高齢の家族を老人ホームに入居させたいと考えている方もいるのではないでしょうか。「老人ホームは利用するためのお金さえあれば入居できる」と考えている方も多いですが、実際はお金があっても入れないケースがあります。
今回は、老人ホームに入れない理由について解説します。老人ホームごとの受け入れ体制や入居待ち期間にできることもまとめているので、高齢の家族がいる方は、ぜひ参考にしてください。
大阪を中心に、多数の高齢者向けの介護施設の情報を掲載する「いいケアネット」では、老人ホームに関する疑問やまつわる情報を「いいケアジャーナル」で随時更新中です。
老人ホームに入れない主な理由
老人ホームに入れない理由として、主に以下の4つが挙げられます。
- 入居条件を満たしていない
- 介護施設に空きがない
- 老人ホームに入るお金がない
- 医療行為を受ける必要がある
それぞれ詳しく見ていきましょう。
入居条件を満たしていない
老人ホームは、施設によって入居条件が異なります。たとえば、特別養護老人ホームに入るためには要介護3以上、介護老人保険施設なら要介護1以上の認定が必要です。決められた要介護認定を受けていない場合は、たとえ老人ホームに空きがあっても入れない場合があります。
そのため、老人ホームへの入居を希望する際は、それぞれの要介護度に合った施設を選ぶ必要があります。なお、要介護認定を受けられるのは、原則として65歳以上です。したがって、多くの老人ホームが65歳以上の年齢要件を設けています。
介護施設に空きがない
老人ホームに空きがない場合は、当然ながら施設に入れません。高齢者の増加に伴い、施設や人材が不足しており、老人ホームへの入居は難しい状況が続いています。
男性高齢者を老人ホームに入居させたい場合に、男性用の部屋が空いていないといった理由で入れない場合もあります。
基本的に、老人ホームは男女で居住エリアを分けている施設がほとんどです。そのため、入居希望者の性別によって施設に空きがなく、入居待ちになるケースも少なくありません。
老人ホームに入るお金がない
老人ホームに入るお金がなくて入居が難しい場合も考えられます。老人ホームに入るには、お金が必要です。
通常のアパートと同様に、部屋の利用料や光熱費がかかるほか、施設によっては介護保険サービスの費用が発生します。老人ホームの種類によるものの、入居時に一時金や預かり金の支払いが必要です。
なお、老人ホームに入るお金がない場合は、減免・助成制度を活用しましょう。また、できるだけ費用負担が少ない施設を選ぶこともポイントの一つです。
老人ホームに入るお金がないときの対処法について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:老人ホームの費用が払えない!原因から対処法まで解説
医療行為を受ける必要がある
継続的な医療行為を必要とする場合、老人ホームに入れないケースがあります。基本的に、介護士ができることは、体温・血圧の測定や軟膏の塗布などの医療的ケアに限定されています。
そのため、医療資格者が常駐していない老人ホームでは、医療行為を理由に入居を断られるケースが少なくありません。
継続的な医療行為を必要とする方は、医師や看護師が配置されている介護医療院や介護老人保健施設、特別養護老人ホームなどを利用する必要があります。
老人ホームに入れない人の割合
老人ホームへの入居を希望していても入れない人は一定数います。厚生労働省の集計によると、要介護3以上の方のうち約29万人が、特別養護老人ホームに入居を申し込んでいるものの入居待ちの状態です。
要介護3の場合、食事や排泄、入浴などの日常生活行為においてほぼ全面的な介護が必要です。うち在宅の方が約11万人おり、老人ホームになかなか空きがないことがわかります。
特別養護老人ホームの定員数は年々増えており、入居待ちの数も少しずつ減ってはいるものの、老人ホームに入るのが難しい状況は今後も続くと考えられます。
参考:厚生労働省『特別養護老人ホームの入所申込者の状況(令和4年度)』
老人ホームや介護施設ごとの受け入れ体制
老人ホームと一言でいっても、施設ごとに受け入れ体制が異なります。
以下で、各施設における受け入れ体制について見ていきましょう。
いいケアネットでは、老人ホーム探しのための入居無料相談を受け付けています。要介護度に合わせて利用できる施設を紹介しているので、ぜひ気軽にご相談ください。
介護医療院
介護医療院は、介護だけではなく医療サービスも受けられる施設です。医療的ケアが必要な高齢者向けの施設で、慢性疾患や比較的重度の病気を抱えている高齢者にも対応できることが特徴です。
要介護1以上の認定を受けている高齢者が利用できます。定期的な医療行為や処方、投薬管理、リハビリテーションなどがおこなわれ、要介護度が高い方ほど入りやすいとされています。
介護老人保健施設
介護老人保健施設は、自宅での生活が難しい高齢者向けの施設です。自宅に戻ることを目指し、リハビリテーションを中心としたケアを受けられます。
理学療法士や作業療法士が多く在籍しており、医療行為にも対応しています。なお、要介護1以上の認定を受けている方が入所可能です。一定期間ごとにリハビリテーションの進捗を評価し、入退去の判定がおこなわれます。
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)は、要介護者が利用できる高齢向けの施設です。原則として、要介護3以上の認定を受けている65歳以上の方が入居できます。
