日本人の死因第4位の脳卒中(脳血管疾患)。
医療技術の進歩もあって、死亡者数は年々減少しているものの、介護の主な原因では第2位で、認知症についで多いです。
要介護5だけでみれば、介護の主な原因第1位という介護との関連性が高い病気だと言えるでしょう。
出典:厚生労働省 平成28年 国民生活基礎調査の概要 介護の状況
脳卒中(脳血管疾患)とは
脳卒中とは、脳内にある血管が詰まったり、破れて出血したりする病気の総称で、脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などを含む脳血管疾患のことです。
脳卒中(脳血管疾患)の原因
脳卒中の最も大きな原因は生活習慣だと言われています。運動不足やストレス、食生活など様々な要因がありますが、特に大きな要因となっているのが「食生活」でしょう。
食の欧米化により、動物性脂肪を多く摂取するようになり、血中の脂肪分が増えました。
血管の壁に脂肪が溜まることで血管が詰まって脳梗塞が引き起こされます。
また、塩分過多な食事による高血圧や、動脈硬化による血管の弾力の低下などとも影響しています。
脳卒中(脳血管疾患)の症状・後遺症
脳卒中が発症した際に見られる典型的な症状としては、右または左半身の手足や顔の麻痺です。脳の損傷部位によっては、言語障害やめまい、視野狭窄などが見られます。
「片方の手足や顔が動かない」
「感覚が鈍くなったりしびれたりする」
「突然、ろれつが回らないようになった」
「急に言葉がでなくなった、理解できない」
などの症状が出たら、脳梗塞や脳出血の可能性があります。
また、上記の症状などが後遺症として残ってしまうことがあります。
立てない、歩けない、話せない、手が使えないなど日常生活に大きな支障をきたしてしまうケースもあります。
脳卒中(脳血管疾患)になった時の対応
脳卒中は発症してからの対応によって、状態をある程度回復させることができます。
まず、異変を感じたときはすぐに救急車を呼ぶことが大切です。
意識の確認と呼吸の有無、確認できる症状を救急隊員に伝えて、指示を仰ぎましょう。
病院での治療は手術とは限らず、点滴で血栓を溶かすなどの内科的治療を行うケースもあります。
脳卒中で特に大切なのが、「治療後すぐのリハビリ」。
最初はベッドの上でのリハビリで人工的に症状が出ている部分を動かしたりしますが、このリハビリを少しでも早く行うことが、回復に大きく影響します。
その後の治療もリハビリがメインになり、期間も長くなるケースが多いです。
しかし、そのリハビリによって大幅に回復する症例が多くみられるので、根気強く継続することが大切です。
脳卒中(脳血管疾患)のリハビリ施設は?
脳卒中の急性期のリハビリ(発症から1~2週間)のあとは、リハビリ病棟(病院)や介護老人保健施設(老健)などの選択肢があります。
リハビリ病棟がない病院の場合、発症から日が経っていなければ、スムーズにリハビリ病院への転院ができるでしょう。
症状がリハビリ病院に該当しない場合や、リハビリ病院での入院期間が終了した場合は、老健を探しましょう。
老健は自宅へ戻るためのリハビリを行う施設でもあります。
ただ、老健に入所するためには介護保険の申請が必須なので、入院中に早めに手続きをしておく必要があります。
リハビリ病院も老健もそれぞれ、基本的には期間は3か月程度となっていますが、状態によっては期間が延長されるケースもあります。
脳卒中の後遺症で精神症状が出た場合
脳卒中の後遺症として、四肢麻痺や言語障害以外にも、せん妄などの精神症状が強く出ることもあります。
「大声で叫ぶ」「モノや壁を叩く」「うろうろと徘徊する」といった症状がある場合、リハビリ病院や老健、介護付有料老人ホームなどへの入居が困難になります。
また、精神科専門でない職員では対処の仕方がわからないので、リスクも高くなります。
せん妄がある場合は、すみやかに精神科に入院し、医師と相談しながら適切な薬物治療を行いましょう。
人によって薬の効果の出方が異なり、薬との相性を見たり調整したりするのに3ヵ月から半年くらいは掛かると考えておいた方が良いでしょう。
リハビリが終了し、せん妄もなくなったら、長期間過ごせる介護付き有料老人ホームを検討することをおすすめします。
食事や入浴などの日常的な介護はもちろん、レクリエーションなどもあり、自宅に近い環境で過ごすことができます。
心臓疾患や高血圧などの循環器疾患を抱えているケースも多いので、医療機関(クリニックなど)が併設されているような老人ホームの方がより安心できるでしょう。
まずは、「施設を探す」ページでご希望の条件を選び、当てはまる老人ホームがあるか検索してみましょう。
お急ぎやお困りの場合は、お電話(0120-577-889)でも受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。
この記事の監修者
いいケアネット事務局
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