高齢の家族を老人ホームに入所させたいと考えている方はいらっしゃいませんか?利用するためのお金さえあれば、老人ホームに入居できる…と考えている方が少なくありませんが、実際はお金があっても入れないケースがあります。
そこで、今回は老人ホームに入れない理由について解説します。また、合わせて入居待ちの間にできることなども触れていきますので、家族に高齢者がいる方は、本ページを参考にしてみてください。
老人ホームに入れない理由は?
老人ホームに入れない理由として、まず挙げられるのが「優先度」です。
老人ホームは、要介護の度合いに応じて優先度が大きく異なります。例えば、要介護の度合いが深刻であれば、後から申請したにも関わらず優先的に老人ホームに入手することができるのです。
逆に、介護の必要性などが深刻ではないと考えられる場合には、早めに入所の申請を出しても、入居を後回しにされてしまうことがあります。つまり、申請したところでいつ入居できるのか分からない状況なのです。
また、男性高齢者を入所させたいが、男性用の部屋が空いていないという理由で、なかなか入所できないケースもあります。老人ホームは基本的に居住エリアを男女で分けていることがほとんどですので、仮に利用者の該当する性別のエリアが空いていない場合には、入居待ちとなってしまいます。
上記の理由から、老人ホームに申請してもなかなか入れないことがあるのです。
施設ごとの受け入れ体制について
一口に「老人ホーム」といっても、施設ごとに受け入れ体制が異なります。
主な施設と、それぞれの受け入れ体制について見ていきましょう。
介護医療院
介護だけではなく医療サービスも受けられる施設です。要介護1以上として認定されている高齢者が利用できます。
介護療養型医療施設
介護と医療サービスを受けられる施設ですが、それぞれのボーダーラインが曖昧であるという難点があります。介護保険・医療保険が曖昧であるため、利用の際は施設に細かなルールなどを確認する必要があります。
介護老人保健施設
自宅で生活することが難しい高齢者向けの施設です。主にリハビリを行って、自宅での生活ができるようにします。なお、入居は要介護1以上である必要があり、一定期間ごとに入退去の判定が行われます。
介護老人福祉施設
要介護者が利用する高齢向け施設です。利用できるのは原則として65歳以上であり、要介護3以上が住居条件となります。
グループホーム
認知症などを抱える高齢者向けの施設です。要支援2以上で利用でき、入居中は複数人でのグループ行動がメインとなり、それぞれが協力し合いながら過ごしていきます。
有料老人ホーム
一般的に「老人ホーム」として認知されている高齢者向けの施設です。施設によって入居条件が大きく異なるうえに、プログラムや施設設備などにも違いがあります。
なお、要介護認定については、施設ごとに明確なルールを設けていますので、利用前に施設側に確認しなければなりません。
入居待ちの間にできること
万が一、老人ホームに入居できず「入居待ち」になってしまったとしても、ただ入居の知らせを待っているしかない…ということはありません。入居待ちの段階であっても、できることは意外にもたくさんあります。
ここからは、入居待ちの間にできることを解説しますので、参考にしてみてください。
ショートステイを利用する
入居待ちの間にできることとして、まずご紹介するのが「ショートステイの利用」です。
ショートステイとは、数日を目安として短期間入居できる高齢者向け施設です。受け入れ態勢は施設によって異なるものの、要介護1~5、要支援1~2が条件となっていることが多い傾向にあります。
介護者が仕事や外出などによって、高齢の家族を見ていられないときなどは、ショートステイを利用すると安心です。
ホームヘルパー
自宅で高齢者の家族の介護を行ってもらう選択肢として「ホームヘルパー」が挙げられます。
ホームヘルパーなら、施設へと送迎する必要はありませんし、慣れている環境での介護となりますので、心身の負担も軽く済むでしょう。
地域包括支援センターに相談
入居待ちの間に必ずやっておきたいのが「地域包括支援センターへの相談」です。家族に合った介護サービスが分からないときには適切なアドバイスをしてもらえますし、専門家にケアプランを提案してもらうこともできます。
初めての介護や高齢者向け施設の利用では、地域包括支援センターは大きな味方となりますので、ぜひ積極的に利用してみてください。
おわりに
いざ老人ホームを利用しようと思っても、様々な理由によって入居できないことがあります。もしかしたら、申請から入居までに長い期間が生じてしまうかもしれません。
しかし、入居待ちの間であっても、できることはたくさんあります。
今回ご紹介した内容を参考にしながら、老人ホームの入居準備や、入居待ち中の予定を決めていきましょう。
この記事の監修者
いいケアネット事務局
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