混合介護は、介護保険内と保険外のサービスを組み合わせて、要介護者や家族のニーズに幅広く応える仕組みです。
ただし、仕組みを理解せずに利用すると、高額料金の請求や要介護者の自立阻害といったリスクもあります。安全にサービスを受けるためには、正しい情報を知っておくことが欠かせません。
本記事では、混合介護の基本的な考え方や、規制緩和におけるメリット・デメリットについて詳しく解説します。
混合介護を安心して利用するための知識が得られるので、最後までご覧ください。
混合介護とは?厚生労働省の考え方と合わせて解説
混合介護とは「介護保険が適用されるサービス」と「適用されない自費サービス」を組み合わせて提供する介護サービスの形です。
厚生労働省の取り決めにおいて、介護保険サービスと保険外サービスを同時一体的に提供するやり方は認められていません。
【サービスが同時一体的になっている例】
利用者の食事を作る(保険サービス)際に、利用者家族の食事も作る(保険外サービス)
両サービスを受けたい場合は、以下のように対応を明確に区別し、連続性をもたせる必要があります。
【サービスが連続になっている例】
利用者の食事を作ったあとに、利用者家族の食事を作る
実は、保険内外のサービスに明確な線引きはありません。また、保険者ごとに保険内外の併用に関するルールが異なります。
混合介護にはこういった利用者の利便性を欠く課題が残っています。
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参考:厚生労働省『介護保険サービスと保険外サービスを組み合わせて提供する場合の取扱いについて』
混合介護における規制緩和の動き
課題が残る混合介護をめぐって、国は規制緩和に向けた検討を進めています。
具体的には、以下の提案が出されています。
- 介護保険サービスと保険外サービスの同時一体的提供
- 介護保険サービスに付加価値をつけた部分への料金設定
現状はまだ検討段階ですが、東京都と豊島区が連携してモデル事業を実施中です。
現場での成果をふまえ、全国への広がりが期待されています。
参考:東京都・豊島区『選択的介護モデル事業報告書』
混合介護の規制緩和がはじまったのはいつから?【2018年からモデル事業を実施】
混合介護のモデル事業は、平成30年度から東京都豊島区で始まりました。
その前段階として、平成29年2月の国家戦略特別区域会議で実施が提案され、同年6月から豊島区と協力しながら有識者による検討が進められています。
平成30年8月から令和3年3月の期間中に実施したモデル事業の成果は報告書にまとめられています。
混合介護が規制緩和されるメリット
混合介護が規制緩和されれば、以下のように要介護者・介護者である家族・介護スタッフ全員にメリットがあります。
- 要介護者の生活の質が向上する
- 介護者の負担が減る
- 介護スタッフの収入アップが期待できる
混合介護の規制が緩和されると、要介護者は趣味の買い物や希望する場所への外出が可能になります。また、衣替えや庭の手入れなども依頼できるようになるため、暮らしの満足度が高まるでしょう。
また、同居家族の分の家事支援も同時に依頼が可能です。介護保険では対応できなかった範囲を補えるため、仕事や育児と介護を両立する人の負担軽減が期待できます。
さらに、保険外サービスの提供により、介護スタッフの収益が増える可能性があります。
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混合介護が規制緩和されるデメリット
混合介護が規制緩和すれば、利便性は増しますが、いくつかの注意点もあります。
たとえば、保険外サービスの拡大によって、高額な契約を結ばされるリスクがあります。収益を重視する事業者が、利用者にとって不要なサービスをすすめたり、不当に高い料金を請求したりする可能性が出てくるためです。
また、支援の対象が増えると、利用者が本来自分でできる行動までサポートしてしまい、自立を妨げる心配もあります。
規制緩和が進んだ場合は、利用する側も判断力を持ってサービスを選ぶ意識が求められます。
混合介護の仕組みを理解して今後の介護プランに役立てよう【まとめ】
保険内外のサービスを組み合わせた混合介護は、保険内サービスだけでは対応しきれない要介護者や家族のニーズを補ってくれます。
現在は規制緩和が検討されており、今後さらに利用しやすくなる可能性があります。ただし、課題もあるため、本記事で紹介した規制緩和におけるメリット・デメリットを把握して、今後の介護プランの設計に役立ててみてください。
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この記事の監修者
いいケアネット事務局
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