かつては親の老後は家族が見るもの、といった風潮が強い傾向にあったものの、近年は「老人ホームを利用する」といった選択をするケースが増えてきました。
しかし、一方で「老人ホームには入りたくない」と考える高齢者が少なくありません。実際に、親に老人ホームへの入居に納得してもらえない…と悩む方は多いです。
そこで、今回は「親に気持ちよく入居してもらうためのポイント」をご紹介します。
突然の見学は避ける
親に気持ちよく老人ホームへ入居してもらうためにも、突然の見学はなるべく避けましょう。
そもそも、老人ホームへの入居を拒否している時点で、老人ホームに良いイメージを持ってはいません。そんな中で、突然老人ホームへ見学に行ったら、高齢者は困惑したり、より抵抗感を覚えてしまう可能性があります。
「早く老人ホームに慣れてほしい」「老人ホームが悪いところではないことを知ってほしい」という気持ちは分かりますが、まずは徐々に老人ホームについて知ってもらう必要があります。
例えば、老人ホームのパンフレットを見せてみたり、もし知人に老人ホームへ入居している方がいれば、入居中の活動内容や出来事などを話してみるのも良いでしょう。
「老人ホームは思っているような悪いところではないのかもしれない」と、少しずつ感じてもらうことが大切です。
「楽しい場所」であることを説明する
老人ホームへの抵抗感を軽減するためには、「老人ホームは楽しい場所であること」を説明する必要があります。
高齢者の中には「老人ホーム=姥捨て山」のような、暗いイメージを持っている方がいらっしゃいます。老人ホームに対して暗いイメージを持っていると、「入居者の元気も無さそう」「施設の人が不親切そう」など、さらに悪いイメージを抱きやすくなってしまうのです。
しかし、実際の老人ホームはレクリエーションが充実していたり、イベントがあったりと、利用者が楽しく過ごせるような配慮を徹底している施設がほとんどです。
まずは、老人ホームの暗いイメージを払拭するためにも、「楽しい場所であること」を知ってもらいましょう。
「この施設は夏になるとお祭りを開催するみたい」「近所の老人ホームはよく大道芸人を読んだりしているみたい」など、明るいイメージを持てるように説明してあげてください。
体験参加を利用してみる
親に気持ちよく老人ホームへ入居してもらうためには、「体験参加」からスタートすることがおすすめです。
いきなり老人ホームへの入居となってしまうと、環境の変化についていけないうえに、どんな場所かもわからないので強い不安に襲われてしまいます。もしかしたら、帰宅願望が強くなってしまうかもしれませんので、いきなりの入居はおすすめできません。
そのため、まずはレクリエーションのみに参加したり、食事の試食会に参加するなどがおすすめです。少しずつ老人ホームの雰囲気が分かれば、施設に対するくらいイメージを払拭しいやすくなるでしょう。
また、レクリエーションや試食会などは、基本的に「楽しいシーン」ですので、「老人ホームは楽しい場所」としての印象が強くなります。
他にも、入居者同士で将棋や囲碁を楽しんでいたり、みんなでテレビの前で相撲を見物しているシーンなどを見せてあげるのも良いでしょう。
徐々に環境の変化に慣れてもらう
親に気持ちよく老人ホームを利用してもらうためには、徐々に環境の変化に慣れてもらうことが大切です。
「老人ホームが楽しい場所と理解してもらえたから、さっそく入居してもらおう」と考えがちですが、突然入居となるのは高齢者にとって大きな負担です。
老人ホームへの入居の段階にいく前に、ショートステイを利用したり、1泊程度の体験入居をすることで、徐々に老人ホームに慣れていくことができます。
突然老人ホームに入居となり、一気に生活が大きく変化してしまうと、高齢者がストレスに感じてしまう可能性があります。場合によっては、せっかく老人ホームが楽しい場所と理解できてきたのに、また施設に対して暗いイメージを抱えることにもなりかねません。
老人ホームの雰囲気が理解できたとしても、焦って入居させることは禁物です。入居を希望する施設のショートステイや体験入居などを経てから、入居を検討してください。
おわりに
高齢者の中には、老人ホームに対してあまり良いイメージを持っていない方がいらっしゃいます。実際、「老人ホームに行く人は可哀想」と感じている高齢者もいるのです。
そのため、親に気持ちよく老人ホームに入居してもらうためには、さまざまな段階を踏んで、徐々に老人ホームの本当の環境を知ってもらう必要があります。
このページでは、そういった「親に気持ちよく老人ホームに入居してもらうためのポイント」を詳しく解説しましたので、家族に高齢者がいる方や、老人ホームへの入居を検討中の方は参考にしてみてください。
この記事の監修者
いいケアネット事務局
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