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)はとくに重度の介護を必要とする方のための施設で、入居者は24時間体制でケアを受けられます。ただし、入居待ちの期間は長くなりがちです。
グループホーム
グループホームは、認知症と診断された高齢者向けの施設です。要支援2以上の認定を受けた方や軽度の認知症の方が利用でき、入居者は少人数のグループで共同生活を送ります。
できるだけ自立した生活を送れるよう、施設スタッフのサポートを受けながら、それぞれの入居者が家事を分担して過ごすことが特徴です。。なお、認知症による迷惑行為や健康状態を理由にグループホームへの入居が難しいケースもあります。
有料老人ホーム
有料老人ホームは、一般的に「老人ホーム」として認知されている高齢者向けの施設です。施設ごとに入居条件が異なるほか、プログラムや設備などにも違いがあります。
また、要介護度に関係なく利用できる施設もあれば、明確な基準を設けている施設も少なくありません。
施設によっては比較的自由な生活ができる一方で、サービスの質や入居費用などに幅があります。そのため、利用前に入居条件や施設の特徴などの詳細を確認しましょう。
老人ホームの入居待ち期間にできること
万が一、老人ホームに入れなかった場合、入居の知らせを待つしかないわけではありません。入居待ちの期間でも、できることは意外にたくさんあります。
ここからは、老人ホームの入居待ち期間にできることを解説するので、参考にしてみてください。
ショートステイを利用する
老人ホームの入居待ち期間には、ショートステイの利用が可能です。ショートステイとは、数日から1週間程度を目安に高齢者向け施設に一時入所できるサービスです。
受け入れ体制は施設によって異なるものの、要介護1〜5、要支援1~2の認定を受けている方が対象のサービスが多い傾向にあります。
介護者が仕事や外出などによって、高齢の家族を見ていられないときなどは、ショートステイを利用すると安心です。また、ショートステイを通じて老人ホームでの生活に慣れておくと、入居時の不安も軽減できます。
ホームヘルパーを利用する
老人ホームの入居待ち期間中に在宅介護をする場合は、ホームヘルパーの利用も検討しましょう。ホームヘルパーとは訪問介護サービスのことで、在宅介護において専門的なサポートを受けられます。
ホームヘルパーなら、高齢の家族を施設へ送迎する必要はありません。また、普段と変わらない生活環境で支援を受けられるため、本人と家族の双方にとって心身の負担が軽く済みます。
地域包括支援センターに相談する
老人ホームの入居待ち期間に必ずやっておきたいのが、地域包括支援センターへの相談です。地域包括支援センターは各自治体に設置されており、公的制度や介護サービスに関する案内や、ケアプランの提案などをしています。
とくに初めての介護や高齢者向け施設の利用において、地域包括支援センターは大きな味方になるため、ぜひ積極的に利用してみてください。
地域包括支援センターを利用するメリットについては、以下で詳しく解説しています。
関連記事:高齢者とその家族をサポートする地域包括支援センターとは
ほかの施設への入居を検討する
老人ホームの入居待ちをしても、必ずしも希望する施設に入れるとは限りません。そのため、入居待ち期間には、ほかの施設の利用も検討してみてください。
一般的に、有料老人ホームは、特別養父後老人ホームと比べて比較的早く入居できる場合があります。介護度が低い場合には、介護月有料老人ホームや住宅型有料老人ホームの利用も選択肢に入れましょう。
ほかの施設への入居も検討すると、ただ待つよりも早く入居先を見つけられる可能性が高まります。
いいケアネットでは、老人ホーム探しのための入居無料相談を受け付けています。予算や希望に合った施設を無料で紹介しているので、ぜひ気軽にご相談ください。
介護費用の軽減制度を活用する
介護にかかる費用は大きな負担になります。介護においては、介護保険制度や各種助成金、減税措置など、さまざまな制度を利用できます。老人ホームの入居待ち期間に利用できる主な制度は、以下の通りです。
- 高額介護サービス費制度
- 高額療養費制度
- 高額介護合算療養費制度
- 医療費控除
- 居宅介護住宅改修費制度
- 福祉用具購入費
- 介護休業給付金
さまざまな支援策を活用すると、在宅介護中の経済負担を軽減できます。
介護費用の負担軽減策について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:家族の介護でもらえるお金は?ジャンル別に9つの制度を解説
老人ホームに入れないときはほかの選択肢も検討しよう【まとめ】
いざ老人ホームを利用しようと思っても、さまざまな理由で入れない可能性があります。場合によっては、申請から入居までに長い期間が生じるケースも珍しくありません。
老人ホームの入居待ち期間に在宅介護をする場合、周囲の負担は大きくなりがちです。そのため、老人ホームに入れないときは、ショートステイやホームヘルパーを利用したり、ほかの施設への入居を検討したりしましょう。
今回紹介した内容を参考にしながら、老人ホームの入居準備や、入居待ち期間中の予定を決めていってください。
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この記事の監修者
いいケアネット事務局
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