸素運動のメリットを紹介します。併せて、有酸素運動として「ウォーキング」を取り入れる場合の注意点についても触れていきますので、参考にしてみてください。
高齢者が有酸素運動を取り入れるメリット
高齢者が有酸素運動を取り入れる場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。
家族に高齢者がいる方は、有酸素運動のメリットについて理解しておきましょう。
健康機能や体力の上昇につながる
高齢者が有酸素運動を取り入れるにあたり、最大のメリットといえるのが「健康機能の上昇」「体力の上昇」です。
有酸素運動を行うことで、高齢者に多い「筋力の低下」を防ぐことにつながります。筋力の低下は、転倒やケガの予防になるだけではなく、「立つ・歩く」という基本動作がスムーズに行えなくなってしまうのです。
高齢者にとって、筋力の低下は深刻な問題に陥ってしまうことがあります。そのため、無理のない範囲で有酸素運動を取り入れ、筋力の維持や増加を目指すことが大切です。
認知症の予防につながる
意外にも、高齢者における有酸素運動は「認知症の予防」につながるといわれています。
ウォーキングを継続的に続けることは、脳の「海馬」という部分を刺激します。これにより、記憶力及び学習機能の低下を防ぎやすくなるのです。
さらに、脳の「前頭葉」や「側頭葉」などと呼ばれる部分も刺激することができ、思考力や学習力の向上も期待できます。
加齢に伴いリスクの増える「認知症」ですが、有酸素運動を取り入れることで予防しやすくなるでしょう。
高齢者がウォーキングする場合の注意点
高齢者が有酸素運動にウォーキングを取り入れる場合、いくつか注意点があります。
健康かつ安全にウォーキングを実施するためにも、あらかじめ注意点を把握しておきましょう。
正しい姿勢でウォーキングする
高齢者が有酸素運動にウォーキングを取り入れるのであれば、「正しい姿勢」で歩くことを心がけましょう。
高齢者になると姿勢が悪くなりがちです。正しい姿勢で歩かないと、膝や腰に負担をかけてしまいますし、体に痛みが生じるなど、かえって体に悪影響を及ぼすリスクがあります。
高齢者がウォーキングをする際には、やや前傾姿勢で膝を伸ばし、骨盤を立てるようなイメージで歩きましょう。
1日20分以上を目標に歩く
高齢者がウォーキングを習慣化するのであれば、理想は「1日20分以上」です。歩数でいうとおよそ8,000歩を目標に歩くとよいでしょう。
せっかくウォーキングを習慣化しても、1日に歩く量が少なすぎるとせっかくの健康効果を得ることができません。
とはいえ、予防したい病気・怪我や、抱えている疾患などによって理想とするウォーキング量は異なります。
持病を抱えている方は、一応かかりつけの専門医などに相談したうえで、ウォーキング計画を立てましょう。
やや大股で歩くことを心がける
ウォーキングは、やや大股で歩くことを心がけることが大切です。
高齢者はどうしても、1歩1歩が小さくなりがちな傾向にあります。しかし、大きく足を動かすことで、下半身の柔軟性を高めることができ、体の健康効果を高めやすくなります。
可能であれば、みぞおちあたりから足を振り出すようなイメージで歩くことがおすすめです。
なお、ウォーキングする際には、「少しきつい」と感じる程度のスピードを心がけると、体に適度な刺激を与えることができます。
肘を後ろに引くイメージで歩く
高齢者が有酸素運動としてウォーキングを取り入れるのであれば、意識的に「肘を後ろに引く」ことを心がけましょう。
ウォーキングの際、肘を後ろに引くことで必然的に肩甲骨周辺を動かすことになります。肩甲骨を動かすことで体の柔軟性が高まるだけでなく、足がより前に出やすくなり「大股」で歩きやすくなるのです。
さらに、肘をしっかりと後ろに引いて歩くことで、猫背の予防にもつながります。
高齢者には「水中ウォーキング」もベスト
高齢者の体力や、体の不調内容などによってはウォーキングが難しい場合もあるでしょう。もし、ウォーキングが難しいのであれば「水中ウォーキング」がおすすめです。「浮力」があるため、体の負担を避けつつ、しっかりと体を動かすことができます。
ただし、陸上でのウォーキングと比べると、体力の消耗が激しいため、慣れないうちは短時間で切り上げるようにしましょう。
おわりに
高齢者にとって「体力」は重要なポイントです。いつまでも健康的かつ、自分のことを自分でできる力を維持するためにも、日々の運動習慣は必要不可欠です。
現在、家族に高齢者がいる方は、これを機にウォーキングなどの有酸素運動を取り入れてみてはいかがでしょうか。
この記事の監修者
いいケアネット事務局
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