「鏡を見たら、舌に白っぽい汚れがついてるんだけど、これって何?」
「舌苔って聞いたことはあるけど、家にあるもので簡単に取る方法ってないの?」
このようなお悩みをお持ちの方もいるのではないでしょうか?
舌の表面にたまる白っぽい汚れ「舌苔(ぜったい)」は、放置すると口臭や味覚の低下を引き起こすリスクがあります。そのため、早めのケアが大切です。
そんなときに知っておきたいのが、わざわざ専用アイテムを買わなくても、家にあるもので舌苔を取り除く方法です。
本記事では、歯ブラシ・ガーゼ・綿棒・食べ物など、身近なものでできる舌苔のケア方法をわかりやすく紹介しています。ケアする際の注意点や、舌苔を予防するための習慣についても解説していますので、参考にしてみてください。
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家にあるものでの舌苔(ぜったい)の取り方は?裏ワザのケア方法や注意点も解説
舌苔は舌の表面に現れる白っぽい苔のようなもので、年齢や性別に関係なく誰でも付着します。ただし、放置すると口腔トラブルや歯周病の原因になってしまうので、家で簡単にできる3つのケア方法を紹介します。
- 歯ブラシ・舌ブラシ
- ガーゼ・綿棒・ティッシュ
- タブレット
舌苔の厚みが増してきたと感じてきたら、ケアを行うタイミングです。舌苔の取り方を1つずつ解説していきます。
歯ブラシ・舌ブラシ
舌苔は、普段使っている歯ブラシでもケアできます。デリケートな舌への負担を抑えたい方、しっかりケアしたい方は専用の舌ブラシのほうが効果的に除去できます。
以下は、舌を守りながらケアするポイントです。舌苔のケアを行ってください。
- 強い力で磨かない
- 歯磨き粉は使わない
- 短時間で終わらせる
磨く際は、舌の表面を傷つけないよう、ブラシを喉のほうから舌先へなでるように動かすのがコツです。また、歯磨きの前に舌を磨くと、口腔内を清潔に保てます。
頑固な舌苔ほどケアには時間がかかるので、根気よく毎日続けてください。
ガーゼ・綿棒・ティッシュ
歯ブラシで舌苔をケアしようとすると、嘔吐反射で気持ち悪くなってしまう方も少なくありません。そんな人におすすめなのが、ガーゼや綿棒、ティッシュを使ったケアです。
以下の表に、それぞれのアイテムを使ったケア方法をまとめました。
ガーゼ | 1.清潔なガーゼを指に巻きつける 2.水でガーゼを湿らせる 3.奥から手前に向かい優しくなでる |
綿棒 | 1.綿棒を水で湿らせる 2.舌の気になる部分を優しくなぞるようにふき取る |
ティッシュ | 1.ティッシュを2~3枚重ね指に巻き付ける 2.水でティッシュを湿らせる 3.奥から手前に向かい優しくなでる |
ガーゼやティッシュは広範囲の舌苔に、綿棒は細かい部分のケアに適しています。強くこすると舌が傷ついてしまうので、優しくなでるようにケアしてください。
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タブレット
舌苔ケア用のタブレットは、手軽に口臭予防や舌の清潔を保てるアイテムです。
タブレットを口の中で溶かすだけで有効成分がした全体に広がり、外出先でも手軽に使用できる点もメリットです。
大きく分けるとタブレットは以下の3種類です。目的に応じて使い分けてください。
酵素配合 | 汚れを分解する酵素配合で、舌苔を剥がれやすくする効果が期待できる |
抗菌成分配合 | 口臭の原因となる細菌の繁殖を抑える |
清涼成分配合 | 使用後に爽快感が得られる |
タブレットだけでは、舌苔は完全に除去できません。あくまでも補助的なケアなので、歯ブラシなどと併用してください。
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【裏ワザ】食べ物で舌苔(ぜったい)を取る方法|はちみつ・重曹・パイナップル
舌苔はたんぱく質の汚れなので、たんぱく質を分解する酵素を含んでいる食材は効果があります。食べ物を使った自然なケアであれば、歯ブラシや舌を拭くのを嫌がる方でも簡単に対策できます。
はちみつの抗菌作用、重曹の弱アルカリ性、パイナップルの酵素は自然素材で口内を痛めにくく、習慣化しやすいのがポイントです。
以下に、各食べ物のケアする方法をまとめました。
はちみつ | 1.小さじ1杯舐める
2.口の中で溶かしてから飲む |
重曹 | 1.コップに小さじ1杯の重曹を溶かす
2.うがいをする ※かならず食品用の重曹を使用する |
パイナップル | 1.食べやすい大きさに切る
2.噛むときに舌全体に荷重が行き渡るよう食べる |
舌苔を取り除く効果がある食べ物は無理なく生活に取り入れられるので、特別な道具やケア用品が必要ありません。歯ブラシのような物理的刺激が少ないので、嘔吐反射が出やすい人でも受け入れやすいです。
家にあるもので舌苔(ぜったい)を取る際の注意点
舌苔をケアするにあたり、誤った方法で除去しようとすると舌の表面を傷つけてしまいます。舌を傷めると痛みや炎症、味覚障害につながるリスクもあります。
ここでは自宅で舌苔(ぜったい)を取る際の注意点を2つ紹介します。
- 強い力で磨かない
- 1回のケアに時間をかけすぎない
舌苔をケアするにあたり、誤った方法で除去しようとすると舌の表面を傷つけてしまいます。舌を傷めると痛みや炎症、味覚障害につながるリスクもあるため、注意点を参考にして安全なケアを進めましょう。
強い力で磨かない
舌苔のケアは、強い力を入れて磨かないようにしましょう。
舌はとてもデリケートな部位です。強い力で磨いてしまうと舌の表面を傷つけ、口内トラブルのリスクを高めます。
また、強い力で磨いても、舌苔は取り除けません。優しく磨いても得られる効果は同じなので、かならず「撫でるようにブラシを使う」を意識しましょう。
1回のケアに時間をかけすぎない
舌苔のケアを行う場合、短時間で済ませるようにしましょう。
「なかなか舌苔が取れない」と長時間ケアを続けると、舌を傷め味覚障害や口臭の悪化につながる可能性があります。
舌苔は頑固で舌が綺麗になるまで数日かかるため、1回で取りのぞくことは困難です。舌苔のケアにはある程度の期間を要するので、1日1,2回、週2~3回を目安に時間をかけケアすることを頭に入れておきましょう。
舌苔(ぜったい)が軽減する予防法
舌苔は生活している以上、誰でも自然と付いてしまうものです。しかし、意識次第で舌苔を軽減できます。
どうすれば舌苔を軽減できるのか、2つのポイントを紹介します。
- 食事はよく噛む
- 会話などで口を動かす頻度を増やす
順番に見ていきましょう。
関連記事:膿栓(臭い玉)の取り方とは?原因や予防法などを解説
食事はよく噛む
毎日の食事で意識してよく噛むことが、舌苔の付着を軽減する第一歩です。現代人はあまり噛まずに飲み込んだり、柔らかいものばかり食べる方が多く、噛む回数が少ない傾向にあります。
しかし、食事の際にしっかりと噛むことで唾液が分泌され、舌苔が大量に発生するのを防ぐことができます。
また、よく噛むことは食べ過ぎの予防や、内臓への負担軽減にもつながるため、健康面においてもメリットが多いです。
会話などで口を動かす頻度を増やす
舌苔を防ぐためには、日々の会話で積極的に口を動かすことも重要です。
会話は舌が自然に動き唾液の分泌が活性化され、口内の乾燥を防ぐことにつながります。その結果舌苔の発生を抑え、口内トラブルを回避できるのです。
ご家族や友人、知人などと会話する機会を増やし、唾液の分泌を促しましょう。
家にあるものを舌苔の取り方に活用して手軽に口腔ケアしよう【まとめ】
舌苔は口内トラブルを引き起こす存在です。しかし、正しいケアを行い適切な予防法を実践すれば、舌苔は防げます。予期せぬ口内トラブルに悩まされるリスクを減らすためにも、日頃から舌の健康にも気を配ることが重要です。
現在すでに舌苔に悩んでいる方は、本ページを参考に正しいケアと予防法をお試しください。
大阪を中心とした高齢者向けの介護施設の情報を多数掲載する「いいケアネット」では、舌苔ケアを含めた介護関連の情報を「いいケアジャーナル」で随時更新中です。
監修者 大阪大学医学部大学院寄附講座教授・医学博士 森下 竜一
大阪大学医学部大学院寄附講座教授・医学博士。スタンフォード大学での研究経験を持ち、健康医療戦略の政府参与や2025年大阪・関西万博の総合プロデューサーを務める。これまで多くの受賞歴を持ち、抗加齢医学専門医などの資格も保有。